第37回兵庫大賞典観戦報告
2001.5.1、園田、1870m
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はじめに
兵庫アラブ、春の古馬最強馬決定戦、兵庫大賞典。2400m(コース改修以前の'98年までは2300m)の長距離で施行され、まさに"園田の春天"として、レースの格式と権威を誇る、大一番――
というのは一昨年までのハナシ。サラ導入に伴い、アラブ系にて施行は最後と言われたのが昨年。この時専門紙の某記者も「間違いなく来年からはサラのレースになる」と豪語。この年1870mに距離が変更されて実施された理由は、「最後であるならば出走しやすい条件で。」ということだったらしい。
そして今年。年間予定の蓋を開けてみると「何やちゃんと今年もアラブやんけ!」。これはアラブな人間にとっては嬉しい限り。しかし施行距離は本来の二四には戻らず一八七のまま。「"園田の春天"はやっぱり長距離でなきゃアカンやろ・・・」というファンの声も少なからずあろうところだが、出走馬の多くが最も得意とし存分に能力を発揮できる一八七で行われるのは妥当である、という見方もあったりする。
ともあれ、今年もアラブ系にて施行される兵庫大賞典。出走メンバーは内枠より以下の10頭。()内は騎手と斤量。
タカライデン(赤木、56k)、サンバコール(尾林、55k)、マノノトップガン(小林、56k)、カズミサチフジ(永島、56k)、マキオリンボー(三野、55k)、ワシュウジョージ(小牧太、56k)、ハッコーディオス(岩田、56k)、ツバサキング(大山、56k)、トライバルサンダー(田中、53k)、シルクスピード(米田、55k)
斤量は馬齢定量のため、6歳のサンバコール、マキオリンボー、シルクスピードは55k、6歳牝馬のトライバルサンダーはさらに2k減の53k、他の馬は56k。
以上のように、ケイエスヨシゼンの不出走は誠に残念であるが(その理由の一つは後述)、それを除けば現在考え得る最高の出走メンバーと言ってよい。ヨシゼン以外の稼働している重賞ホースが全て登場してくれた。すなわち、サンバコール、トライバルサンダー、ワシュウジョージ、マノノトップガン、ハッコーディオス、タカライデン。まさに兵庫古馬最強馬決定戦に相応しい面々。「園田の古馬重賞でこれだけのメンバーが揃うのはこれが最後かも・・・」という声が聞かれる程である。
加えて、このレースが、来月27日福山にて行われる全国交流競走、タマツバキ記念全日本アラブ大賞典の、兵庫代表選出戦と位置づけられた模様で、注目度、レースの重みが更に上昇した。
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園田へ〜メインレースまで
我が国ではメーデーは祝日ではないので、当日はゴールデンウィークの休日の谷間の平日。フクパーク記念に続き、またもや無理矢理休暇をとって、午後から園田競馬場へ。今年の兵庫、重賞施行日が全て平日。せめてGWくらい、休日にやってくれよ、全く・・・
カレンダーでは平日とはいえ、それでもGW期間中、競馬場にはかなりのお客さんが。しかしこれでも少ない方だそうで、すっかり空いている競馬場にカラダが慣れてしまった自分を改めて実感。
まずスタンドの定位置にエチゼンさんを確認するが、それなりに入場者が多いので容易くは知り合いに会えなささそうな感じ。7レースのパドックで皆さんに合流予定のエチさんに声を掛けてもらい、これで皆さんに合流。リーダーと栃さん、日浦ちゃん。まりおちゃんにラティラーちゃん。実はラテちゃんとワシ、この日、リーダーが拵えてくれたアイロンプリントを張り付けた、「佳善」(おわかりですね!)Tシャツ着用なのだ。ラテちゃんは黒シャツに白(正しくは薄いグレー)ロゴ、ワシは白シャツに黒ロゴ。自意識過剰のきらいはあるが、これはかなり恥ずかしい。しかし開き直って。「恥ずかしい恥ずかしい」と言いつつ、皆さんに見せびらかす、年甲斐もなく無邪気なワシ。ということなのだが、肝心のヨシゼンが出走してくれないのでガッカリだったわけである。
