第4回九州アラブグランプリ観戦報告

 2002.6.26、荒尾、2150m

はじめに
荒尾競馬に現存するアラブ系古馬重賞は、今年新設の荒尾銀盃、九州アラブグランプリ、アラブ大賞典、ファン選抜アラブチャンピオンの4つ(4歳補助馬広域交流の九州アラブ栄冠は除く)。このうち現在九州交流(まあ単に佐賀所属馬も出走可ということ)となっているのは、九州アラブグランプリとアラブ大賞典。佐賀競馬の九州アラブチャンピオン(今年新設)、九州アラブ王冠賞と合わせて、都合4つの九州交流の古馬重賞が存在する。
そのうちのひとつが、今回観戦する九州アラブグランプリ。ゴールデンウィーク後半に施行される九州アラブ王冠賞から約1月半、年度第2弾の九州古馬交流重賞である。
が、レースの実際として、両者の連続性はほとんどない。これは九州交流古馬重賞全てに言えることだが、交流とはいうものの、地元重賞にごく数頭の他地区馬が混ざる程度というのが実状。この根底には、二場間のレベル差や賞金差が厳然とあるのだが。

出走メンバー
さて、今年の出走メンバーは以下のフルゲート12頭。()内は騎手、斤量。
トチノグレイス(山下、佐賀、56k)、コウザンシンオー(西村、56k)、カズミサチフジ(尾林、56k)、メグミダイオー(吉井、56k)、イセイチフブキ(吉留、56k)、マノノトップガン(鮫島、佐賀、56k)、スーパージョージ(牧野、56k)、ワールドアイ(古泉、56k)、シルバーハヤカゼ(林、55k)、ツルギネオン(高山、56k)、シュメイヒーロー(真島、佐賀、56k)、オカノテイセン(椎葉、56k)
ハンデは牡馬56k、牝馬55kの定量。
今回は佐賀からトチノグレイス、マノノトップガン、シュメイヒーローと、3頭が出走。いずれも群雄割拠の佐賀オープン戦線で筆頭位を争う馬たちである。これらがこぞっての参戦は、昨年度は160万円(さらにそれ以前の不知火賞は200万円)だった佐賀A1の1着賞金も、今年度の、A1バリバリのオープンで辛うじて120万、A1からA3を一緒くたにやる場合はわずか60万という賞金事情と無関係ではあるまい。「地元のオープンと同額の賞金のためにわざわざ荒尾に遠征することもあるまい」などと言ってられなくなったかと。
とまれ、これら佐賀勢に、迎え撃つ荒尾勢を合わせて、かなりの豪華メンバーとなった。また、トチノグレイスは5月の九州アラブ王冠賞の勝者(因みにこれが同レース三連覇の偉業)であり、これが出走してくれたことで、王冠賞と今回のレースとの連続性が、多少ではあれ浮き出てくれたとも思われる。

当日の概況
当日早朝、新幹線にて荒尾へ。「アラブで人生狂ったオンナ」まりおさん共々。現地には正午前に到着。
梅雨真っ直中のことゆえ、2日前までこの日の週間天気予報は雨。しかし幸いにも当日の予報は曇りのち晴れ。その予報の通り、天気晴れ。空気はカラッとしていて風はある。日陰は過ごしやすいが、西向きのスタンドに陣取っていると、日差しをまともに受けて非常に暑い。
馬場状態は意外にも良。前日は曇天のもと重馬場施行だったそうで、結局昨日来大した雨もなく、ここまで回復した模様。路面は適度な乾きで、さほどバサバサではない。ただし砂は重そう。

入場して暫くして、滋賀のアラブ応援家3号馬さんと合流。第1レースから観戦とのこと。第2レースで、吉井騎手が通算1300勝を達成したそうだ。3号馬さん、メインレースまでのアラブレースで、注目馬を丹念にチェックしておられた。
「九州の競馬場までやって来て、出会ったお知り合いは関西人ばかりとは。」などと言い合っていたが、やがて"九州の首領"Tienさんがお越しになる。そしてメインの時間には"荒尾競馬の決め手"さんも。神出鬼没のあの御仁だけは、今日は不在。

