第20回九州アラブダービー観戦報告

 2002.10.27、佐賀、1800m

はじめに〜出走メンバーについて
今回観戦したのは佐賀の3歳重賞、九州アラブダービー。一昨年、既存の重賞アラブ優駿を、九州交流レースとしてリニューアルしたものである。同年併せて、荒尾の3歳重賞の荒尾記念も九州交流となり、同時に施行時期を初秋に移した。これにより、九州のアラブ3歳戦線に、福山の全日本アラブグランプリを最終目標とした、秋の重賞路線が出現した。のであったが・・・
今年、荒尾記念が施行時期を6月に移してしまい、この路線は呆気なく崩れた。「初夏と秋に大一番を分散させた」と取れなくもないが、主催者側が意図的にそうしたかは甚だ怪しい。このため今年の秋は、この九州アラブダービーが唯一の九州交流3歳重賞。であるならば、佐賀vs荒尾の、全面対決を期待したいところ。
であるにも拘わらず、4日前10月23日の水曜日、荒尾で地元3歳オープン戦のコスモス賞が行われ、荒尾の二強、荒尾記念馬イマリオーエンスと素質馬マルシンランサーはこちらに出走で(結果一着イマリ2着マルシン)九州アラブダービーには登場せず。「全く、だいたい何でこんな日に荒尾で3歳オープン組むかなあ。」と、Tienさんや3号馬さんならずとも、アラブ好きならば思うところである。

という状況のもと、出走馬は以下のフルゲート12頭。()内は騎手、性、斤量。
ハイセイアポロ(杉村、牡、56k、荒尾)、コノミポールスター(鮫島、牝、55k)、チビッコレオ(倉富、牝、55k)、スズノウインディ(山口、牡、56k)、ダイナマイトキング(吉田隆、牡、56k、荒尾)、ヤタノルーキー(吉田順、牡、56k)、マチカネサンダー(長田、牝、55k)、ハヤトキング(三井、牡、56k)、ダンオブライエン(下條、牡、56k)、ベストラム(井上、牝、55k)、トシブルバード(新原、牡、56k)、ベイビイベイビー(安楽、牝、55k)
別定重量戦だが、牡馬56k牝馬55kの定量かと。牝馬7頭牝馬5頭。

荒尾からの参戦は2頭。ハイセイアポロは、冒頭に記した荒尾の二強に次ぐ馬であり、ダイナマイトキングは上り馬。しかしやっぱり、イマリオーエンスとマルシンランサーの不出走は面白くない。
ということで、注目は佐賀のスズノウインディ。昨年12月の地元2歳重賞はがくれ賞の勝者であり、荒尾記念は2着惜敗も、断然の佐賀筆頭にして九州トップの1頭。荒尾から2頭来るものの、イマリとマルシンは出ないとあって、軸不動の扱いとなっている。二強を欠いた荒尾と、地元佐賀との比較でも、今回は佐賀勢有利の見立てが大勢かと。

当日の概況
10月になってもなかなか涼しくならなかった今年の西日本であるが、この週末、いきなり冬型の気圧配置となったようで、快適な気候を飛び越していきなり冷え込んだ。九州もその影響を被り、到着した佐賀の気温も低い。天気は曇り時々晴れといったところ。時折雲が切れて日が差す程度、雲は厚い。風が強いので寒さがより助長される。
馬場状態は良。砂はサラサラ、粘り気は全く感じられず、ムチャムチャ深くて重いようにも見受けられない。概ね逃げ・先行有利で、馬場五分どころが無難なラインか。コースの内2頭分の馬場は、見た目に砂の色が違う。やはり深いのか。

