2003年、若駒賞観戦報告

 2003.2.20、園田、1700m 但し重賞ではなく指定(特別)競走

はじめに〜そして当日の概況
兵庫の若駒たちにとり、年が明け3歳となって初めて迎える指定競走が、その名もズバリ若駒賞。過去3年は1月中・下旬に施行されており、世代トップの面々がここを新年の使い出しに選択している。近3年の勝ち馬はミスターサックス、クールテツオー、ハッコーディオス、全て各世代の最強馬である。
さて今年。当初は1月23日に施行予定だったところ、出走馬が集まらなかったらしく、何と延期。これには、今年の3歳世代の有力どころのうち、相当数を占める補助馬勢が、4日前の19日に福山の園田・福山交流特別競走に出張したので、という背景があるのだが。昨秋笠松の2歳重賞ジュニアグローリが延期の末中止という、イヤな先例があるだけに、このレースも開催が怪しく思われたところ、翌2月20日、何とか開催となった。ただ、約1月繰り下がったおかげで、補助馬の指定競走菜の花特別(2月7日施行)の後ろに回り、「兵庫3歳指定競走第一弾」の地位は譲ることになった。

今年の兵庫県競馬、アラブ系縮小はさらに進行する模様。3歳フクパーク記念は重賞から指定競走に格下げ、楠賞は「全日本」の看板を奪われ「兵庫アラブ優駿」と改称(全国交流という実質は変わらぬのだが)。夏の摂津盃はアラ・サラ混合重賞化で、アラブのみによる古馬重賞は白鷺賞だけとなった。そして今年の2歳が、最後の入厩世代となる。それでありながら、年末の園田2歳優駿は来年を待たずして今年廃止とのことだ。
こんな状況のもと、重賞のみの現地観戦では園田・姫路の馬たちを目にする機会、減少する一方。「非重賞のレースでも、興味の沸くものがあれば、可能な限り足を運ぼうかな。」というスタンスに、自然となってくるのである。

ここにおいてこの日の園田、若駒賞に加えて、準メインがアラブ古馬のオープン戦で、アラブ好きには嬉しい番組編成。「これなら!」というわけで、午後から職場を脱出して、園田に足を運んだ次第。
当日の園田、無茶苦茶寒い。加えて風が非常に強いのでたまらん。寒冷前線が通過しているのか、時折ドッと雲が押し寄せ暗くなり、時雨まで落ちる。かと思えば雲が切れて、スカッと晴れ上がったり。
馬場状態は稍重。若干砂が湿り気を帯びて、締まった馬場となっている。

お楽しみ、その1.第10競走、アラブ系S1特別
距離1870m。出走馬は内枠より以下のフルゲート12頭。別定重量戦。
ケシゴホーエイ(玉垣、牡4、53K)、ジョージサンキュウ(青山、牡5、53K)、マッピーウェーブ(成清、牡4、53K)、シューティング(有馬、牡5、53K)、タカライデン(赤木、牡6、56k)、ソレユケイチマツ(松平、牡5、56k)、ワシュウジョージ(小牧太、牡7、56k)、トシノブルショワ(木村、牡5、53K)、トキノメイユウ(下原、牡8、53K)、ガバナマイウェー(平松、牡5、53K)、マサノライデン(松浦政、牡6、53K)、ストロングゲイル(田中、牡7、53K)

重賞級のメンバーも混じる。距離も1870mで、オープンのスタンダードディスタンス。
ワシュウジョージも登場。3月2日の佐賀西日本アラブ大賞典出走を希望していたようだが、選出に漏れ補欠待遇となってしまい、断念してここへ。実入りも気合い乗りも充分、新春賞時と同様にいい。
が、今回ワシュウを差し置いての最大の注目は、上昇馬マッピーウェーブ。ポワンとした芦毛馬、のんびり大人しく周回していて、いいんだか悪いんだか掴みにくい。因みにラディガブライトの半弟、父がセンターセフトからカヅミネオンに変わっている。芦毛は母系から受け継いだもの。
ソレユケイチマツは前走新春賞から馬体重-3kながら、胴体がやたら太くて重い。タカライデンは毛艶今一歩、物見することしきりで散漫。マサノライデンは変わらずガチガチな馬体で内々を回る。「ワタシにとって謎の存在やわ。」とはラテちゃん。イムラッド産駒の骨太芦毛馬トキノメイユウは半年の休養明け緒戦。「うぉー!真っ白になってるぅ。」とラテちゃんと声が合う。銭形模様も消滅した。トホホ楠賞馬ガバナマイウェーは、毛艶と見た目だけなら上々なのだが。ストロングゲイルの歩様の悪さを、アオちゃんがしきりに指摘する。姫山菊花賞でクールテツオーの2着だったシューティングは、堂々たる漆黒の馬体でパンパンの馬体張り。ちょっと胴は太いが見栄え最高。ケシゴホーエイはじんわりと、デカい。ジョージサンキュウは変わらず、昨年来の見栄え。ミスターサックスの全兄トシノブルショワはボッテリ体型、トモの踏み込みも浅い。