パドック、そして発走まで
そしてパドックタイムに。メイン前の第9レースの発走時間になると、早々に出走馬が登場した。いつになく早めのパドック周回開始である。
1番トチノグレイス。前述の通り、先月の九州アラブ王冠賞の勝者である。が、その次走にして前走は8着殿負け。この奇っ怪なほど安定せぬ戦績が、佐賀筆頭を獲れぬ原因か。やや細かい動きが目立つが、適度な気合い乗りと見たい。張りはソコソコ。くすんだ栃栗に近い栗毛なので元々それほど映える毛艶ではない。トモの歩幅が狭いか。
2番コウザンシンオー。2月26日の九州アラブ栄冠を制した後は3ヶ月の休養、前走A3戦を勝ってここへ。出走馬中、唯一の4歳馬。じんわりした気配。毛艶はなかなかいいが、腹回りはやや太く、トモのボリュームはソコソコの体型。トモの送りのみならず、身のこなしが全体に硬い。
3番カズミサチフジ。園田オープン勢の一角だったが、つい最近当地に転入。荒尾緒戦の前走ジューンカップは2着。首でチャッチャとリズムを刻んで小気味よく周回するのは兵庫時代と同じ。毛艶はスッキリ。胴回りはやや重いかも。しかし3号馬さんは「5月5日の園田S1戦(休養明け2戦目にして園田ラストラン)の時よりは絞れた感じですよ。」と。「むっちゃギュッとした体型やなあ。」とまりおちゃんも指摘する、胴の詰まったコンパクトな体型。兵庫時代はメンコ常用だったが今日はパドックから素顔。
4番、荒尾の王者メグミダイオー。前々走九州アラブ王冠賞に打って出るも8着。当初予定していた福山タマツバキを断念して地元戦に。前走ジューンカップは距離千五が短かったにせよ、よもやの4着。予想サイドのトーンも上がっていないよう。今日もブリンカーメンコ着用。肩の出とトモの送りが少し硬い気がしなくもないが、特段悪いとも思われない。馬格はいつものメグミらしく雄大。毛艶はそれなり、馬体張りは大丈夫。ややキン○マが下がり気味か。
5番イセイチフブキ。前々走8着前走ジューンカップ10着と、戦績下降傾向。逃げこそすれ、終いまで保たないよう。胴回りの線がこれまでの彼より相当太い。トモの送りは滑らかだが肩の出がギクシャクしているような。うっすら発汗しているが、毛艶は相変わらず絶好。ただこの馬、元々暑い時季は成績が落ちる傾向あり。今日はブリンカーメンコ着用。そして今日もパドックメンコがダサい。
6番マノノトップガン。約5ヶ月の休養明けの前走を勝利。これが何と兵庫時代と同様、当時のトレードマークだった金ラメメンコ着用で登場。「うお〜!園田ん時と同じや〜」と、"マノノん"ファンのまりおちゃんと3号馬さんは狂喜。今日はそれに加えシャドーロールも着用。近目には腹が太く見えるが、全体的にはスカッとシャープな、兵庫時代の彼と同じフォルム。毛艶もなかなか。ただ、首をガチャガチャさせたりといった、ちょっと煩い仕草が目立つ。「あんな感じの馬だったという記憶はないんですけどねえ、細かい動きしますねえ。」と3号馬さんも。
7番スーパージョージ。つい最近まで佐賀トップ集団の一角だったのだが、4月14日戦7着を最後に荒尾へ電撃移籍。しかもまだ若い5歳馬。転入緒戦の前々走は二千戦を圧勝、しかし前走ジューンカップは5着。とはいえ長距離向きのこの馬のこと、気にするには値しないか。佐賀時代と同様荒尾在籍になっても、額に「SuperJyoji」と、妙なローマ字刺繍の青メンコ着用。リップチェーンは噛まされず、Dハミを装着。相変わらずキレのある馬体で、筋肉も引き締まっている。そして身のこなしは若干硬め。バキバキとした歩様。毛並みはソコソコだが張りは良く、馬体が輝く。
8番ワールドアイ。荒尾オープン勢にあって、最近最も成績が安定しているのがこの馬。好位・中団から終い確実に差を詰めてくる。前走ジューンカップを勝ってここに。どっしりとした重厚な馬体はこの馬らしいもの、首差しもハラメもトモも実入りは充分。黒鹿毛の毛艶、ビカビカに光る。歩様も力強い。大きく見せる。そして何より、頭がとにかくデカい。「うわぁ、カッコ悪う〜!顔がカメラの画面からはみ出るわ。」と、この馬が何故か好きなまりおちゃんも大喜び。しかし「ロバみたいな体型」とは言い過ぎでは?「ブリ(ブリセイくん、彼も何故かワールドアイLOVE!)に見せたいなあ。」と、二人でしみじみと。キン○マは下がり気味。
9番シルバーハヤカゼ。今なおオープンで奮闘する、8歳荒尾の熟女。前走ジューンカップは3着。いつもながらにスッキリシャープな馬体、しかし細目感は全くないもの。黒鹿毛の艶もいい。トモの送りが硬く見えるのもだいたい毎度こんなものかと思う。
10番ツルギネオン。昨秋転入したかつての金沢筆頭馬も、近走は下位入線が続く。一目見て、明らかに太いと思う。胴回りが重過ぎる。馬体重前走比+8kが出てのことなのか。気っぷ良く周回しているのはいいが、歩様も硬そう。
11番シュメイヒーロー。九州アラブ王冠賞こそ最下位だったが、常に安定した結果を残す佐賀の有力馬。前々走4着前走マノノの2着と気を吐くが、ちょっと他馬に押され気味か。相変わらず重厚。毛艶も張りも良好。近目には胴がボッテリしているが、全体のフォルムをよく見れば実に伸びやかでスッキリしている。じんわり落ち着いた周回気配好感。「佐賀勢の中では今日は地味な評価になってますけど、見た目とても良さそうですねえ。」と3号馬さんも。
12番オカノテイセン。兵庫時代は先行馬だったが、現在荒尾ではすっかり追い込み馬になっている。時に掲示板に載るが、当年9歳、概して停滞気味。今日はパドックから素顔。トモの送りが歩みに対して遅く、間延びした歩様になっていて、力強さはない。肩もギクシャクした感じ。これもキン○マが下がっている。概してのんびりした気配なのだが、尻尾だけは終始ブルンブルン振り回している。馬体重前走比-10kの491kは、この馬としてはやはり軽い。

