第44回白鷺賞観戦報告

 2000.11.15、姫路、2000m

はじめに
従来ならば、兵庫一年最後のアラブ頂点決戦は、12月園田開催の園田金盃であったのだが、サラブ導入に伴う番組改編により、金盃がサラ系競走となったため、アラブ4歳以上の一年最後の重賞は、姫路秋開催の、この白鷺賞に繰り上がった形。
頂点決戦であるからには、各馬条件イーブンの定量戦であってほしいところだが、この白鷺賞、これまでと同様、ハンデは賞金別定。実績馬に厳しい条件でもあり、やや不満。
と思っていたのだが、別定ハンデということで、最上位馬に加え、軽ハンデに勝機を見込んだオープンの新顔も参戦し、レースとしての面白味は増した印象。
実際のところ、兵庫所属馬のヒエラルキーの最上位に位置する馬は、その以下の集団と格段に実力差があるというのが通例、つまりはべらぼうに強いわけで、定量戦、それも長距離の園田金盃は、勝ち負けが見込めない馬たちが出走をためらい、例年少頭数で、レースとしては今一つのきらいがあったことも事実。実際昨年一昨年の金盃はレース成立を満たすに最低限の5頭立てであったし。
とにもかくにも、兵庫古馬一年最後の晴れ舞台、見届けるべく秋も深まりつつある"ひめけい"に足を運んだ次第。

この週はどうも天気がスッキリせず、当日の関西の天候は曇りのち雨。神戸では朝から雨、姫路は午前中は曇りで持ちこたえていたそうだが、ワシが到着した午後1時半頃には、無情にも小雨が降り始める。結果、馬場状態は7レース以降、良から稍重に。開催後半で使い込まれた馬場に湿り気が加わることで、かなり砂に粘りが出るとのことで、重い馬場状態らしい。実際見た目的にも軽そうには見えない。レースにおいても、インベタ逃げ馬がやや外目を追う馬に捕まる傾向。

メインレースまで
競馬場には8レース前に到着。場内には既にひめけいコンビのちーちゃんまりおちゃん、JRAGIシーズン中は大忙し、でも兵庫の競馬もしっかりフォローのエチゼンさん、そしてどういうわけか元気のないブリセイくんの姿(単に眠たかっただけらしい)。「あれ、アラファン先生は?」とまりおちゃんに問うと、「見あたらへんねん」「まさか名古屋の帝冠賞行ったか?」(彼は先の日曜日、金沢の石川テレビ杯まで観に行ったらしい、ビョーキ進行中)などとやり取りしていたが、程なくアラファンくん、現れる。
8レースは、一部でカルト的人気を集めるホームランオーが出走しており、ネタ集めで写真撮影したいところだったが、小雨混じりの暗い空模様とあってはその魅力半減で断念。信頼社(予想屋さんです)のオヤジが「このレースの大穴はホームランオー」などと一席打っていたが、そんなもん嘘っぱちで案の定着外敗退。

そして白鷺賞
さて、メインレースの白鷺賞、出走メンバーと騎手、斤量は内枠より以下の通り。
マキオリンボー(56k、三野)、ケイエスヨシゼン(58k、岩田)、エイランヒット(53k、木村)、ベストスイセイ(54k、下原)、スーパーチャレンジ(54k、平松)、ワシュウジョージ(62k、小牧太)、シャインマンリー(59k、永島)、マノノトップガン(53k、赤木)
冒頭に記した、最上位馬対オープンの新顔という点からいえば、頂点の面々としてはワシュウ、ヨシゼン、マンリーがこれに当たり、事実それ相応の斤量、対する新興勢力にはマノノ、スーパーチャレンジ、エイランヒットが当てはまろう。マキオとベストスイセイはオープン平場の常連といったところ。斤量差もあいまって興味深い出走馬のラインナップ。
ハンデ頭ワシュウと最軽量の馬とは上下実に9k差。この60k超の斤量というのが実は強豪の証だったりする。一昨年のこのレースはニホンカイユーノスが63kで、6年前にはマルセンガバナーが64kで勝利している。いずれも近年屈指の名馬。

メイン前の9レース発走前、装鞍所にメイン出走の面々が入り、鞍を着けて後出番までの時間、装鞍所前の広場で各馬引き運動。ワシュウがしきりに頸をガチャガチャさせているのが目に付く。スーパーチャレンジが特に念入りに曳かれていた。

