開幕!福山秋競馬 〜有力各馬の始動を見届けるの巻

 2000.9.16,17、福山競馬場

福山競馬は例年盆開催終了の後、1ヶ月間休催する。これだけの期間開催がないのは年間を通じてこの時期だけ。この間に馬場の整備をするというのがその理由らしいが、それより重要な意味あいがこの休催期間にはある。すなわち、開催維持のため走り詰め―たとえ真夏であろうと―の在籍馬がここで息を入れてリフレッシュする、ということ。福山の開催カレンダーは年度区切りであるが、上記理由からも年度の区切りよりも、このお休み期間の方が大きな節目であるようにワシは感じる。ここから古馬は秋の菊花賞、そして正月の頂点決戦、福山大賞典へ、4歳勢は三冠レースの二冠目10月の鞆の浦賞、そして11月下旬の一大イベント、全日本アラブグランプリに向けて改めて始動するわけである。

ということで、9月15、16、17日の三連休、待ちに待った秋競馬の開幕。レースのメニューも有力馬・注目馬の緒戦となるべき番組が満載。今年度下半期の福山、ひいては全国のアラブ戦線の行方を占う意味でも私的には関心大。というわけで、園田業界はミッキーマゼロwith岩田@阪神&マッキーローレルwith平松@中山に湧く中、アラブなワシは土、日連闘で福山なのであった。以下、両日中に行われた注目レースの観戦報告、記してまいりましょう。

9/16(土)、天候:曇りのち時々晴れ

半ばまでは全国的に大雨にたたられたこの1週間だったが、当日家を出る時は幸い曇り。例によってチボリ号にて福山入り。福山の天候はもう回復傾向。曇天で時折陽が差す競馬観戦と写真撮影にはちょうどいい空模様。
1レースのパドック周回が始まる前に、場内モニターに流される、前日のレースのリプレイにて、前日最終レース(新涼特別、B2・B3組)の模様を確認。"幻のダービー馬"イクノシンプウ、岡崎を鞍上に逃げ楽勝、タイムも千六を1分45秒5と、水準以上でサスガといった感。同じレースに出走のダイホーマは後方追走ママの6着敗退。
この日の馬場状態、前日までの雨で6Rまでは重、7R以降は稍重。休催中砂を入れ整備したことが窺われる綺麗な馬場で、適度に水を含んで走り易そうな感じに見受けられたが、レースは概ね差し有利、逃げ馬が苦戦という、セオリーに反するようなよく判らぬ状況。
パドックで園田系の某くん(匿名)に遭遇。前日に園田で会った際には「福山?行けません」とか言っていたのに、アンタも好きね・・・

見物その1:第9R、彦山特別、A1組、1800m
この日のお目当てはこのメインレース。開催2日目にいきなりオープン最上位戦が組まれた。というのもこのレース、10月園田のタマツバキ記念への福山代表選定競走に位置づけられたのだ。よってタマツバキの日程(10/11)から逆算して、敢えて開催前半にA1を繰り上げ、施行というわけ。具体的には1着馬は選出ほぼ決定、2着馬は福山からは推薦はするが補欠となる可能性大、とのこと。先の盆の金杯の爆足圧勝から、福山代表はトモシロヒットに無条件で決定かとも思われたのだが、結局トライアル行うのか。まあ公正といえば公正だが。
さて、その出走メンバー、内枠より、ワンダーワン(51k)、スターロメオ(51k)、トモシロヒット(51k)、マツノホープ(53k)、マルサンダイオー(53k)、エイコウライン(53k)、パッピーケイオー(54k)、ワールドアイ(55k)、コモスキー(53k)、マツノキングオー(53k)、以上フルゲート10頭(()内の数字は斤量)。別定ということだが謎のハンデ。
何と言っても最大の注目はトモシロヒット、前2走の千六戦で見せたそのスピードは恐ろしいばかり。是非ともその脚を全国交流の舞台で披露してもらいたい、盛り上がること必至。トライアルではあるがここは秋緒戦、試走。とりあえず勝っていだだこう。明らかにスプリンターなこの馬、距離千八をどう走るのか、これが確認点。
パッピーケイオーが6月山陽杯以来戦線復帰。久々ながらも福山No.2の地力をどう見せるかが見物。陣営はタマツバキに色気大のよう。