ワールドアイ(41KB)
ワールドアイ、パドック
馬体最高、顔面最大

本馬場入場から返し馬。コウザンシンオーやメグミダイオーは強めで。ワールドアイはこの馬らしい首をグッと下げた豪快な駆けり。カズミサチフジはシャープにやや強く。スーパージョージはスタンド前を逆走、4コーナーまで流して止まる。マノノトップガンは首を下げてやや強く駆けるが、グニャグニャと、フォームが妙に柔らかい。

予想。自分なりに考えたポイントは以下の通り。
・荒尾の古馬長距離(2000m超)重賞は、勝ち馬が早々にブッチ切って独走・圧勝になるケースが非常に多い。そうした走りが出来そうな馬を狙いたい。
・そして何より、荒尾二一五といえば鮫ちゃん。'00年九州AGPのビソウミラクルに昨年アラブ大賞典のスーパージョージと、2周目バックで大捲り決めて圧勝。乗り方心得た感ありあり。
・その鮫ちゃん、今回はマノノトップガンに騎乗。この馬、素質は充分だが、体質が弱いのか、使い詰められないし、間隔詰めて使うと、前走快勝でも次は呆気なく負ける傾向あり。そのあたり、全幅の信頼を置き難い。
・まあ何だかんだ言っても、佐賀勢有利のムードはいつも濃いし、あながちそれが的外れでもない。
などと、うだうだ思うが、結局訳がわからなくなってくる。「このレースはホントどこからでも狙える、何が来るか全くわからんぞ。馬単じゃとても買い目を絞り切れない。」と、Tienさんも仰るほど。
結局は腹を括って、軸にはスーパージョージを据え、ここから佐賀の3頭と、ワールドアイ、カズミサチフジへ、馬単と馬複を。スーパージョージは昨年の同レース3着にアラブ大賞典圧勝もあり、長丁場、何よりこの舞台が得手だと思うので。調教も好タイム出している。
そしてやっぱりメグミダイオーを。これをアタマに有力馬に流す。いくら注目度が下がったとはいえ、メグミダイオーはメグミダイオー。調教の時計もそれほど悪くないし、あっさり勝たれた際に馬券を持っていないとあっては、ファンとしてこれほど不義理なことはないので。
気になるのはコウザンシンオー。「荒尾のクラス・賞金体系にあって、4歳馬がよくここに登場できたよね。」と3号馬さんに振ると、曰く「シンオーのA1格付けには、栄冠の250万円が効いているでしょう。」。続けてワシ「なるほど。確かによく走ってるし結果も出てるけど、生え抜きの4歳馬がいきなりここで通用するのかな。」「昨年の九州アラブダービーで負かした、ホーエイハンターやニシケンシーザーらが、佐賀のオープンで年上の馬に混じって好走してますから、そこから測っても侮れないですよ。」などとやり取り。しかし結局、シンオーは切る。生え抜きの若馬の台頭を待望し、その成果をシンオーに認めつつもこの所業、実に保守的なワシ。