そのレース。スタート地点は2コーナー。
トキノメイユウがポンとハナ、外からガバナマイウェーが続き、ここへ三角までに、大外ストロングゲイルが押し上げて、先頭接近。内からマッピーウェーブがスッと上昇する。
正面スタンド前では、先頭トキノ、2番手ゲイルその直後外にガバナ。マッピーはゲイルとほぼ同列のイン。ガバナの次列にタカライデンがいて、ワシュウジョージはこの直後の好位。やや下がって内にシューティング、トシノブルショワ、ジョージサンキュウ、マサノライデンと続き、ケツ二ソレユケイチマツで殿ケシゴホーエイ。
1、2コーナーからバック半ば前までのレース中盤。先に動いたのはタカライデン。スルスルとフロントに。マッピーウェーブが内からこれと同様に上がる。ワシュウはタカライデンに連れて上がるも、どうも見た目行きっぷりがよろしくない。太さんのアクションの割にはズバッと加速しない。
ということで三角手前から4コーナーまでは、内マッピー中タカライデン外ワシュウの併せ馬。暫しタカライデンが半馬身弱先んじるも、四角手前成清クンに手綱をしごかれると、マッピーウェーブがグッと伸びてタカライデンを抜く。ワシュウはちょっと様子見か。
最後の直線。コーナリングの妙もあって、マッピーウェーブがスッと後ろを離して抜け出す。タカライデンは直線に入って止まった。そしてワシュウ、馬場六分どころを回って追撃。が、伸び脚はソコソコな程度か。内外離れたこともあり、見た目には明らかにマッピー優勢。「でもマッピー、ヨレてるよ。」とラテちゃんが指摘するも、お構いなしで粘り込む。これでワシ、「勝つのはマッピー。」と信じ切って、カメラ向けてピント合わせたのはマッピーウェーブ。が、実のところワシュウが残り僅かで末脚発揮、最後グッと伸びて、結局3/4馬身差し切って勝利。2着マッピーウェーブ。

マッピーvsワシュウ(46B)
第10Rゴール前、粘る内マッピーvs外目強襲ワシュウ
ピントはマッピーなんだなあ

3着以下は差し馬大強襲。好位からシューティングがスッと押し上げたところ、バック捲り決めてケシゴホーエイが追い付き、馬場外目で叩き合う。さらに大外からマサノライデンが直線に賭けた追い込み脚。タカライデンは何とか持ちこたえるも・・・ソレユケイチマツは好位から先が遠い。結果、ケシゴホーエイが3着、マッピーのクビ差まで迫っていた。シューティングはこれにアタマ差競り負けて4着。5着大外ドカンのマサノライデン。ジョージサンキュウが中団から渋く追い上げて6着。タカライデンは3〜6着馬に直線抜かれて7着まで落ちた。ソレユケイチマツは伸びず8着止まり。9着先団から伸びずストロングゲイル、10着トシノブルショワ。11着ガバナマイウェーと最下位トキノメイユウはいずれも先行バテ。

マッピーウェーブ、これ、ホンマに惜しかったと思う。攻めの姿勢も粘り腰もとても良かったぞ。ケシゴホーエイは昨年格下で楠賞出た頃からすれば、理想的に成長したなと思う。タカライデンは、やはり調子今一つなのか、斬れ脚勝負の馬でないにせよ、最後差され過ぎ。
まあ、何と言ってもワシュウジョージ、昨年佐賀の西日本アラブ大賞典以来、実に11ヶ月半ぶりの勝ち星となった。やはりここは強かった?が、ハンデ56kの恵量で、ルックス絶好でありながら、道中ズブくて、終いどうにかこうにかエンジン掛かって間に合っての勝利というのは、却って衰えを感じさせるもの。つまり、何ら不足ない状況でこの程度にしか走れない、というわけで。誰かさんがしきりに唱える「ワシュウがヨシゼン化しつつある。」というお説が、非常にリアルなものとなってきたなあ。などど思いつつ、このレースについてはこれまで。

