第51回日本海特別観戦報告

 2000.1.4、益田、2200m

「プリウス見たい!」
これがワシを正月早々益田へと駆り立てた何よりの動機。とはいうものの、 結局出走メンバーを事前に確認できないまま、たぶん出走するだろう、 という推測と期待のもと、一路益田へ。
経路は新幹線にて小郡まで、山口線に乗り換えて終点益田。西明石を朝の9時に発って、 益田到着が1時半、まあこんなところだろう。

冬の山陰の悪天候を心配していたが、当日はタクシーの運ちゃんも太鼓判を押す好天、 暖かく風もない素晴らしい日和。
結局競馬場着は2時頃。早速日本海特別の出走メンバーを確認するが、これが大正解。
12月の益田4歳馬の総決算、益田大賞典を制したお目当てニホンカイプリウスに、 同レース2着で福山の西日本ADBにも参戦したローレルヒロ、 前回の日本海特別の覇者シリウスファイターに、元福山女王のゴールドヒリュウ、 一昨日の笠松アラブギフでは見かけなかったサルタシーザーは、 このレースを狙っての益田転厩らしくここで再会、てな具合で見知った馬も多く、 想像以上の好メンバー。
焦点は、プリウスがここで益田最強馬の座を一気に射止めるか否か。

到着時、パドックには8Rの出走馬が周回。パドックに注目するお客さんの中に、 カメラを構えた2人連れが。その一方の人物、見知った顔、栃さんだ。お互いびっくり (とはいうものの、栃さんが全国どこに出没したしてもそれ自体は全然不思議じゃないのだけれども)
栃さんによると、この古馬条件レースに、明け4歳(5日前まで3歳)にして9連勝の牝馬が出走するのだという。 イッテンヨカイチ、益田のスター候補らしい。
さてその8R、件のイッテンヨカイチは1350mのレースを中団から進める。4角あたりで進出して差し切り勝ち。 予想紙によると、3歳の時点でバリバリの差し馬なのだという。 おそらく次走は福山の園田・益田・福山交流特別競走。そしてさらに"全日本"と、期待と夢は広がる。 いずれにせよこの馬を目撃できたのは予想外の収穫。(栃さん、情報ありがとう)
イッテンヨカイチ(48KB)
イッテンヨカイチ、直線の脚
シリウスファイター(47KB)
シリウスファイター、明け11歳

パドックの各馬、プリウスは491kの好馬体、のほほんと周回、欠伸までかます。シリウ スファイターは明け11歳とは思えぬ出来の良さ、鹿毛の馬体がビカビカ。ローレルヒロ も気配良し。狙ってみたかったゴールドヒリュウは冬毛ボーボー馬体ガレガレでこりゃ あかんわ。サルタシーザーは首を伸ばし、厩務員さんにあたかも引っ張ってもらって歩いているかのよう。 こんな周回の姿の馬、そうそう福山のアサリュウキング、あいつと同じ。

さて馬券、連勝は単式オンリーの発売とはいえ、アタマはプリウス鉄板なので検討は楽。 シリウスファイター、背負い頭で明け11歳ながらも、馬体と仕上げの見た目の良さでこれへ本線。 あとはローレルヒロ、前回の"日本海"の2着でオープンの実力馬キャプテンシーへの流しを押さえる。 プリウスは当然なれど、シリウスの健闘に期待して発走を待つ。

益田二二は四角から。先ず1枠からスパイダーガールがハナ、シリウス2番手、プリウス はそれから4、5馬身以内の3番手、1周目1、2コーナーでシリウスが意外にも先頭に。 トッププハンデ59kを気にしてか。逃げてレースを引っ張る。プリウスは道中ずっと3、4番手。 2周目三角手前、プリウス発進、自力で前を捉えに。そして直線、プリウス余裕の抜け出 し、力強く堂々の勝利。2着は道中好位後方よりローレルヒロ、明け5歳馬のワンツー。 シリウスは直線捕まり3着敗退。
プリウス、益田に敵なしをアピールするに充分な勝ちっぷり。そして今後の交流レースへの期待が高まる。

レース後の表彰式、益田にウィナなんてものはなく、スタンド前のところに木箱のお立ち 台置いて(このお立ち台がセッティング前は猫車に積んであるのだ)やってしまうのだ。 そして口取り、益田の口取り撮影では肩掛け(優勝レイ)掛けない(多分ない)みたいだ。 あれいくらするのか知らぬが、プリウスにだったら寄贈して掛けてあげたいと思ってしまった。

プリウス(49KB)
優勝プリウス、口取り撮影、レイはなくとも気は心

瀬戸内賞での惨敗を目にして(実はこれには訳があるらしい)、その能力を心配したプリウスだが、 改めてその強さと可能性が実感でき、個人的には満足。レースとしてもメンバー、パフォーマンス、 結果、全て期待以上。8Rでイッテッンヨカイチの勝ち姿も目撃でき、意義深い益田遠征であった。


おまけ、ニホンカイプリウスを語る

栗毛の綺麗な馬です。現在では馬体重も490kぐらいあります。 シナノリンボー産駒らしいどっしりとした胴周りに、兄のユーノスを彷彿させる、 細面だけれどどこか茫洋とした顔立ち、結構二枚目です。(すっかりミーハーな文章) 性格も、大人しいというかおっとりしているというか、カリカリしたところがほとんどありません。 厩務員さんによくなついていて可愛らしい、ちょっとまだ子供っぽい感じです。
同級生の、ホマレスターライツ、ワシュウジョージが細身で鶴首、 悍性の強そうな馬であるのとは全く正反対のキャラです。是非ともこれら2頭を始め、 全国区級の大物と対決してもらいたい。セイユウ賞、出走させてあげてよ!

プリウス(45KB)
日本海特別のパドックにて、欠伸をかますプリウス

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