レースなり
いよいよレース。距離2150mのスタート地点は2コーナー。ここから1周と3/4。
ゲートが開く。大外オカノテイセンが出遅れ気味、これは癖のようで、よって今回も殿から。イセイチフブキがダッシュしてハナへ。外からシュメイヒーローも続く。内からコウザンシンオーも前へ。
1周目の三分三厘では、イセイチフブキが後続を引き離して、一人旅に持ち込む。2番手には内コウザンシンオー外シュメイヒーローがほぼ同列で。ここからさらに差があって、メグミダイオーは4番手、これは好位集団のフロント。マノノトップガンやカズミサチフジがこの中に。スーパージョージも差がなく続く、これはこの馬の前半の位置取りとしては結構前かと。
そして正面スタンド前。引き続きイセイチが先頭単走。相当差があって、2番手内にコウザンシンオー、外半馬身弱下がってシュメイヒーローが3番手。5馬身弱開いて4番手がメグミダイオー、これは単走。ややあって次列、内カズミサチフジ外マノノトップガンが併走。直後にシルバーハヤカゼ、今日は先行できずここ。2馬身くらい遅れてスーパージョージが追走で、ワールドアイは直後に続く。ツルギネオンがいて、トチノグレイス、オカノテイセンの順。

1周目、好位勢(30KB)
1周目の正面スタンド前、好位勢
5番手外マノノ内カズミの併走、画面右端がスーパージョージ

1コーナーから2コーナー。イセイチフブキが早くもしんどくなったか、2番手以降に差を詰められ、そして吸収される。トチノグレイスが若干位置を上げた模様。
向こう流しに入ると、イセイチフブキの脚がみるみるうちになくなり、その半ばを過ぎると完全に売り切れる。ここで先団の塊が若干乱れたが、これは何のことはなく、内でイセイチがズルッと失速した図。三角手前、代わってコウザンシンオーが先頭に立つ。シュメイヒーローはこれに食い下がらんと。
時間を少し前に戻す。向こう流し半ば、中団の光景。ホーム通過時に比して隊列の前後がやや詰まっている。この外目をスパッと上昇する一騎。鞍上は柄に白が入った勝負服。「おっ!これ牧野!?うひゃひゃ。」と思うワシ。ところがさにあらず、これは「やっぱり」鮫ちゃんマノノトップガン。今回もバック捲りの手に出た。
そして3コーナー、コウザンシンオーが後続を突き放さんと仕掛けたその刹那、外からマノノがこれをブンと一蹴。あっという間に抜き去って、三分三厘そのままブッチ切る。独走になって4コーナー、そして最後の直線へ。勝ち馬は決した。
というわけで、マノノトップガン、最後は2着に7馬身の差をつけて、佐賀転厩後、初の重賞獲りとなった。

