第42回新春賞観戦報告

 2000.1.3、園田、1870m

全国どこの競馬場でも同じであろうが、正月開催は園田で1年中でもっとも観客が入るとき。新春賞のあるこの日、 1月3日、場内は溢れ返るらんばかりの人の入り。(翌日のスポーツ紙によれば入場者数20394人)
当日オフ会参加のつもりのワシであったが、この人混みの中、知った人をちっとも見つけられない。 これも正月開催ならでわか。人捜しは諦めて新春賞前のレースからパドック待ちをすることにする。 すると「あらぶのメッカ」の前田さん(オフ会幹事!)がやってきてくれた。程なく抹茶椀、山根先生も現れる。 前田さんによると、皆さん"浦さんオッズモニター"前にいるとのこと。とりあえず、前田さんと山根先生と、3人並んで各馬の登場を待つ。

さて新春賞、ハンデ戦であり有力馬はそれなりに斤量を背負うことになるが、縁起を担いでか、例年かなり出走してくる。
パドックに出走馬登場。
ニシノハクリュウ、相変わらず好馬体。ただ走り過ぎなのが気になるところ。
マキオリンボー、8月の摂津盃以降オープンで完全連対。適距離のここは陣営も三野jkも必勝を期して送り出した筈。 とりあえず馬体重増えなかったのは何より、いい感じ。ただ欲を言えばもう少し腹周りが絞れてもいいかとも。 まあシナノリンボー産駒だけに。
さてケイエスヨシゼン、背負い頭の60k。なんと黄地に緑縁取りのおニューメンコで登場。はっきり言って似合わない。 それはともかく、気合いも毛艶も最悪。冬毛出かかっている。完全にやる気なし。 (それと、これはワシ自身は目撃しそびれたのだが、山根先生によると、立ち止まって周回に参加もせず、 おまけに馬っ気まで出していたらしい)千八七の距離も短く、完全に用無し状態。
ユウターヒロボーイ、いい感じだと思う。金盃での引っ掛っての無様な敗戦で、鞍上も下原から赤木にスイッチ、人気も落ちて狙い頃?
問題はワシュウジョージ、11月の西日本アラブダービー(福山)で、勝ちこそすれど、地元のマルサンダイオーに渋太く食い下がられ、 辛勝のイメージが強く、ワシの中ではその実力に?マーク点滅状態。 さりながら登場した本日のパドック気配、鶴首で瞳も爛々として気合い充分。おまけに馬体重も戻して (六甲盃が457、アラブDBが445の−12、本日が459の+14)きている。ハンデも55.5kと、 昨年のサンバコールが58.5kだったことを考えるときわめて恵量。マキオリンボー(57k)より軽い。
ただ1頭の牝馬、トライバルサンダーはB級格付けから一足二足、いや三足跳びの各上挑戦。とはいうものの名古屋時代、 休養前の4歳の時点では名古屋代表で楠賞に来ようとした程の素質馬、そして兵庫転厩後の現在までデビュー以来負け無しの8連勝。 転厩以来の兵庫での3戦はいずれも楽々の逃げ切り、鞍上田中の手綱は動きもしない。本日のハンデは52k、 格上挑戦としては妥当だがむしろ恵量とも。牝馬ながら500kを越す馬体、しかし顔も姿もスラッとしていて美人、 というより偉丈夫、といった感じ。サラでいうとヒシアマゾンと似たタイプ。

ヨシゼン(41KB)
ケイエスヨシゼン、おニューのメンコ
ワシュウ(39KB)
ワシュウジョージ、鶴首、絶好

ここで予想、マキオリンボーのここ半年間の安定性と距離適性、差し脚の安定性、 そして何より陣営と三野っちの重賞奪取にかける意気込みを勘案してこれを軸に。 相手は不本意ながらも、好気配と恵まれた条件からワシュウ、恵量とスピードの素質を買ってトライバルサンダー、 気配は○ながら人気のやや落ちたハクリュウとユーターヒロBOY、この4頭に馬連で流す。ヨシゼン、要らぬ。とにもかくにもマキオ&三野っち頼み。