パドックから返し馬、発走まで
そして出走馬がパドックに入場。結局雨は降り止まず、小雨の中でのパドック、レース観戦、そして写真撮影。かなり暗いので、ISO800のフィルム(フジのズームマスターです)突っ込んで撮影、加えて絞りをF2.8の開放に設定するも、シャッタースピードがちっとも上がらない。手ブレ必至、失敗覚悟の撮影。
さて出走馬。1番マキオリンボー。姫路戦過去6戦全て4着以下が示すように姫路が駄目。そのココロは輸送での焦れ込みと出張馬房での落ち着きのなさとのこと(by『キンキ』)。しかしパドック気配はその紙面の指摘の割には充分落ち着いている。今日は一人曳きでもある。特段悪くはない。
2番ご存じケイエスヨシゼン。タマツバキでは8着惨敗であったが体調自体はその後も良好だそうでここにお目見え。直前追い切りの半マイル49秒8のべらぼう時計が目を惹く。498kと絞ってきたからか、馬体はスッキリ。トモの踏み込みも深い。じんわりとした気合いとワシには見えたのだが、某くんは「元気ない」と判断。周回のスピードは遅く、前のマキオとの間隔がガバッと開いている。収得賞金2億の悲願成就への条件は3着以上。いやいやそんなケチなこと言わずに目指すは兵庫在籍馬史上重賞獲得数単独トップの13勝。ヨシゼニストの後押しを受け、8歳秋崖っぷち、今日も走る。
3番エイランヒット。10月のタマツバキでレース中故障発症し、惜しくも敗退、そして引退してしまった、王者エイランボーイの2歳下の半弟。父がホーエイヒロボーイからスマノヒットに変わっている。その姿、兄に似ているといえば似ているし、そうでないといえばそうでない。兄に比して格段にスリムな胴体、背はかなり高い。伸びやかな馬体。そして目をひくのがその顔の小ささ。スッキリした造り。舌をペロペロさせている。兄は重厚な先行脚質だがこの弟は極端な追い込み一手。軽ハンデでどこまで食い込めるか。
4番ベストスイセイは二人曳き。首を前に突き出し沈めての周回。馬体自体も腰より肩の方が低い。派手な捲り追い込みが得意手。重賞で通用するか?寺嶋厩舎所属で鞍上下原jkは、昨年のこのレースの覇者ユウターヒロボーイと同じ。厩舎&騎手に連覇が掛かる。
5番スーパーチャレンジ。中堅上位の堅実派として鳴らしていた同馬の転機は、9月のゴールデンジョッキーカップのメインレース、大井の的場文男騎手に導かれての一角先頭快勝だったのでは。この勝利でオープン入りし、S1平場2戦を手堅く2着、充分通用している。黒地に赤文字「挑戦」メンコがトレードマークの、一部で話題先行した馬だったが、すっかり実力派に、そして晴れて重賞の舞台。この日の同馬の気配、絶好。大外をじんわり、余裕の周回。馬体の張りはパンパン。艶も筋肉の付きも素晴らしい。トモの踏み込みが堅く、やや浅めでバッキンバッキンといった感じ。サンバコールがちょうどこんな感じだったなと、某くんと語らう。まりおちゃんもちーちゃんも、パドックはスーパーチャレンジ一押し。
そして6番ワシュウジョージ。62kのトップハンデが、450k台の馬体のこの馬にはいささか酷な感じがなきにしもあらずだが、陣営は強気のよう、予想サイドも信頼の本命ズラリ。さてパドック気配、前述した装鞍所の様子もそうだったが、やはりクビをチャカチャカ上下させて、どうも落ち着きを欠いているように映る。ワシュウに関しては、鶴首でグッと気合いを迸らせる姿が好調時の姿だと個人的には思っているので、このクビの高さはどうしても気に入らない(ところがテレビ中継、『馬』の瀬藤のパドック解説曰く、落ち着きがあって最高、とのこと。ホンマか?)。ワシュウにとって姫路のレースは4歳初春以来。この馬、ひょっとするとやっぱり輸送嫌いなのかも?という疑念がアタマをよぎる。馬体自体は張りや筋肉等、申し分ない。細身ながらも胸前と頸の逞しさには目を見張る。
7番シャインマンリー。相変わらず綺麗な栗毛。馬体重が+9kの495k、また更に増えたが重め感は全くない。元来の体型のせいか、スラリとしている。初夏以降すっかり有力馬に。前走タマツバキでは最高のレースで勝利を目前にしながら、ゴール前弟ワシュウの豪脚に涙を呑んだ。今日はワシュウより2k軽い59k、この差を生かし、一矢報いたいところ。
大外8番マノノトップガン。珍名パチもん馬名で話題先行したこともあったが、実はデビュー当初よりかなりの素質馬。やや体質が弱いらしく休みがちなのが難点だが、今春の播磨賞ではオープン歴浅いながらも3着に好走したほど。4月下旬以降半年の休養を挟んで、ここは復帰2戦目。鞍上赤木はテン乗り。この馬、実にまとまって均整のとれた馬体。まあ悪く言えば没個性。それを補って余りあるのが装着したトレードマークの金ラメ黒縁メンコ、ただし今日の悪天候ではその金ラメの輝きも失せ、残念。テンポのよい周回。

