第40回フクパーク記念観戦報告
2001.4.18、園田、1870m
◆今年の兵庫3歳戦線の概況
兵庫アラブ3歳三冠競走の第一弾、フクパーク記念。兵庫のアラブ系競走縮小の波は、サラが4歳(旧表記)を迎えた昨年よりも一層厳しさを増し、遂に2003年度の2歳をもってアラブ系入厩は終了という方針が主催者側より出されるに至った。まさに終焉へのカウントダウン開始、といった状況。
このアラブに対する逆風の中、サラをも凌ぐ怪物が出現するのが何とも皮肉。昨年のハッコーディオスがまさにそれであり、そして今年もディオスに続いて怪物候補が。すなわちご存じ"テッちゃん"ことクールテツオー。金沢の快速馬イセイチフブキそしてマルイシヒーローの全弟。デビュー以来前走トライアルのクリスタルカップまで、黒星なく綺麗に星を九つ並べて、今回10連勝を賭けてフクパークに登場。勿論不動の本命。鞍上はディオスと同じく岩田。昨年のディオスは三冠路線目前で頓挫してしまったが、テツオーはまずは無事にこの本番の舞台に立てた次第。
今年の兵庫3歳戦線は、とにかくこのテツオーのレベルが断然抜けており、これに太刀打ちできる馬は、いない。こういった状況下、他馬が対決を避けて小頭数となりがちなところ、名乗りを挙げた馬、フルゲートには1頭足らぬものの、ざっと11頭。というのも、テツオーを遙か前に見て追う、有力馬第2集団が地力拮抗、混戦模様であるからにほかならない。つまりは2着獲りのチャンスは相当数の馬にあるということ。
ざっと挙げると、まずは年末の園田3歳優駿でテツオーの2着、加えて前走トライアルもその2着のソレユケイチマツ。年明け以降テツオー不在のOP戦で3連勝の実績もあり、2番手筆頭格。曾和軍団期待のリッショウダイオー、トライアルでは道中テツオーに直付け2番手の自力勝負に行って、2着ソレユケとは僅差の4着で評価が上がった。1勝馬ながらも堅実なトライアル3着ジョージサンキュウ、福山のステイブルラインの全弟アラブイットウオーあたりもオープンの常連。
補助馬路線に目を転じれば、福姫交流と菜の花特別のそれぞれの勝者、ボールドヒリュウとホクセツジョージが二強でフクパーク参戦。この2頭の力は互角かと。いずれもテツオーとは未対戦ではあるものの、ボールドは前述のソレユケとは1勝1敗と五分の星、これとの地力は遜色なかろうが、さすがにテツオーとは差があろうといった状況。
◆久々の園田競馬場
兵庫の重賞施行は例によって平日ど真ん中の水曜日。休みにくい状況を無理矢理休暇を申請して午後から園田へ。園田駅北側の高架下(ファンバス乗り場への途中)に、牛丼の松屋が知らぬ間にオープンしているので、ここで昼飯を食う。結局競馬場には1時半頃に着。
出馬表を手にすると、福山と同様園田も様式が変わっている。やはり高知、福山と同じ形。この様式を全国統一規格にしようというのか?個人的には従来の形の方が好み(福山も)。理由は新様式のそれ、レイアウトが詰まりすぎていて書き込みをするスペースがないから。
園田に競馬に来たのは正月3日の新春賞以来実に3ヶ月半ぶり。入場して左手パドック方向に歩いていく。この時の印象、「園田って広いやん!」そして「慣れぬところに来ちゃったなあ・・・」。最近は専ら福山競馬中心で、加えて3月に姫路には2度行っており、あれくらいのこじんまりした競馬場のサイズに身体感覚が馴染んでしまった次第。妙な違和感。
天気は曇り。馬場状態は良。砂が補充され、深くて時計の掛かる馬場状態。特に内が深いからか、この日は内枠がほとんど馬券に絡まない。7レースで2番枠の人気馬が2着に来ただけで、1番枠に関しては全滅。
場内には環さんとラテちゃんの姿が。それにまりおちゃん。環さんは3月下旬にはクリスタル賞に、4月6日には笠松へアラブチャンピオン賞を観戦に行っており、「そんなに平日遠征して大丈夫?」と、ちょっと心配になる。まあ他人のことを言えた義理ではないが・・・そしてはるばる広島から大盛りさんがやって来た。今日は奥さんが身重ということで一人。