レース前での装鞍所ではマルサンとマツノキングオーが引き運動。途中からワールドアイもこれに加わる。
そしてパドックに出走馬が登場。7番パッピー以降の隊列がどういうわけか登場せず、6番までの馬が2周ほど周回した後にようやくお出まし。
注目のトモシロヒット、やや小走り、チャカチャカ。しかし金杯時も落ち着きはなかったのでこんなところか。ホンマにマッチョな馬体。サラのマル外スプリンターみたいだ。
パッピーケイオー、久々で馬体重+10kだがまあ許容範囲。胴の作りが微妙に緩めだが、艶と張りは上々。例によって二人曳きで鶴首になって走り出そうとする。やる気は充分か。
ワールドアイは休催前と同様。相変わらずじんわりとした気合い。10頭中最もパドックの外目を周回。状態はかなりよさそう。
マツノホープの毛艶はいつも綺麗。毎度毎度予想紙面に「歩様次第」と書かれるのだが、どういう歩様が良好なのか、もうこの馬に関しては不明。何故っていつもソコソコにしか走ってくれないのだもの・・・
悩める昨年の二冠馬マルサンダイオー。馬体重+14k。その数字通り腹回りボテボテ。本日もメンコ着用で出走。冴えない。
この春から初夏にかけてB級からA1に駆け上がってそれ以降休養していたワンダーワン。これも馬体重+10k、やや重め、緩い印象。1枠からトモシロにメンチ切って競りにいくのか?
その他、エイコウラインもマツノキングオーも、スターロメオも(状態最悪らしい)シルシが軽い割には悪くない。コモスキーは小作りということもあるがここに入るとやはり平凡。

各馬本馬場に登場、そして返し馬。トモシロは金杯時と同様左を向いてフワフワとしたキャンター。ワールドアイは例によって引き返しを装着したまま、首をグッと下げた重心の低い絶好の返し馬。この姿、まさに"黒い重戦車"。パッピーはといえば、これもまた例によって首から胴まで伸びをしたような格好でダクに入り、まずはダクで1周。さらにキャンターで1周。その姿、気配、かなりいい。某くんもパッピーよく見えると評価。

オッズは当然トモシロから断然。パッピーとワールドが7枠同枠に入ったため、枠連も枠単もトモシロ−7枠の組み合わせでしょうがない。馬連におけるトモシロの相手としては、順調に使われ好走を重ねているワールドの方がパッピーより人気。しかしパッピーも徐々に人気を上げる。
で、予想。ここは勝負レース。馬連でパッピーかワールドどちらかを選択するのも手だが、好みもあり絞り難いので、ここは枠単、トモシロ−7枠一本!トモシロが負けるとは到底考えられない。

そしてレース発走。千八の発馬は二角。重賞の勇ましいファンファーレとは趣を異にするあっさりした特別のそれが流れ、スタート。
好発は外、7枠の二騎、藤本パッピー嬉ワールド。特にパッピーは絶好のスタート、暫しハナに。トモシロヒットは発馬も二の脚も今一つだったが、行かねばハナシにならぬので、黒川しごいてしごいてどうにかこうにか先頭に。しかし7枠2頭の行きっぷりが良いのでなかなか単騎抜け出せない。1周目三分三厘でようやく若干のリードをとる。先に行くと思われた1枠石井ワンダーワンは行けず好位イン。
1周目の正面スタンド前、先頭は内トモシロヒット。しかしパッピーケイオーが半馬身差で外ビッタリ、さらにその外ワールドもほぼ併走。トモシロに単騎巡航を許さない。この後ろインにワンダー、中鋤田マツノホープその外久保河内マルサン、ここまでが先団、一群。この後ろはやや間隔があり後方追走勢が続く。
1、2コーナーから向こう流し、いい加減トモシロの加速抜け出しが見られるかと思いきや、向こう流し半ば、早くもトモシロの鞍上黒川の手綱が激しく動き、三角入り口の手前でまさかのズルズル後退。「アカンがな!」トモシロを交わしてパッピー先頭、そしてその外ワールドがびっちり。直後にマツノホープが食らい付く。
勝負所の3、4コーナー中間、ワールドアイが満を持して先頭に、そのまま一歩一歩着実にリードを広げ、最後の直線に向いてくる。2番手踏ん張るパッピーそしてマツノホープ。
ワールドアイ、そのままゴールに一直線、嬉jk、直線半ばで後ろを振り向く余裕まで見せ、完勝。直線に入ってパッピーの脚が上がり、代わって2番手マツノホープ、最後は外目から道中後方2番手の渡辺エイコウラインが差し込んできて、パッピーを蹴落としマツノホープに急迫、結局1/2馬身しのぎ切りマツノホープが2着、3着エイコウライン、パッピーは4着5着マルサン。トモシロヒットは6着惨敗。
1周目(41KB)
1周目スタンド前
内トモシロ単騎逃げならず、外パッピー
ワールドアイ、ゴールへ(38KB)
ワールドアイ、ゴールへ
鞍上嬉、股の間から後ろを振り返る