マノノトップガン(33KB)
マノノトップガン、独走楽走でゴールへ
金ラメメンコにシャドーロール

マノノに交わされたコウザンシンオーだが、これも三分三厘以降、シュメイヒーロー以下をぐいぐい突き放して力走。最後の直線も3着以下を寄せ付けず、6馬身離して2着入線。
以上の1、2着はそれぞれ独走となったが、3着争いは接戦。好位インからカズミサチフジ、ロングスパートでトチノグレイスが迫る。スーパージョージは勝負どころでスッとエンジンが掛からなかった模様、一旦下がって直線外から改めて追い込む。連れてワールドアイ。シュメイヒーローは伸びない。メグミダイオーも圏外。最後は内カズミ中グレイス外ジョージ、ワールドアイが僅差でなだれ込む。結果、3着トチノグレイス、クビ差4着スーパージョージ、5着1馬身差カズミサチフジ、6着アタマ差ワールドアイ。シュメイヒーローは7着。シルバーハヤカゼは終始中団の8着。メグミダイオーは9着に終わる。以下大差ドカ遅れで、10着後方ママのツルギネオン、ブービー沈没イセイチフブキ、最下位は去年と同じくオカノテイセン。1着馬から、実に16秒9差遅れの入線。

コウザンシンオー(29KB)
コウザンシンオー、健闘2着
「荒尾の夢」に向かって走れ

振り返って〜反省
マノノトップガンの勝利に、3号馬さんやまりおちゃんは大喜び。元々力のある馬のこと、あっさり勝っても不思議ではない。ポカもせず前走からきっちり連勝を飾った。まあ、何と言っても兵庫白鷺賞馬、ハンデ9k差だったにせよ、あのワシュウジョージを破った馬であるからして。
が、個人的には馬よりも、どうしても騎手に目が行ってしまう。「やっぱり鮫ちゃんかよ!」なのである。「完璧に乗り方心得てますよね、たまらん。」とワシ。トドメはTienさんの呆れ顔発言「全く、また次回も鮫島が、別の馬で(参戦したとしても)同じような競馬で勝つんだろーな・・・」。
敗れこそしたが、コウザンシンオーには感心した。終始前々で、攻めの競馬を進めた西村騎手の騎乗も良かったろう。が、それに応えて終いまで伸び、3着以下の差し馬勢を完封した走りは見事。さながら「荒尾の夢、エイキチの夢、今年も現在進行形」とでも言おうか。「コウザンシンオーねえ、ホントここでよく2着に粘ったよねえ。」と、決め手さんも感嘆。
トチノグレイスは前半かなりの後方から3着に間に合った。「あの競馬でこれだけ走れるんだから、これ、そのうち荒尾に移籍するんじゃないか?」とは御大の推測。
スーパージョージ・・・捲り脚を一気にリリースしない、らしくない競馬だった。しかし冷静なれば、これまでたとえ得手の中・長距離戦であっても、追い込んで届かず2着3着がやたら多かった馬であり、過剰に期待するのは危険なのだよな。結局「惚れた弱み」だな。
カズミサチフジはまずまずの好位競馬だろう。距離はちょっと長かったかも。ワールドアイは自身の走りとしては堅実な差し競馬だろうが、勝ち馬が圧勝するようなレースだと出番がないか。シュメイヒーローにもちょっと距離が長めかと。この馬もペースが激変するような流れのレースは向かなそう。
メグミダイオーは残念な結果になってしまった。調子が出ていないか。齢もそれなりに経たが、同級生のペルターブレーブやサンバコールはまだまだ元気、頑張れ。
大差遅れの下位入線3頭については、ちょっとA1を張るには厳しいという現状がそのまま出たかと。今のイセイチにはこの距離は無理だろう。千五で辛うじて何とか、なのでは。

レース終わって、そしておしまい
レース後の表彰式。主役は勿論鮫ちゃん。こういった場で表情一つ変えない人のはずだったのだが、この日は脱鞍所から式の終わりまで、終始ニコニコ、いやニヤニヤ。以前を思うに、そのギャップが可笑しくて・・・

好天のまま、この日の競馬は無事終了。例によって日帰りで帰路。
マノノのしゃんとした姿、シンオーの好走、等々。荒尾vs佐賀、今後の古馬交流戦線の盛り上がりに対し、期待を抱かせてくれた、イイレースだったのではないか。次の九州古馬交流は8月荒尾のアラブ大賞典。「次の主役は誰だ?」そう思いつつ、その日を待つのも楽しい。
「主役?当然俺でしょ。」やっぱりそうくるか、鮫ちゃん――

2002.7.8 記

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