各馬本馬場入場。ワシュウは例によって、入場してゴール板前で反転するとキャンターで1コーナーへ一気、そのまま待機所へ直行。マンリーは強くそれでいて軽快なキャンター。マキオも強め。ヨシゼンはいつも通り鞍上岩田の手綱がっちりの返し馬。スーパーチャレンジはまずはじっくりダクに下ろし、最後にキャンターで直線を流す。
ワシュウジョージ、返し馬(36KB)
ワシュウジョージ、返し馬
日本一の名に賭けても
スーパーチャレンジ、返し馬(34KB)
スーパーチャレンジ、返し馬
充実、絶好!

予想、パドック気配からは買いたくなるのはスーパーチャレンジ、気に入らないのはワシュウだったが、保守的に初志貫徹で、ヨシゼン−ワシュウ−マンリーの連複三角買い、プラス、ヨシゼン→ワシュウの馬単。何だかんだで結局ヨシゼニストのワシ。ちーちゃんがスーパーチャレンジからの流しらしい。ヨッ!オトコだね(って、ちーちゃんはれっきとした女性です)。某くんはある場所でヨシゼン本命を表明するも、パドック気配から変節。

小雨古降り続く中、いよいよ発走。姫路二千のスタート地点は向こう流し2コーナー寄り。
リアルタイムインプレッション
ゲートが開いて好発は平松スーパーチャレンジ、加速してハナをキープ。必ずしも良いスタートではなかった永島シャインマンリーも前へ、外からスーパーチャレンジに併せ、先頭を奪わんとするが、平松も譲らず、結局三角坂前で控えて2番手。これ以降は好位から中団各馬間隔が開いての隊列。
「マキオリンボーが早めですねえ」との某くんの指摘通り、三野マキオが3番手。そして各馬正面スタンド前へ。先頭スーパー2番手マンリー。3番手マキオ。岩田ヨシゼンはマキオの後ろイン中団。太ワシュウはヨシゼンより後ろの外目。ケツ2が下原ベストスイセイで殿は指定席ポツン一騎の木村エイランヒット。
1コーナーで2番手マンリー以下の間隔が一瞬縮まるが、二角出口から向こう流しにかけて再度隊列がばらける。スーパーは先頭快走。しかし2番手マンリー、どういうわけか行きっぷりの見た目イマイチ。
2周目三角坂下、マンリーは後続に追いつかれ、それ以後の各馬も前に押し上げ一団の様相。しかしそれを尻目に先頭スーパーの逃げ脚は一向に衰えず、そのまま3、4コーナーを回ってくる。「うわっ!スーパーチャレンジと止まらへん!」とまりおちゃんやワシが浮き足立つ。ちーちゃんウシシ。
そして最後の直線。インベタで逃げるスーパー、そしていよいよこれをめがけて後続が殺到。馬場内ビジョンのない姫路では観戦は肉眼頼り。直線の彼方の景色は遠近感に乏しく、どれが抜け出しているかは確認しづらい。がゴールに各馬が近づくにつれその勝負の様相がわかってくる。
残り100mあたりでスーパーのリードがなくなり、馬場中程から外目にかけ、数頭が突っ込んでくる。馬場ど真ん中は黒の勝負服すなわち赤木のマノノトップガン、そしてその外、やっぱり来た!ワシュウジョージ。構えたカメラ、ピントはワシュウ、そのファインダーの中、僅かに抜け出し凌ぎ切らんとするマノノ、タマツバキと同様外から急襲ワシュウ。脚勢はワシュウか、しかしマノノが踏ん張る、クビの上げ下げの激闘、両騎もつれて通過のゴール板。
「どっちどっち?やっぱりマノノん?」とまりおちゃん。ワシの視界では恐らくばっちり「マノノやわ!アタマくらい」。続けて某くんのフォロー「ヨシゼンは3着ですね」
際どいゴール前の割には程なく着順掲示盤に馬番号が点滅し始める。1着マノノ2着ワシュウ3着ヨシゼン、4着最後方からエイランヒット5着ベストスイセイ。「何や全部差し馬やんか」