程なくしてコース沿いに江戸平多さんの姿を発見。南国桜花賞の時仰っていたように、公約通りフクパークに御来園。メイン前のレースのパドックには山ちゃんが。今日は色眼鏡ではない。ここでOku師匠の姿も。発見すると何故か隠れる師匠。まーやん(ケンちゃん)さんも来場しているとのこと。
◆見物その1、8レース(古馬S1、1700m)
この日の8レースはS1クラス、すなわち古馬オープン戦が組まれている。5月1日の兵庫大賞典に中1週、前哨戦といったところのレース。距離は千七。ここにカズミサチフジ、シルクスピード、ランダムオーク、アドミラル、スーパーチャレンジ、ニシノリュウジンといった面々が登場。中でも鉄より固い本命と目されるのが、爆速牝馬トライバルサンダー。
本番前の前哨戦とはいえ、バリバリのオープン馬のパドックはなかなかのもの。サンダーが、"女王様の我が儘"とばかりに再三立ち止まったり、イヤイヤをしながら後ずさったり。並の馬なら馬券から切りたくなる。ランダムオークはまだまだ相当黒い芦毛。カズミサチフジはキビキビと。アドミラルの黒い毛艶もピカピカ、トモの踏み込みが絶品。「しかしいつもああだからなあ」と環さん。シルクスピードはいつもながらの見栄えのする雄大な黒鹿毛。スーパーチャレンジは毎度の事ながらも惚れ惚れする男ぶり。しかしそれが成績と全く直結しないところがトホホ。それを重々承知のまりおちゃんと揶揄しあう。ニシノリュウジンは健気そうに。ここはサンダーアタマでランダム、カズミ、アドミラルに流し、応援馬券はサンダー→リュウジン。
レースはといえば、難なくハナを切ったサンダー、余裕の逃げ巡航。ハナを奪いたそうなスーパーチャレンジも結局2番手あたり、シルクスピードはマイペースの好位3番手。カズミサチフジ、ランダムオーク、アドミラルといった面々は後方待機。2周目向こう流しあたりでこれら後方待機勢が押し上がろうとするが、どれも今一つの爆発力。そうこうしているうちに最後の直線、逃げ楽走のサンダーに唯1頭追いすがったのは四角先団3番手からのシルクスピード。終い手綱を緩め加減のサンダーに1/2馬身差に迫る。ということで1着サンダー2着シルク。この後ろに遅ればせながらの後方待機ヒモ人気勢がドッと。インを掬ってアドミラル、中カズミ外にランダム大外サンユウラピートと追い込むが、結果僅差で3着ランダム4着アドミラル5着サンユウ6着カズミ。
サンダーは大賞典に向けて視界良しといったところ。シルクスピードは堅実に2着を取る競馬なら強いということか。それにしても差し馬勢はちょっと・・・特にカズミサチフジ、復帰後3走目でそろそろということで人気したのだが、脚の爆発力も息の持続もまだまだ。
※フクパーク記念についてはここからです
9レースのパドックが終わったところで、メインのパドック待ちに。パドック内の待機所に、フクパーク騎乗の騎手の皆さんがやって来る。太さんと岩田やっくんは二人並んで。オヤジから「平松頑張れ!」と声が掛かると平松っちゃん、ニコッと笑顔で応える。赤木騎手は最後に現れたのだが、いいことでもあったのか、ルンルン状態の歩き方で登場。まりおちゃんが声を掛けると、ワンテンポ遅れて振り向いてニコッという、妙なリアクション。
さて、いよいよフクパーク記念。出走メンバーは以下の11頭。斤量は全馬定量54k。
ホクセツジョージ(小林)、クールテツオー(岩田)、リッショウダイオー(小牧太)、シャットアウト(田中)、アラブイットウオー(松浦高)、ソレユケイチマツ(平松)、ジョージサンキュウ(永島)、ローゼンエース(大山)、ガバナマイウェー(木村)、ボールドヒリュウ(赤木)、ピカピカ(青山)
◆パドックから発走まで
出走馬がパドックに登場。
まずはクールテツオー。胸前とケツのボリュームが凄い。この馬テレビ映えがムチャクチャ良くて、相当大きい馬のように見えるのだが、実際は460k台。というのも馬格自体が存外小柄だから。とにかくケツの肉感に目がいくのだが、脛から下は普通なのでケツに比して弱く見える、二人曳きだが、入場してからずっと小走りでイライラしているような感じ。小走りの歩みということもあるが、踏み込みは強くはない。
ソレユケイチマツは伸びやかな落ち着きのある周回。好感。ちょっと胴がぼってりしたあたり、ホーエイヒロボーイ産駒らしい。