「この結果タマツバキへの福山選出馬はワールドアイに決定、一応推薦候補にマツノホープ。「結局順調なローテの実績馬がいつも通りのレースをして素直に勝ったってことか・・・」と、某くん共々反省しても後の祭り。「まあワールドアイっていつもソコソコの位置にいますよね、変なレースしないもんな・・・」今日のマツノホープは最後まで脚がしっかりしていたのが何よりか。しかしこの馬も勝ち方忘れた馬だよな・・・個人的に腹立たしいのはこのワールド−マツノの組み合わせ、前走金杯でのワシの本線馬券やないか!
それにしても何故負けるトモシロヒット!?この敗戦は非常に痛い。馬券が外れて懐具合も然りだが、タマツバキに参戦叶わぬというのが実に痛い。金杯時の逃げを再現できればレースが盛り上がることは必至、あわよくばそのまま押し切ってしまうシーンも考えられたのだが、それもこれもこの敗戦でパー。「あ″〜!!」

見物その2:第10R、秋草特別、B1組、1600m
トモシロ惨敗のショックを引きずったまま、最終レースに突入。これもかなりの注目レース。すなわち4歳トップクラスしかし無冠のピアドオスカーと、瀬戸内賞の勝者でそれ以降3ヶ月の休養明け快足モナクマリン、現4歳世代の3歳王者ながら春のキングカップと福山ダービーでコケて以降4ヶ月の休養明け悪相ユノアウトロー、と、4歳有力どころが登場。人気は能検を好走したモナクマリンと状態良好らしいピアドオスカー、アウトローはまだまだらしく人気薄。
パドック気配、モナクマリンは休養明けながら馬体重-8k、あまりいただけないが元々小柄なのでガレた印象はない。活気は充分。オスカーは変わらず。踏み込みがやや浅いか。アウトローは休養前から僅か4kの馬体増でしかない。意外と身がつかないなあ、しかしガレているわけでもない。
アウトローは本馬場入場と同時に勢いよくぶっ飛んでいったが返し馬はなし。マリンも返し馬はパス。オスカーはごく普通のキャンター。
ここは買い目はマリン−オスカーで問題ないと思ったのだがオスカーがどうも煮え切らない戦績なので配当の安さの割には買いづらく、メインレース惨敗で弱気の虫が出て、結局"見"。

向こう流し中程のスタート地点より発馬。スタート!
嬉オスカーが鋭発、暫しハナ、しかし快足岡崎マリン、普通の発馬からキュンと加速してオスカーを制して先頭に。この2頭、共に行き脚よく、充分に間隔をとって1、2番手をキープ。そのまま正面スタンド前に。石井アウトローは好位集団の後ろのイン、青鹿毛の真っ黒な馬体に泥をバンバン被っての追走。
1、2コーナーから向こう正面、マリンとオスカー、ここからが圧巻。それぞれグングン差を広げ、マリンはオスカーの6馬身以上前、そのオスカーにしても3番手を大きく引き離しての追走。オスカーにすればほとんど逃げているのと感覚的には同じか。ちょっとレースしにくいか。
三分三厘そして最後の直線、結局上記の道中の着差キープのまま、逃げぶっちぎるモナクマリン。最後は鞍上岡崎手綱を抑えたままの余裕の勝利、2着もそのままピアドオスカー。マリンとオスカーの着差は6馬身、オスカーとさらに3着セカイイチとの差は9馬身、さらに驚きはそのタイム、稍重の高速馬場とはいえ、1分44秒9!アサリュウセンプーのレコードにコンマ7に迫るべらぼうな時計。トモシロヒットが前々走稍重馬場で叩き出した驚愕のタイム1分44秒6に比べても全然見劣らない。恐ろしい!

モナクマリン(41KB)
勝者モナクマリン、戦い終わって
鞍上岡崎、ビジョンで己が爆走を確認か?