マノノvsワシュウ、ゴール直前(38KB)
マノノvsワシュウ、ゴール直前
猛迫ワシュウを振り切るマノノん

以下、ダイジェストの中継より補足
発馬が完璧に決まったスーパーに比して、マンリーはタイミングが明らかにずれている。それでも必死に太郎ちゃんが押してスーパーに競り掛け、一瞬アタマ前に出るもスーパーも退かず、結局三角坂下で太郎はマンリーの手綱を抑え2番手に落ち着く。
マンリーの外マノノは気負いない発馬でマンリーと暫し併走もそこから徐々に下げる。内からは三野マキオリンボーが意識的に前に、退いたマノノと併走の3番手。下原ベストスイセイは鋭発からバックストレッチ一杯を使って馬を下げる。ワシュウとヨシゼンは後方からゆったり。バックストレッチではワシュウが前だった三分三厘で内からヨシゼンが前に。
そして1周目のホームストレッチ。先頭快走スーパー2番手マンリーその差3馬身程。3番手マキオ、この後ろ2、3馬身後の内にヨシゼンその外マノノ赤木がここまで下げて。これからさらに2、3馬身遅れ外ワシュウ、内ベストスイセイ、殿エイラン。ワシュウは若干上げマノノの直後ヨシゼンの外へ、ベストスイセイは下がる。
二角から向こう流し前半では先頭スーパー4馬身差で2番手マンリー差がなくマキオ、この後が大きく開いてマノノ、ヨシゼン、ワシュウ、スイセイの集団、ドカ遅れのケツはエイラン。
しかし3コーナー手前までにヨシゼン以下が前のマンリー&マキオに急接近。内のヨシゼンに引っ張られた絶好の形で外からマノノが上昇、手綱が動き出したマンリーの外へ。連れて外からいよいよワシュウ。
三分三厘、インのヨシゼンは下がったマキオがちょっと邪魔になって、さらにマノノとワシュウに外から蓋をされた窮屈な形。マンリー、マノノ、ヨシゼン、ワシュウ、スイセイと、加速しつつの一団。相変わらず単騎先頭はスーパーチャレンジ。そして殿から取りつき四角大外ぶん回す木村エイランヒット。
最後の直線、逃げるスーパーはインベタ、残り100mあたりまで3、4馬身程アドバンテージ。ところがところがここから先、後続勢が一気に押し掛け瞬く間にスーパーを呑み込む。その後続のフロントド真ん中が、直線半ばでマンリーを競り落としたマノノトップガン、スーパーを抜いた時点で先頭。その大外から重斤背負ったワシュウの追い込み。インでは四角で若干窮屈な思いをしたヨシゼンが渾身の追い込み。
迫るワシュウ抜かせぬマノノ、結局何とか凌ぎ切ったマノノが1着。62kでマノノとの9k差が響いたがワシュウ惜敗の2着その差結局ハナ。3着届かずのヨシゼン。4着ワシュウのさらに大外追い込んだエイランヒット5着これも外から差したベストスイセイ。6着直線伸びずのシャインマンリー、7着良く逃げたが最後に沈没のスーパーチャレンジ最下位早々にギブアップのマキオリンボー。
決め手勝負となった体裁でマンリーとスーパーは最後伸び脚の貯金をなくして泣いた形。その中で道中ポイントポイントで絶好位を取ったマノノがまんまと優勝。しかしこのレース、1着と最下位のタイム差が僅かにコンマ8、実質4馬身差以内。ハンデ差が大きかったこともあるが、かなりの激戦であったことは間違いない。