メイン前の目玉、第8競走、松浦川特別
メインレースの九州アラブダービーについて記す前に、第8競走について。松浦川特別、A1A2A3戦、つまりは古馬オープン戦である。距離1800m。
出走馬は内枠より以下の10頭。()内は騎手、性齢、斤量。
ガッシャブルーム(新原、牡6、54k)、ヤマオーカン(真島、牡5、54k)、ミスターナタリー(北村、牡5、54k)、スーパートウザイ(山口、牡6、54k)ワタリキングス(安東、牡5、54k)キングタイムリー(井上、牡6、54k)トップランダム(森田、牡5、54k)、ノア(鮫島、牡5、55k)、ヤマノキング(川野、牡5、54k)、キングダイオー(権藤、牡5、54k)
以下注目馬について少々。
まずもってノア。今夏の日本海特別勝利の後、益田競馬廃止に伴い当地へ。緒戦の前々走千四戦1着、前走千八戦3着と、いきなり佐賀筆頭を窺うポジションに。パドック気配は、毛艶はソコソコ、歩様は若干硬め、そして細かい動きがやや目立つ、という、まあこの馬なりのもの。白メンコ着用で頭絡はその外、メンコ被ったままレースを走る模様。
ミスターナタリーは7月の金沢セイユウ記念の後も順調らしく、オープンで4戦2勝2着1回3着1回。毛艶は上々、歩様は硬め。この馬としてはパドック気配が非常に大人しい。目を剥いてガッとなるところが今日はない。
キングダイオーは4ヶ月6開催の休養明け。馬体重505kは案の定+6k。その割にはムチャムチャ重くはなさそうで、一応仕上がってはいようか。気合い乗りは上々。
2月の九州アラブチャンピオンでアッと言わせたキングタイムリー、その後も上位安定勢力。首を上下させて身のこなしはキビキビ。ちょっと腰の動きはギクシャク。馬体重500k超のデカ馬が6頭もいるので、馬体重461kで元来がスマートなこの馬、とても細く見える。
その他、3年前のアラブ優駿(九州アラブDBの前身)馬であるガッシャブルームは、戦績劣勢だが511kの巨体の見栄えだけなら上々。気配が最も煩いのはヤマノキングだが、これも馬体の出来は上々。
馬券は、ここはノアを中心に。相手にミスターナタリーとキングタイムリー。キングダイオーは怖いが、この馬休養明けは走らないクチだと思うので、今回は買わず。「キングタイムリーは2月(九州アラチャン)のこともあるから、ようわからないですよぉ。」とは3号馬さん。

ノア(31KB)
ノアちゃん鮫ちゃん、本馬場に登場
白メンコ、オマケにタテガミに白のワタリ

距離1800m、スタート地点は2コーナーを立ち上がって向こう正面を少し進んだところ。
外からヤマノキングのダッシュが目立ったが、それもテンだけですぐに控える。代わって内からガッシャブルーム、中からトップランダムとノアが前に。まず先頭に立ったのはトップランダムで、ノアは差がなく2番手に。
正面スタンド前で、先頭トップランダム、2番手1馬身強外にノア。次列内ガッシャブルーム中キングタイムリー外ヤマノキングが併走。ヤマオーカンがいて、インにミスターナタリー外にキングダイオーが中団待機。
レースが動くのは向こう正面半ば。外からノアが力づくで先頭に立ち、そのまま突っ走る。三分三厘あたりでは既に独走態勢となり、これで勝負あり。「強引な競馬だなあ。」とのお客さんの感想も聞かれたが、結局問題なしの圧勝。2着を1秒、5馬身離して見せた。
一方2番手争いは・・・キングタイムリーが次列を引き続きキープ、そしてここへ、バック一杯を使って、外からキングダイオーが十八番の捲り寄せで出現。ミスターナタリーも中団からジワジワと来る。直線は、中キングタイムリー外キングダイオーで、インにミスターナタリーが併せての接戦。タイムリーは粘走、内外のダイオーとナタリーは交互に脚を使って抜きつ抜かれつ。そのままもつれてゴールへ。勢いは外ダイオーだが、ナタリーが前に出ているかどうか?タイムリーは劣勢。
結局2着ミスターナタリー、3着ハナ差でキングダイオー、4着クビ差キングタイムリー。5着は7馬身差でワタリキングス。

ノアのこの圧勝は、佐賀の古馬オープン戦線においてはかなりの出来事かと。というのも、最近は"ドングリの背比べ"然とした接戦混戦模様が続いており、1着馬がこれだけ2着以下を離して勝ったレースは記憶にないので。ちょうど今回の2着争いの3頭接戦が、ノア来襲以前の、佐賀オープン戦らしいトップ争いの図であって、そこから5馬身先んじたのだから。
というわけで、ノアを巡る、佐賀古馬オープン戦線、ちょっと異常、あり?