モナクマリンは瀬戸内賞勝利でもそうだったが、千六程度の短距離でのスピードは非凡。千八超の距離克服あらば、鞆の浦賞以降の大舞台でも期待大なのでは。オスカーはやはり勝ち方を忘れた感ありか。アウトローは後方ママで6着。立て直してパンとして、差しの威力発揮を願いたい。青鹿毛で細身のギスギスした馬体、"金色の矢"=カミサマvs"漆黒の矢"=アウトローの差し対決ってなことにはならないかなあ・・・
結局このレース、馬券的にはマリン−オスカーで堅く収まったわけ。「張るレース間違えたよなあ・・・」メインの惨敗にさらに追い打ちをかけられる某くんのコトバ。


トモシロ惨敗のショックを帰路の車中でも引きずる二人。ともあれそれでもワシは明日も福山参陣予定。某くんは、ズバリ曰く「行きません、行けません、多分・・・」さあて、どうなるか?ということで明日に続く。


9/17(日)、天候:晴れ

前日に引き続きチボリ号にて福山へ。今日は"ひめけい現場主義者"まりおちゃんが、最愛の西村栄喜&コウザンハヤヒデ頓挫のショックの厄落としと気分転換に福山競馬、ということで車中同行。彼女は本日福山初参陣。福山駅でチボリ号を下車すると、やっぱり来た!この男、某くんがワシら乗車の後ろの車両から下車。というわけで本日は園姫系3人でエンジョイ福山競馬。当日はマッキーローレルwith平松っちゃんが中山セントライト記念挑戦ということで、正調園田ファンの皆様がそれに熱い眼差しを向ける中、アラブのレース、それも重賞ではなく条件特別を観にわざわざ福山まで出向く3人。そのうちの誰が言い出したか、名付けて"病気三兄弟"。
天気は快晴。湿度が低く爽やかな秋の陽気。陽差しは元気なので日向は若干暑いがそれも不快ではない。
馬場状態は2レースまで稍重それ以降は良、しかしバサバサではない。この日は前日と打って変わって圧倒的に逃げ有利。ハナ切った馬もしくはそれに準じた馬が概ね連に絡む。

見物その3:第8R、C2 3組、1600m
ここにあのユートエクセランが登場。3走前に2着敗退し福山での連勝は3で止まったがその後再び2連勝し秋緒戦。ようやくC2級脱出が見えてきた。あと2勝くらいか。その他、元高崎No.2アユタヤ、今年の福山ダービーで2番人気に支持されたカガヤキフォルテも登場。
ユートエクセラン、断然の1番人気。しかし馬体重前走から+12k。パドック気配の腹回り、数字通り緩い。元々がドカンとした体型だがそれを考慮してもやや太い。「ここで負けてほしくないけど負けるなら今日かなあ・・・」とワシ。「まあ言うても大丈夫じゃあないですか?逃げ有利の馬場やし」と某くん。
アユタヤは青毛の真っ黒な馬体が陽に照らされてピカピカに見える。以前ローゼンホーマ記念の日(この日は小雨模様だったが)に目にした時と印象が全然違う。
カガヤキフォルテはダービー2番人気も期待を裏切って以降、成績も人気も低迷。それほど悪くは見えないが。タテガミの前半分がモヒカン、後ろ半分がザンバラ。

さてレース、ユートは9番枠からハナへ、これに付かず離れず2番手に大外から兵庫OB転入緒戦のシナプス。ユートはもっと離して逃げたいところだが、1周目スタンド前から1コーナーと、シナプスにびったり外に付けられる。「ユートに付き合ったら保たんで、まあそのうち突き放すやろ。」とタカをくくるワシ。向こう流し、さてユートが、と思いきや、その半ばで早くも鞍上野田の手綱が激しく動き始め、3コーナー入り口あたりで早々に売り切れ。昨日のトモシロヒットの悪夢と全く同様。結局ユート、4着敗退。1着から1秒9も遅れる惨敗。生涯初めて連を外す。カガヤキフォルテ5着、アユタヤ6着、シナプス沈没のブービー。このレース、ワシ、ユート−シナプスで勝負馬券やったのに・・・それにしてもユートエクセランは負けてほしくなかった。昨日に続いてまたもやショック。

見物その4:第9R、大阪スポーツ賞、B2下選抜、1800m
本日、いやこの2日間最大の注目がこのレース。主役はミスターカミサマ!銀杯で超絶斬れ脚をもって福山4歳戦線に覇を唱え、その後も2連勝。鞆の浦、さらに全日本に向けて始動。その鮮烈な差し脚、そしてトレードマークとなった黒のシースルー生地で額に「Mr神様」刺繍のメンコで、既に地元ファンの注目も絶大。おっちゃん達も「カミサマ頼み」とマジで口にする。ワシもまりおちゃんもカミサマ目当て。凄まじいのは予想紙のシルシ。『エース』『キンキ』『特報』3紙掲載の全てが◎。