そして若駒賞、出走メンバーについて
さてメインレースの若駒賞。冒頭に記した通り、どうにか施行成ったのだが、これがズバリ「出走馬が集まらない!」。筆頭クールフォーチュンは全日本2歳アラブ優駿を制して以来姿を見せず、まだ始動しない。園田2歳優駿馬ホワイトタイガーは補助馬なので、菜の花特別を使って(1着)、次開催3月5日の福姫交流へ直行でスキップ。2歳初頭いち早く勝ち星を重ねたワシュウビジンの戦列復帰もまだ(当日の『キンキ』紙上に、福姫交流で復帰を目指しているとの旨掲載あり)。非補助馬についても、上位と目される少なからぬ面々が、古馬編入され一般戦に散って、どういうわけだかここに出てこない。この全く謎な状況が、少頭数に拍車をかけた。

というわけで集いし面々、何とこれだけ。()内は騎手、性、斤量。
プラチナプリンス(木村、牡、54k)、ビミョウ(平松、牡、54k)、スタイルマイウエー(小牧太、牝、53k)、ニホンカイブルー(赤木、牡、54k)、ベロシダハーバー(永島、牡、54k)、サンクリント(田中、牡、54k)

6頭でっせ!補助馬上位のベロシダハーバーとニホンカイブルーが連闘で登場してもこの有様。オマケにプラチナプリンスが出走取消で、レースは結局5頭立て。これだけ少頭数になると、メインレースを陥落して中盤戦に回されかねない('01年の菜の花特別などがそう)のだが、何とかメインレース第11競走での施行である。
園田2歳優駿の2着馬3着馬であるニホンカイブルーとベロシダハーバー。道営から昨年末移籍したビミョウ。楽しみな3頭ではあるが、これらを差し置いて、今回最も注目を集めるのが、あのサンバコールの全弟サンクリント。デビュー戦が昨年12月3日と遅かったので2歳戦線には乗れなかったのだが、初戦2着の後5連勝でここに間に合った。ここは試金石の一戦となろう。

そパドックから発走まで
さてパドック。周回の風景、スッカスッカですわ。
2番ビミョウ。小走りになる時間が多い。細かい動きも目立つ。馬体はスッキリしていると思う。アオちゃんは「この馬、胴短いよなあ。」と。ワシはそれほど短いとは思わないのだが。「今日も(新春賞の日と同様)サンダーのお下がりメンコや。」とラテちゃん。今回は極薄のブリンカー着用。後で門別時代の写真と見比べたのだが、半年でさらに白くなった。前走前々開催のF1−1組戦4着。今回移籍3戦目。
3番スマイルマイウエー。長い首を高くして、チャカチャカと煩い。冬毛気味で毛艶は悪い。クニャクニャして力感ない栗毛の大型馬で、園田2歳優駿時のベロシダハーバーがダブる。実際周回当初は、これがベロシダだと勘違いして眺めていた。前走前開催のF2−1組戦4着で、今回最も格下、やはり他より見劣る。メインレースで、天下の小牧太が最低人気必至の馬(結果その通り)に乗ることなんて、滅多にないのでは?
4番ベロシダハーバー。毛艶はソコソコなれど、実入り充分で締まった馬体。園田2歳優駿時と比べて、力強さが格段に増した感じ。トモの踏み込みも大きくて、概して好印象。馬体重513kは前走比-14kだが、前走時が+16kだったので、これは元来の値に戻したもの。前走菜の花特別2着。因みに手綱を取る永島太郎騎手は、前日に通算999勝を挙げ、1000勝達成に大手でこの日を迎えた。が、今日はここまで未勝利。さてその1000勝目、ここで成るか?馬は充分足りようぞ!
5番ニホンカイブルー。「やる気ないパドック周回」が産駒の傾向として定着しつつあるニホンカイユーノス、その産駒だが、今日のこの馬、キビキビとした身のこなしで回っている。踏み込みも大股。非常にシャープでスリムな馬体である。「こんなに線が細かったっけな?」と思われたほど。前走菜の花特別3着。ホワイトタイガーにはどうしても勝てず、ベロシダハーバーとも立場が逆転しつつある。
そして6番がサンクリント。兄サンバコールと同様、デカい!兄は腹目からヒ腹へとスッと切れ上がっているが、この弟はヒ腹までドカンと太い。加えて実入りはバンバンで、光る黒鹿毛も押し出し感を増幅させる。ホンマに戦車のような馬体。周回を重ねるに連れエキサイトしてきて、鶴首になりつつ、しきりに前脚をバッコンバッコン振り上げ振り下ろす。「自分の前膝で鼻面蹴り上げそうやな(一人シャイニング・ウィザードとも言う)。」と思われるくらい。前走前々開催のF1−1組戦1着。この時ビミョウは下している。
「止まぁ〜れ〜」の号令が掛かり、騎手が跨る。ここでニホンカイブルーは退場して、赤木騎手は通路で騎乗。これは以前もそうだった。「サンクリント、マナブちんが騎乗したらグッと落ち着いたね。」とラテちゃん指摘。