さて九州アラブダービー、パドックから発走まで
第8レースと、メインの第9レース九州アラブダービーとの間に、荒尾競馬のメインレースの場外発売が挟まるので、見物の両レースの間隔に余裕が出来て助かる。が、この日はJRAの天皇賞(秋)の放映が15:40過ぎにあって(併設されているJRAの場外で馬券を売るので)、メインレースのパドック周回開始はこの放映が済んで後。おかげでパドックタイムが非常に短くなってしまった。3号馬さん共々、これには不満最大。結局3周程度の周回、ということで各馬のパドックチェックはほとんど叶わず。以下のコメントは、本馬場入場や、撮影した写真を観ての感想を混ぜ込んでのものです。いつにも増して信憑性薄し。

1番ハイセイアポロ。毛艶は上々で馬体も伸びやか。大人しくゆったり周回、ただ時折首をキョロキョロと。6月の福山での瀬戸内賞9着の後は5戦2勝2着1回、うち近3走は2着1着1着、まずまずか。可能であれば逃げ・先行したいクチかと。
2番コノミポールスター。濃い鹿毛の艶は良い。歩様は硬いが歩幅は出ている。12頭のうちでも見た目は上位。2歳時はスズノウインディ共々トップと目され、はがくれ賞では1番人気に推されるも2着。以降成績イマイチで、頭打ち気味の現状。前走はトライアルの3歳オープン浮立特設(以下TRと略)4着。逃げ・先行タイプ。
3番チビッコレオ。その名の通り馬体重393kの軽量馬。トモの歩幅は出ているが、冴える毛艶ではない。上山デビューで福山を経て9月に当地へ。前走TR9着。
4番がスズノウインディ。馬体重499kの通り、大柄で見栄えのする好馬体の馬。胸前の厚さが目を惹く。二人曳きで宥められての周回で、やや煩め。装鞍所でも、広場を曳かれる間何度も立ち上がって蹴っ跳ねしていた。激しいのか。荒尾記念2着の後は地元で1着2着ときて、前走TRを勝利してここへ。
5番ダイナマイトキング。ズバリ言えば、垢抜けしない荒削りなルックス。栗毛の毛艶もあまり良くないし、肩も後肢も、えらくゴツゴツしている。デビューは4月27日と遅れたが、8戦6勝2着2回の好成績でここに辿り着いた。2走前と3走前にはハイセイアポロと勝ち負けを争い、2走前はハイセイ1着当馬2着、3走前はこちらが勝ちハイセイ2着。前走地元B3戦1着。
6番ヤタノルーキー。スッキリスリムで細い首差しの馬だが、腹は少々緩めか。「マリンレオに格好がちょっと似た馬」と3号馬さんが仰るが、オカノヒリュウ産駒にいそうなフォルムだなとワシは思う(その実はヘイセイヤマト産駒)。道営デビューで昨晩秋に当地へ。前走TRは7着、これが8ヶ月ぶりの実戦。
7番マチカネサンダー。毛艶はまずます。胴の短い体型で首はちょっと高そう。前走TR5着。ゴリゴリの差し馬のようだ。22戦2勝と勝ち星に乏しいのは勝負に遅いから?いちおうはがくれ賞3着馬。
8番ハヤトキング。濃い鹿毛の艶はなかなかだがで馬体張りもあるが、腹回りはちょっと太めでコロンとしている。改めて確認するとやっぱりイムラッド産駒。前走TR6着。
9番ダンオブライエン。脚長なのか、背高で重心も高そう。首の細さの割に胴回りが厚い。毛艶はいい。前走TR8着、近6走は全て着外。
10番ベストラム。福山デビューで当地には9月から。実は2歳時から3歳春先にかけ数度福山で観たことがある。いかにも早熟なビソウサウス産駒といった馬で、すぐに頭を打った感。ただ今日目にしたその馬体は、かつてに比してかなりゆったりした印象。貧相に見えない。当地では2戦、緒戦が4着で、前走TRが単勝9番人気でスズノウインディの2着。
11番トシブルバード。馬体重416kと目方も軽いが、フォルムのヒ腹も薄い。毛艶は悪くなさそうでシャープに出来ている。前走TR3着。過去21戦して僅か1勝だが、2着4回3着5回。追い込み一手のよう。
12番ベイビイベイビー。益田デビューで、2歳重賞若鮎特別2着に3歳重賞益田優駿2着と、共同購入馬ではトップクラスだった馬。年明け早々の重賞三県交流競走(福山)にも参戦した(4着)。胴長でスラリとした体型、そのせいもあるのかヒ腹は薄め。毛艶は並。9月の前々走が当地緒戦で2着も、前走TRは10着。