ボールドヒリュウはキビキビとした周回。皮膚の薄い栗毛の艶は綺麗。トモの踏み込みがやや浅い。このあたり、前走フクパーク時の方が印象は上。
ホクセツジョージは雄大に力強く。馬体重+8kの509kは前走減った分を戻した結果だが、どのように戻したかが気になるところ。大型馬ということもあり、どうも緩く見える。
リッショウダイオーはパツキン栗毛。馬体重431kだが数字通りの小さい馬。トモの送りがバキバキしている。
ジョージサンキュウの印象は「全体に細いなあ」。馬体重は+6kながらも432k。元来の馬格か。アラブイットウオーは鶴首になっての周回。ちょっとヒ腹が上がり気味で細いか。フィニッシュライン産駒でステイブルラインの全弟。気性の激しさは想像に難くはないところ。早熟型のような。
シャットアウトはやや緩いか。それでいながらヒ腹が細い。深いブリンカー着用。ローゼンエースは特段の印象はなし。ガバナマイウェーは二人曳きの厩務員さんをグイグイ引っ張っての周回。ピカピカは胴長だが腹が細い。
全体的には、ヒ腹が上がった馬、トモの力強さにまだまだ欠ける馬が多いという印象。まあこれは、クールテツオーのそれが異形と言えるほど際立っている故、これと比するとどうしてもそう見えてしまうという点は否めぬが。雰囲気はソレユケに好感。ボールドは及第点か。テツオーは地力が地力だけにレースは問題ないと思うが正直抜群のパドックではないかな、と。
本馬場入場。テツオーはやや遅れて二人曳きのまま登場。そしてゴール板前まで歩みを進めず、馬場に出たところから早々に1コーナーへ駆け出し、4コーナーの待機所に直行。それっきり正面スタンド前へ姿を見せず。リッショウダイオーはゴール板前にそそくさと登場して真っ先に駆け出し待機所に直行という、これは太さんがワシュウジョージで入場する時の所作と同じ。ソレユケイチマツはダクで。ホクセツジョージはやや強めに。ボールドヒリュウはゴール板正面あたりから返し馬に入り、4コーナーを回って直線半ばまで歩んできて、ここで引き返すという、鈴木正騎手に御されたホマスタのような所作。
各馬の返し馬が終わった頃、ローゼンエースが放馬。馬は楽しそうにホームストレッチを行ったり来たり。やがて捕獲されて、除外にはならず出走。
ソレユケイチマツ、返し馬
がっしりとした好馬体
で、予想。クールテツオーのアタマには到底逆らいようもなく、焦点は2着をどうするか。ワシは推奨馬として公言している手前、まずはボールドヒリュウ、そしてソレユケイチマツに。あとは申し訳程度にリッショウへも。加えて欲をかいた、ボールド→テツオーのウラ目の連単。
オッズ的には連複も連単も、テツオー−ボールドの組が1番人気でテツオー−ソレユケより支持が高い。テツオーとは未対戦、そして前走勝利が買われたボールドなのだろうが、正直これは「人気しすぎ」と思った。
環さんはホクセツジョージを相手筆頭に。概してトライアル組の2着以下より福姫組の方がレベルは上との見立て。「でもなあ今日1枠(このレースではホクセツ)一つも来てないねんで。それにこの馬ゲート悪いやろ。出負けした後インに押し込められて、終い差して来れるやろか?鞍上小林で。」とワシ。実はこれがワシがホクセツジョージを買わなかった理由。騎手に関しては、福姫で負けた時点で乗り替わるのでは?と思ったが小林騎手のまま。しかしこの舞台でこの1枠はシビアでは、とはワシの見込み。
大盛りさんは相手筆頭にはソレユケイチマツを。ボールドヒリュウを1度負かしているという点を強調。
凄いのはこのレースの単勝。テツオー以外については、どれもべらぼうなオッズ。最終的にどうなったかは不明だが、これだったら他の10頭の単勝100円ずつ総買いしてもいいという気にさせられる数字だった。
◆レースなり
いよいよ発走。園田1870mは2コーナーから、1周と3/4。
ゲートが開く。鋭発を決めたのは外から赤木のボールドヒリュウ。しかしそれを制して、インからクールテツオーがまずまずの出から二の脚一気、岩田に促されすんなりハナへ。連れて平松ソレユケイチマツも前へ、ボールドヒリュウに内から並びかけるが一旦下げて3番手に。