本馬場入場から返し馬。スマイルマイウェーはゴール板前から一角方向へ。他の3頭は4コーナーへと歩んでいく。そしてそこからビミョウとサンクリントがキャンター、スタンド前を通過。スマイルはそのまま4コーナーの待機所に入る。ベロシダハーバーはまる1周じっくりダクを踏んで、さらにスタンド前にやって来て、結局2周ダク。最後にニホンカイブルーが、数分四角で大人しくした後に、スタンド前の内ラチ沿いをシャープに駆ける。

『キンキ』のシルシもオッズも、サンクリント一本被り。が、ワシとしては、その雰囲気への反発もあって、ちょっと懐疑的。「このメンバーに入って、これまでのようにすんなり通じるかだよね。あっさり勝たれて『ああ強かったんだ』ってことになるかも知れんけど。」と、ラテちゃんに話すワシ。続けて「今日のベロシダ、エエと思うで。太郎ちゃんここで1000勝、あるぞ。」と。健気な太郎ちゃんファンの彼女、期待しつつも、「うーん、だといいけど。でもやっぱりサンクリントが・・・」と、期待と不安相半ばするというところか。「で、ユーちゃんビミョウは?(彼女フォーモサボーイ産駒ファンでもある)」との問いには、「買いません。平松っちゃんなあ、早仕掛けでガンガン動かすからなあ、直線追い込み脚溜めて勝負のビミョウには・・・距離千七は向くやろけど。」。が「とか言って、新春賞の日切って2着に来られて、ワシだけ馬券外したんだよな。」と思い直して、結局買う。アオちゃんが「ビミョウってあんな体型やったら距離短い方がエエんとちゃうん?」と。これに応えるワシ、曰く「いやこれが短距離戦じゃテンに付いていけなくて終い追い込みの一手なのよ。長い方がまともにレース出来るんだ。」。するとアオちゃん「でもユーノすけクンはなあ、(1、2着の)片一方は当てるけど、もう1頭はいっつも外すからなあ。」全くイヤなことを言う人だ。「ウルサイ!」と返す。が・・・事実なので困る。
結局、ベロシダ→クリントという、本命馬券の裏目を勝負馬券にして、加えてビミョウから、2頭に連複で。ビミョウがとにかく人気なくて「欲の皮突っ張った」というのが、初志曲げてビミョウ買う、実はホントの理由。

レースなり
さてレース。距離は1700m。スタート地点は向こう正面半ば。
ゲートが開く。「あ!サンクリント出遅れた。」隣のラテちゃんが声を発する。その通り、サンクリントはちょっとアオり気味になって、そのまま最後方からの競馬となる。意外にもビミョウが鋭発で、平松っちゃんに気合い入れられ前へ。やがてスマイルマイウエーがハナを奪ってそのまま先頭に立つ。これにニホンカイブルーが続く。ベロシダハーバーはダッシュイマイチだったがやや押されて上昇。最初の三分三厘までに、先頭スマイル、差なく2番手内ベロシダ外ニホンカイが併走と、態勢は定まった。ビミョウはぐーっと下げ、前とは離れていく。
正面スタンド前。先頭変わらずスマイルマイウエー。ベロシダハーバーがホームに入って前に出て、単走2番手に。「口割ってるよぉ、大丈夫?」とラテちゃん。頭も高く、口向きも悪い。2馬身くらいあってニホンカイブルーが3番手、これも単走。ややあってビミョウがインコース走行で続き、サンクリントは依然殿、ラインは馬場真ん中。