スズノウインディ(33KB)
スズノウインディ、返し馬
気性激しそう。豹柄メンコも押し出し感を助長する?

スズノウインディは、煩さも目立ったが、馬体の出来も目を惹いた。佐賀トップも「むべなるかな。」というところ。コノミポールスターのルックスの良さが想像以上。ふささんもこれが目立ったと。ハイセイアポロは悪くない、むしろこの馬格好いい方。ダイナマイトキングは案外。
予想。軸はスズノウインディを信頼で、ここから荒尾2頭へ。佐賀の各馬はワシ、全く解らぬので。コノミポールスターは上がり目ないと思うし、ベストラムは福山時代を考えれば無視して然るべきだし。3号馬さんは完全に佐賀上位の見立て。スズノウイディから佐賀勢数頭へ流したようだ。「距離1750m戦以上の経験のある佐賀勢の方がアテに出来るでしょう。」という見方も。

レースなり
いよいよレース、距離は第8競走と同様1800m。
ゲートが開く。ダンオブライエンがアオって遅れる。まずはコノミポールスターがスッとハナへ。最内ハイセイアポロも差がなく続き、外からベストラムも二の脚使ってこれに迫る。スズノウインディは掛かり気味に先団走行、次列に。ダイナマイトキングはやや離れたその次列に続く。
そして正面スタンド前。先頭内でコノミポールスターも、外からベストラムが半馬身程度の差で併走気味に続く。差のない次列インにハイセイアポロ、その外にスズノウインディ。2馬身程度下がった次列のインにダイナマイトキング、首が高い。そのインにヤタノルーキーで外にハヤトキング。そして内マチカネサンダー外ベイビイベイビーが併走で続き、ダンオブライエン、中チビッコレオ、インにトシブルバードは後方から。前のペースは落ち着いている模様。鮫ちゃんがアタマをジワッと取ったが故か。
勝負が動くのはバック半ば、3コーナー手前のこと。外からスズノウインディが仕掛けられて、フロントを狙う。これに少々場内沸いてくる。この頃ハイセイアポロは、鞍上杉村クンのアクションが大きくなるも動きが悪く後退気味。一方ヤタノルーキーがハイセイに代わってインから上昇気味で、同時に外からダイナマイトキングも。コノミとベストラムは変わらず先頭。
そして三分三厘から4コーナー。意外にもスズノウインディの伸び脚が冴えない。フロントのコノミとベストラムに取り付いたのが精一杯でそこからが伸びず。ハイセイアポロは外に持ち出して改めて押し上げようとしているがそれも鈍い、先行勢との間は開いた。などと思っているうちに、ダイナマイトキングが大外をブン回して一気に襲来。苦戦のスズノや先頭2頭を横目に、4コーナー、まとめて交わして先頭に立つ。
最後の直線、ダイナマイトキング、以降は独走。最後はゴール10m前あたりで、鞍上吉田隆二騎手の左手が大きく上がってのガッツポーズ、圧勝のVゴール、2着を9馬身チ切って見せた。