控えたソレユケの内へ、三角坂の手前で太リッショウダイオーが上昇。問題はホクセツジョージ。「やっぱり!」の出負け。1馬身ほど遅れを取り、ここから慌てて追走、リッショウダイオーを直前に見て、中団まで回復。しかし追走に一脚使った分、ここで掛かった。ソレユケの外から田中シャットアウトが交わして前へ。永島ジョージサンキュウは好発からすんなり下げて、ソレユケを前に見る好位を真っ先に堅守。イン併走のホクセツの掛かり具合に比して、折り合いはバッチリ。
ということで隊列が三分三厘から4コーナーを回って、1周目の正面スタンド前へ。先頭はテツオー、岩田は手綱を抑え加減だが折り合いは大丈夫。3馬身ほど開いて2番手にボールドヒリュウ、やや馬が行きたがるところを赤木がなだめている感。ボールドのインにリッショウダイオーがこれはじっと、外からシャットアウトが絡みかけて。この3頭を直前に見て、ソレユケイチマツが絶好の5番手。この外に青山ピカピカ。直後インがホクセツジョージ、外にジョージサンキュウ。大山ローゼンエースを挟んで、やや差があって松浦高宏アラブイットウオーと木村ガバナマイウェーが後方。
1周目2番手ボールドヒリュウ
行きたがっているんだよな・・・
2周目に入っても先頭テツオーの快走に変わりはなく、問題は2番手以下の争い。向こう流し半ばで平松ソレユケ、馬を外に出して直前の赤木ボールドの外に併せに。三角を前に内リッショウ外シャットアウトは後退気味で、好位からスッと上昇気配はジョージサンキュウ、ホクセツジョージはこれと同時に仕掛けるも、反応が明らかに悪く、小林は手綱を押っつけ通し。アラブイットウオーが後方2番手から捲り上がる。
ということで2周目三角、手綱ガッチリのままで先頭テツオーがまずは駆け上がる。2馬身後方では内ボールドvs外ソレユケ。坂の手前で勝負に出た平松、ボールドをじわじわと交わしにかかる。ここは凌ぎつつ我慢といった感じの赤木、抜かせないながらもちょっと息を入れている模様。この2頭を追って、ジョージサンキュウが。インでもがくホクセツジョージ、外にはアラブイットウオーの姿。
そして最後の直線に。ここまで脚を溜めに溜めたクールテツオー、岩田の手綱一しごきと、両手に持った2本鞭一発で、ドンッ!と加速。後方を一気に突き放す。あれよあれよとばかりに差が開いたのが残り150mあたり。ここでテツオー、あまりに強い推進力を自ら制御しきれないのか、外にビョン!とヨれる。が、そんなことお構いなしに差を広げ、他馬とは地力が違いすぎるということを知らしめる、ブッチ切り圧勝、そして無敗の10連勝で一冠目GetのVゴール。岩田からはガッツポーズも出ない当然といった面持ちのゴールイン。2着との着差、9馬身。
テツオー、一冠目の楽勝のゴール
持ったままとはこのこと
その2着争いは熾烈。併走で三分三厘を回ったソレユケとボールド。若干ソレユケが前で最後の直線。ソレユケが馬場の四分どころを主張で内のボールドはそれよりインに。ぱっと見ソレユケがボールドを内に誘って押し込めたような。追い出しを我慢した感のあった赤木ボールドだが追ってからも存外伸びず、ソレユケを交わせない。さらに直線を向いて、ジョージサンキュウが内から外に切り替えて前に接近。ソレユケの外へ。残り100mあたりでソレユケがジリジリとボールドを競り落とし、2着獲り。ボールドはソレユケに3/4馬身遅れの3着。ジョージサンキュウは終い良く伸びたがボールドにクビ差及ばず4着。5着外追い込んだアラブイットウオー、ホクセツジョージは動けずの6着。
テツオー御一行様、口取り撮影に臨む
画像右端が渡邊幸生センセ〜
「勝って当然」と言わんばかりのクールテツオー。結局ウィニングランもせず、早々に下馬所に引き揚げてしまう。あたかもウィニングランは楠賞の舞台に取っておくといった感じ。
ある程度予想されたこととはいえ、テツオーの強さばかりが目立ったレース。戦前の馬のイライラぶりも何のその、すんなりハナ、後続を引き付けての余裕の溜め逃げ、勝負所でもたつくこともなく、終い追われると突き放して大差完勝。最後ヨれたのはご愛敬だが、現状では文句の付けようがない。