1周目(39B)
最初の正面スタンド前
先頭スマイル、2番手ベロシダ掛かり気味

2コーナー周回、スマイルを外から交わして、早くもベロシダハーバーが先頭に立つ、いや「たまらん!」とばかりに立ってしまったのか。そのまま先んじる。押し切る算段か?
が、そうは甘くない。二角を回って、サンクリントが上昇開始。まずはビミョウに追い付く。これを承けたか平松っちゃん、連れて押し上がらんとビミョウを叱咤する。スマイルが早々に後退気味で、ベロシダが後続をやや離し、ニホンカイブルーが2番手。が、これも束の間。バック半ばで後方2頭、クリントは外からビミョウは内から、それぞれニホンカイを追い抜く。そしてベロシダに急接近、三角手前で3頭馬体が合った。
勝負は3コーナーを回った時点で決まる。サンクリントが外からベロシダをワサッと抜き去り、先頭に立つ。三分三厘鞍上マナブに手綱をしごかれぐいぐい先んじて、四角周回で鞭数発。これに応えてドッと加速するサンクリント。後続を完全に突き放し、直線独走に持ち込んだ。「サンクリント、強い〜!」呆れ気味にラテちゃんが言う。最後は全く楽走になって、豪快に圧勝決めてゴールを駆け抜けた。

サンクリント(45B)
サンクリント、圧勝のゴール前
全く楽走、浴びた砂が捲り競馬を物語る

時間を戻して後続の争いに触れる。三角前からビミョウがベロシダの内へ馬体を併せる。両頭三分三厘併走で進んで、四角手前優ったのがビミョウ。タイトなインから平松渾身のシゴキで2番手に。ベロシダハーバーは遅れつつ、四角コーナリングでは顔を90度外にひん曲げて、何だかバタバタになっている。結局そのまま2着ビミョウ、勝ち馬からは5馬身離された。
「あ〜ん!太郎ちゃん駄目じゃん。」ラテちゃんの願い空しく、ベロシダハーバーは終いヘロヘロで離されて、ビミョウから2秒差遅れた3着。4着2馬身差でニホンカイブルー。さらに2秒1の大差遅れて、スマイルマイウエーが最下位入線。

振り返って、そしておしまい
サンクリント、この上位戦もあっさりクリアしてしまった。しかも偉大なる兄と全く同じ、前半ちんたら追走、バック大捲りで四角先頭という戦法で。まあ今回は少頭数で、前の隊列の抜くべき相手が4頭だけということも相まってのことだろうが。なれど、それを差し引いても、この爆発力が出色。クールフォーチュンやホワイトタイガーは、確かに地力もあろうし、根性やレースセンスに長けているが、殊破壊力に関しては2頭より上のような。2003年兵庫3歳世代、何となく「三強体制」に突入した感。これは「テツオー・フォーチュン兄弟LOVE!」の、来園されていたエチゼンさんも認めるところだ。
レース後の旧ウィナでの口取り撮影。終始この馬、ガチャガチャと煩かった。「この子は落ち着かへんねぇ。」と馬主さんが口にすると、管理する西村師「そうなんや、兄と違ってコイツはホンマ煩いねん。」と。あのパドック気配も、むべなるかなというところのようだ。
ビミョウは何だかんだで見込んだ以上に頑張っている。今日は平松っちゃんの仕掛けによく応えて、人馬息も合っていた。やはり千四戦走るよりは距離長めの方がいい。「最後バテてたけどね。」との指摘もあったが、まあ2着は拾ったので、まずまずだろう。
ベロシダハーバーはなあ。差し・追い込み馬なのに道中掛かるわ、口向き最悪だわ、柄にもなく早々に先頭に立たされて終いタレるわで、いいところなしの結果になってしまった。まあ、ここで欠点という膿を出して、今後に生かしてくれれば。ただ気の毒だったのは、少頭数かつ逃げプロパー不在のレースだったという点。しょーがなく押し出されて先頭になっちゃってるよなあ。それで押し切りを許してくれるメンバーじゃなかったのも不運。
ということで永島騎手はここで1000勝はならず。最終競走も連下評価の馬に騎乗で、最後追い込むも3着まで。と、この日目標は達成されなかった。

1着が本命馬ながら2着がビミョウだったおかげで、配当は枠複1,330円馬単1,800円となかなか。ビミョウも絡めて買ったおかげで、嬉しい黒字計上。「何やこれ!枠複なんか全通り買うても黒字やないけ!(枠複10通り、馬単20通り)」と、現地観戦叶わず電話投票もし損ねた"リーダー"前田っちが地団駄踏んだらしいが、後の祭りなのね。

さあサンクリント。クールフォーチュンやホワイトタイガーとの対決が、非常に楽しみになってきたぞ。フクパークや楠賞まで、とても待てない。3月26日、クリスタル賞、これは行かねばならぬかな。
「出世街道も捲り一発や!覚悟しときや、フォーチュンにタイガー。続けて訳せば"運虎"やがな。ダハハ・・・」←ちょっと調子に乗り過ぎたな、ワシ。ゴメリンコ

2003.2.27 記

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