さあレース発走。
スタートしてまず飛び出したのは大方の予想通り田中トライバルサンダー、続いて平松ビソウミラクル、赤木ユタヒロBOYと松平ハクリュウ、 少し空いて政宏トラブルメーカー、さらに空いて太ワシュウが単走。これを見てマキオリンボー、岩田ヨシゼンは後方。 最後方は永島マイクリス、馬にやる気が感じられず。
2周目3角、トライバルの逃げは快調、ここまでユタヒロは掛かりながら2番手(それにしてもこの馬よく掛かる)、ハクリュウもこの一群 (ハクリュウの場合、二四金盃→千四スパートカップ→千八七の本日と1月の間に距離バラバラの3走、道中のペースが千四の早いまま、 というのは抹茶椀のレース後のご指摘)そしてここからワシュウが進出、この馬、差し馬ながら自力で進出できる点は認める。 ここでマキオが後手を踏む、というよりは既に向こう流しで三野の手が動いている、ヨシゼンはやる気無し、おまけに距離足らずで当然反応鈍し。
最後の直線、内でトライバル粘る、ハクリュウ、ユタヒロはバテ気味のところ、 馬場ど真ん中をワシュウがやって来てゴール前100mでさらにグ〜ンっと伸び、優勝。2着はトライバルサンダーが逃げ残る。 3着は道中ワシュウの直前でレースを進め、4角以降はワシュウについてきたトラブルメーカー (この馬、ヒラオープン馬街道一筋でここまでよくのし上がったと思う)。マキオリンボー、追い込むも4着、ヨシゼンはさらに遅れて5着。
太さんは昨年のエイランボーイに続き新春賞連覇、去年と同様に、ウィニングランの鞍上で派手にガッツポーズ。

ワシュウ(38KB)
ワシュウジョージ&太、ウィニングラン

結局のところ、ワシュウジョージの強さが、再確認されることになった。もしこの先実現できるのであれば、ホマスタ、プリウス、 パワーレイクといった、同世代5歳馬どうしの対決を見てみたいと思うのである。 しかしながら、レースが終わって心にまず残った心情、「ワシュウ!その脚あるんやったら福山でマルサンダイオーち切ってみんかい!」 であった。馬券も外れたこともあり、あまり嬉しくなかったのである。
まあそれはともかく、今後交流競走に打って出たとき、そのときの遠征先での走りでワシュウの本当の真価が問われることになるのであろう。 それを見届ける日を楽しみにしつつ、この記事はおしまい。


おまけ、マキオリンボー、結構好きなんです

昨年摂津盃で2着するまでは、"オープン平場の参加賞男"、当時同様の境遇だった曾和厩舎のオカノテイセンとコンビで、「また仲良く・・・」 程度にしか思っていなかったのですが、彼の"差し"が板に付いてきて、そのフォームと威力を見るにつけ、気になるようになった次第。 差しに入ると、ギアが入ったみたいにカクンとフォームが、特に首から肩にかけてが沈んで、前脚を前に投げ出し、頭を突き出す姿がいいんですね。 この格好が、ちょっとニホンカイユーノスのフォームに似ている(と個人的に勝手に思っている)のですよ。
ところがこの馬、姫路が駄目(というより輸送するとイレ込んでレースにならないらしい)なので、白鷺賞は狙えず、 園田金盃は二四の超一戦級相手では分が悪く・・・といった具合に、重賞狙うとすれば、園田千八七の新春賞か摂津盃しかないんです。 ということで上記の新春賞は必勝を期して臨んだ筈、にも関わらず、この結果で・・・
今年以降、アラブ系重賞はどんどん減ります。必然的に今まで以上に一つの重賞で多くの有力馬が競合することになる筈です。 マキオくん「俺は園田千八七好きなんだよ!スペシャリスト!わかる?そこんとこひとつよろしく」なんて言ってられないよ。 キミに乗るときは拍車まで履いてキミを叱咤激励(!?)する三野騎手を男にするためにも奮起して下さい。 その格好いい破壊力のある末脚で観客を魅了する日を期待しております。

マキオリンボー(44KB)
三野っちを男にしてよ!マキオリンボー

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