しかしながら大御所Okuさんと江戸平多さんの顔は渋い。Okuさんはどうもテツオーの気性難気味なところが気になるようで「これで楠賞2400行けるとはワシは思われへん。」とのこと。「しかし(テツオーを)負かせる馬がいるかどうかというのが・・・兵庫にも他地区にも。」というワシの言葉には「確かに。」との応え。江戸さんも「2着争いは白熱したいいレースだったんだけれど、テツオーと開きすぎてるよなぁ・・・」とのことで、遠征でお越しになった方にとっては、テツオーの走りは当惑させられるもののようだ。でありながら「こりゃ今年も姫山観に来なしゃーないかな・・・」というOku師匠発言も出たりして。
2着のソレユケイチマツは次位筆頭の座はガッチリといったところ。3番手にスッと控えて勝負所で確実に動ける機動力の高さが大きい。ゆったりと見せる馬格でもあり、楠賞に向けて、楽しみではある。「平松先に動いてどうするねん!」と、2周目三角坂下で大盛りさんの声が挙がったが、結果としてここでボールドの外に併せて、外からプレッシャーをかけ続けたことが功を奏したとも。直線重い内にボールドを押し込んで自分は馬場真ん中という、してやったりの2着か。
そして3着のボールドヒリュウ。赤木騎手が福姫のTV中継の勝利騎手インタビューで言及した通り、ゲートの出は随一。鞍上の指示にすんなり反応するレースセンスの良さは認めるが、どうもこの馬、気がいいというか、真面目というか、道中一所懸命走り過ぎてしまうきらいがある。個人的には期待馬で「○×勝つのはこの馬」と公言してはいるものの、こういった性格故、2400は正直しんどいのでは?というのがレース後の正直な見立て。長丁場に関しては、ボールドよりはソレユケの方が向くかなあという印象。とはいえ応援し続けることに変わりはないですが・・・「Go!三代目飛龍」。
4着のジョージサンキュウはレース運びの巧さが出たかと。しかしなからやはり1勝馬で2着3着が合わせて10回という、相手なりの好走するが勝てない馬ということか。
ホクセツジョージは最悪の結果。出遅れ→リカバーに一脚使って抑えて掛かる→勝負所で行き脚悪く押っつけ通し→終い全く動けず、という・・・加えて終始インベタで馬の出し入れも何もあったもんじゃない。差しの破壊力を大舞台でというファンの期待を完全に裏切った。当日不発の1枠で、出遅れ癖のある差し馬、鞍上には荷が重かったか?今後どうする?
リッショウダイオーは8着。前走は正攻法でテツオーに挑んだが今回は2着を取る競馬を太さんがするのでは?という予想もあり、実際インベタで死んだフリ状態で道中過ごしたものの、勝負所でパワー負け後退の感は否めず。
◆見物その1、11レース(古馬A1、1700m)
最終レースはアラブ系A1戦。オープン入り間近のクラス。距離は千七。ここでの注目は曾和厩舎の4歳馬スカイハイリー、目下5連勝中。ここも当然本命。鞍上は太さん。
さてレース、スカイハイリーは後方から。2周目向こう流しで徐々に進出して4コーナーでは外目射程圏内に、最後の直線では粘る永島ノースパワーを半ばで競り落としての余裕の6連勝目。好位差し得意の太さんの個性によく合った脚質、道中の上がり方など、ワシュウジョージに近い。これでオープン入りとなろうが、どこまで通用するか、楽しみである。
◆終わりに
1日の競馬が終わり、Okuさんと江戸さんは場内でお別れ、帰路へ。環さん、まーやんさん、まりおちゃんラテちゃんと歩いて園田駅まで。まーやんさんはとは駅でお別れで残った4人で駅前のがんこで軽く一杯。遅れてあいねすさうざーさんが合流し、楽しくやって散会。
アラブ3歳戦線の次の目標は、大一番全日本アラブ優駿楠賞、テツオーの無傷の進撃は続くのか?それより何より、テツオーに拮抗しうる実力馬が存在するのか?未だ現れぬ3歳素質馬、もしくは化ける馬探しが、向こう1ヶ月半の3歳馬ウォッチングのテーマとなりそうだ。つまりは、
「求む、テツオーストッパー!」
2001.4.29 記
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