ダイナマイトキング、ゴールへ(45KB)
ダイナマイトキング、独走のゴール前
鞍上隆二サン、派手にガッツポーズ

さて2着争いは激しくなった。コノミポールスターは直線を向いたあたりでちょっと降参、2番手にベストラムが抜け出す。順位は入れ替わったが粘るこの2頭。ここへ、ヤタノルーキーが、いつの間に内から切り替えて外から迫る。さらにゴール直前、コノミのインの最内を、マチカネサンダーがスルスル差し込む。結果、少々抜け出したベストラムが、3着に2馬身差で2着。3着は接戦、結局マチカネサンダーが。4着アタマ差でヤタノルーキー、5着クビ差でコノミポールスター。ハイセイアポロは半馬身遅れた6着。7着チビッコレオを挟んで、1番人気スズノウインディは8着止まり。

2着争い(39KB)
2着争いはベストラムが先んじる
3着インのマチカネ、中の鮫ちゃんコノミは5着

レース後、ダイナマイトキングが1頭、隆二サンに促されてコースを1周して、ウィニングランで再度ホームストレッチにやって来る。外ラチ沿いに駆けて、そしてスタンドに鞭を投げ入れた。

ダイナマイトキング、ウィニングラン(37KB)
ダイナマイトキング、ウィニングラン
スタンドに鞭を投げ入れる隆二サン

反省、そしておしまい
ということで勝者はダイナマイトキング。全く意外なワンサイド勝ちであった。三分三厘の捲り脚はカッコよかったと思うし、上昇馬の勢いも出たと思う。ただその一方で、勝ち時計2分4秒8は、過去のこのレースに比しても、やや物足りぬものであるようだ。第8レースのノアのタイム2分1秒7と比べても相当遅い。まあレースのタイムとペースは勝ち馬1頭の責任ではないが。
それにしても2着がベストラムとは。福山時代を知る者としては訳がわからない。スローだったにせよ、2番手を持ち堪えての結果であるから、弱くはないんだろう。前走TR2着もマグレでないということか。
マチカネサンダーのイン差し3着は芸の部類?その複勝の配当910円を見て「うわぁ、これはマチカネサンダーの複勝(勝負)だったかぁ。」と"首領"Tienさん。
ヤタノルーキー4着はまずまずか。休養明けから間がないだけ惜しい。今後に期待持てるか。
コノミポールスターも想像以上には持ち堪えていたかと。鞍上鮫ちゃんなので、ペースの主導権握れるだけに恵まれてはいようか。
ハイセイアポロは、戦前3号馬さんとも危惧していた、1枠発走がちょっと仇となった感じ。馬場の良くないインに、前半ずっと押し込められてしまった。2周目三角手前で遅れて万事休す。「瀬戸内賞惨敗といい、ひょっとして遠征苦手ですかねえ。尤も瀬戸内賞は出遅れ終了でしたけど。」と3号馬さん。出遅れも遠征が故と思えば、あながち的外れでもなかろう。
それにしてもスズノウインディは、一体何だったの?前半の位置取りも悪くなく緩いペース、三角で押し上げたのも狙い通りだろう。が、そこまで。確かに戦前の気配が非常に煩くはあったが、それが敗因とも思われず。結局これ一走では実力は判らぬ。

ということで、九州アラブダービーは、昨年のコウザンシンオーに続き、荒尾勢の連覇に終わった。佐賀の諸君、戦前の見立てから一変、「この世代はやっぱり荒尾勢のレベルが高いのか?」の声が聞こえ始めたぞ。それを覆したければ、誰か古馬オープンまで出世して、交流戦で地力、示してみなさい。
そして勝ったダイナマイトキング。「荒尾勢としては、二強を欠いてよくやったな。」と思う一方、「ダイナマイトキングでこれだけ圧勝になるんだったら、イマリオーエンスあたりが出てたらどうなってたんだろ?」という想いが、改めて浮上してしまうのも事実。また、そうした声は現地で相当聞かれた。勝ち馬には申し訳ないのだけれども。
これに反駁する気概をお持ちであれば、ダイナマイトキングくん、是非、今後躍進して、レースで白黒つけて下さいな。それが今後の荒尾競馬の、目玉の一つになろうから。期待してまっせ、少しは、ね。

2002.11.2 記

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