優勝の口取り撮影に馬場に再度姿を現すマノノと赤木騎手、そして関係者さん。カメラを構えて待っていると、鞍上の赤木騎手、我々(恐らく目線はまりおちゃん)の方に笑顔で目線を向けてガッツポーズを作ってくれた。赤木騎手はこの秋、スペシャルダッシュ(サラ)の六甲盃、タカライデンの姫な菊に続き、重賞勝ち三つ目。これまでの2つはいずれもお手馬でのものだが、今回のマノノはテン乗り。まさに充実、好調ぶりの現れか。
その赤木騎手、表彰式での吉田アナのインタビューに答えて、曰く「テン乗りだったが、とても乗りやすくて賢い馬。ワシュウとのハンデ差9kを生かせば好勝負できるのではと思っていたが勝てて嬉しい。前(スーパーとマンリー)がやり合ってくれて、展開的にも願ったりのものになった」云々。お見事です!

マノノトップガン、口取り終わって(46KB)
マノノトップガン、口取り終わって
金ラメメンコ外した素顔は地味!?

まとめ
優勝のマノノトップガンと赤木騎手。完璧なレースだったと思う。好発から自在に好位を立ち回り、直線抜け出し持ちこたえ。恵量もあったがさすが素質馬。今後の活躍、さらに楽しみ。体質的にパンとして常時稼働できるようになれば言うことなしだろう。
2着惜敗のワシュウジョージ。翌日のスポーツ紙が「位置取りが悪すぎた」との太さんのコメントを伝えたが、確かに背負っていた割には後方すぎたとも。「定量なら替わっていた」とは言うなかれ、トップハンデで勝つのが王者。しかし直線急襲、見せ場は充分か。輸送競馬で地力がやはり多少は落ちるのかという私的な憶測は払拭されず残った。
ヨシゼンは勝負所で終始インの位置取りがが厳しかったやも。しかしこれは鞍上岩田騎手が腹を括って乗った結果であろうから文句は言えまい。実際ヨシゼンは狭い馬群を割れる力は持っているし。まあ4コーナーでちょっと行き脚が鈍ったのはヨシゼンの癖に帰因するものやも知れぬし、惜しい競馬だったが致し方ないか。3着ということで収得賞金2億円の大台には辛うじて乗った。
エイランヒットは"これしかない"といった競馬で4着。最後の脚は凄かったが、オープンに入ってこの競馬のままだと常時勝ち負けは厳しいか。5着ベストスイセイ、その個性は発揮できたのでは。今回は相手が強い。そのせいか彼の平場戦のレース(三分三厘大捲り、直線はなるようになれ)よりは常識的な競馬だったかな、と。
シャインマンリーの6着は不満。斤量59kは言い訳にはなるまい。やはりスタートイマイチでリズムが狂ったか。2番手からの競馬であっても、本来ならば早めにスーパーを潰して単騎先頭、加速して粘り込みができる筈なのだが。この半年間の好走を「束の間の充実期」と言わせないためにも、巻き返しに期待。
7着スーパーチャレンジ、ある意味このレースの主役は彼だったのでは。直線途中まではまんまとやられたと思わされた、が、それにも増して沈没ぶりも見物だった。とはいえ確実に地力はつけている。その好馬体も含めて、今後も目が離せない一頭。
マキオリンボー、最下位だったが着差的にはさほどの大敗でもなく、ひょっとしたら彼自身は好走かも。姫路が駄目というほどは壊滅的でもなかったのでは。とはいえ今後の上がり目、あるかといえば・・・?

次回の兵庫古馬の大一番は、年を越しての正月新春賞。今日出走の面々に加え、4歳タカライデンと、復活ハッコーディオス(この日の翌日S2戦勝利で復帰)、放牧から帰厩したらしい女王トライバルサンダー、それに1年半以上ご無沙汰だった"捲り脚"サンバコールあたりも加わる見込み。みんな、待ってるぞ!

2000.11.21 記

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