レース前、装鞍所の馬房に繋がれたカミサマ、のほほんと佇む。
そしてパドックに登場。毛艶はピカピカの金色。馬体は予想紙が七分の仕上げと報じる通り、やや緩い。シャープというよりどっしりとした印象。それはともかく、前の馬と周回の間隔が開きすぎているのが気になるところ。これは某くんがいち早く指摘。
予想としてはここは勿論カミサマの軸は不動。その相手が問題。先行サンワリーダーと差しウイニングゲイルが有力次位、つまり差し−逃げ残りと見るか差し−差しと見るのか。ウイニングゲイルはカミサマ騎乗経験のある(銀杯時)藤本鞍上が気になるが、逃げ有利の馬場を勘案して、結局相手はサンワリーダーを選択。枠単カミサマ→サンワ一本!

そしてレース。案の定鋤田サンワが1枠から先手。カミサマは差し馬なので焦らずじっくり。スタンド前は先頭サンワから先団6頭が各馬の間隔ほぼ1馬身の縦列で通過。この先団の前から6番手がカミサマ。少し開いてウイニングゲイルがカミサママークの7番手。
向こう流しに差し掛かり、カミサマが隊列の外目をじわりと進出開始。今日は一気には動かぬ模様。そして三分三厘、いよいよスパート、前に寄せる。「さあカミサマ、来るよ!ここから来るよ!」と横のまりおちゃんに声を掛けるワシ。しかししかし、これと同時に先頭サンワ、カミサマの押し上げる分だけ後続を突き放している(これはリプレイで確認、リアルタイムでは注目はカミサマ唯一頭)。
最後の直線、先頭でやって来たのはサンワリーダー、この時点で後ろカミサマとの差は4、5馬身。インベタで逃げる。手応えはまだ充分。そしてカミサマ、馬場ド真ん中を矢のように突っ込んでくる。その加速感は目に見えてそれが知れるほど。しかしサンワも止まらない。それでも迫るカミサマ、届くのか?頼む、届いてくれ〜!
ゴール前30m辺りでまだその差2馬身程、残り10mで馬体が合う、3/4馬身くらいか。しかし止まらぬサンワリーダー、G前5m強辺りで観戦していた我々の前を、1/2馬身差まで追い詰めたカミサマが通り過ぎる。「アカン!負けるう!」結局アタマ差及ばずカミサマまさかの2着敗退。サンワ、まんまとしのぎ切る。3着道中から直線もカミサマを追いかけよく伸びたウイニングゲイル。カミサマ相手に同じ戦法ではやはり分が悪すぎたか。
「あと5mあればなあ・・・」愚痴るワシだが某くん「いやあ、でもサンワまだ手応え充分でしたからねえ、無理ちゃいます」。仰るとおり。
馬券、負け。ワシの買い目、枠単カミサマ−サンワの最終オッズは5.6倍、ハズレ。この枠連(的中)は4.7倍。0.9倍差の為にリスク犯してハズしたのかと思うと、己が馬券下手がホント嫌になる。

カミサマ届かず(42KB)
カミサマ届かない〜!
ゴール前、着差アタマ

見物その5:第10R、C1組特別、1600m
ここに今年の新潟アラブ優駿をトゥルーマスターの3着になったブルーサクラが登場。転入緒戦。能検を前日逃げ圧勝したモナクマリン(モナクマリンって能検ムチャムチャ走るそうで、これはおさるさん情報)の2着にこなし、期待大。パドック気配、490k台の馬体ながら、とてもスリムでスッキリしたいい馬体で好感。予想紙は対抗評価で2番人気。
しかししかし、レースは先団2番手併走ながら結局いいところなく敗退。1着は本命1番人気のセブンアトムが2番手抜け出し。この馬、銀杯で9着惨敗していたのだな。ワシはブルーサクラ−セブンアトムの枠連一本勝負(本命馬券)やったのに・・・


というわけで、この2日間の福山観戦、終了。馬券は大惨敗。目を掛けた馬はモナクマリン以外悉く負け。とんでもない結果となってしまったが、今後の予習にはなったし、充分楽しめたのでまあ良しとしようか。
帰路は3人で鈍行乗り継ぎ。長時間の車中も同志と一緒であれば楽しいひととき。今秋も福山にちょくちょく寄せてもらうことになろうか、と。ともあれ、合い言葉は「福山競馬万歳」――

2000.9.22 記

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