天気は薄曇り。しかしながら動くと暑い。前々日に雨があり、どこまで回復するか気になった馬場状態であるが結局良。とはいえバッサバサの馬場ではなく、砂もそれほど深くはないと思われる。この翌日にサラの4歳統一GIII、兵庫チャンピオンシップがあり、JRA馬に泣きが入るよう、そして地元馬有利となるよう、ガンガンと砂を補充するかと邪推したのだが、どうやらそうでもないようだ。実際レース結果でも、インベタで逃げ馬が残っている。ということで、メインの大賞典、有利となるのはあの馬にあの馬、苦戦必至はあの馬・・・などと、レースの展開がアタマに想起される。
8レースはアラブ系A1戦。準オープンクラス。1700m。ここに、近走結果が出ずとうとうOP落ちしたスーパーチャレンジが登場。その他グリンエイシ、リジョウガバナー、スマイルフォーユー、サエノリーダーといったOPの経験がある馬や、ユタカブレーヴ、イズミクィーン(ご存じあのヒカサクィーンの全妹です)、タマノヒリュウなどの当クラスの常連に、上り馬ゴールドソアラーが出走。
レースはイズミクィーンがハナでスーパーチャレンジは差のない2番手。2周目坂下からスーパーが先頭、1番人気ゴールドソアラーが接近で直線はこの2頭の競り合い。結局スーパーチャレンジが終いもう一脚使って1/2馬身差をつけ1着。これは昨年9月7日、ゴールデンジョッキーカップのメインレース、チャンピオンジョッキー賞を的場文男騎手鞍上で制して以来の久々の勝利。園田屈指のGoodLookingホースの勝利に、まりおちゃんもラテちゃんも大喜び。「しまったな、写真撮っときゃよかった。」と、ちょっと後悔のワシ。
メイン前の9レースのパドックが終わったあたりで大賞典のパドック待ちに。このあたりでともちゃんが。そして山ちゃんが来園。善福寺さんも現れる。そして久々のアラブファン改め辻本くん。大西さんも間に合った。まーやんさんも来園している。
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寄り道〜前哨戦二鞍のことなど
ここで、4月中に行われた二つのS1戦、つまり大賞典の前哨戦について少し。4/6の方はVTR観戦だけなので非現場的記述になるがご容赦を。
■4/6、10R、フォレストステーション波賀特別、1870m(良)
ハッコーディオスがポンとハナに、2番手にマキオリンボー、タカライデンは3番手。マノノトップガンはこれを見る4番手でワシュウジョージは単騎中団7番手。サンバコールは例によって殿。スタンド前ではタカライデンは2番手に、マノノとヨシゼンがこれを前に見てマキオは後退。相変わらずディオスはスイスイ。
向こう流しに差し掛かり、サンバコールが捲り発進。程なくワシュウもスパート、これが向こう正面半ば前。三角坂の手前で2番手タカライデンの直後までワシュウが上昇、そしてその直後にバコールの姿。三分三厘タカライデンを交わし気味にワシュウが前へ、先頭のディオスを追い詰めて最後の直線へ。
しかしながらディオス、直線を向いて更に加速して突き放す。結局これが逃げ切り1着。ワシュウは届かず2着。タカライデンが四角からインで渋太く食い下がり3着。サンバコールは三分三厘で先団にまで取り付くも、ここから前の3頭が加速するとついていけずに離れた4着。マノノがバコールを終い追い詰め僅差5着。実はこのレース、ワシュウとディオスは初対決であった。
■4/18、8R、1700m(良)
トライバルサンダーが余裕でハナ、シルクスピードやスーパーチャレンジが突っついてくるのもお構いなしで溜め逃げ。
最後の直線3番手からシルクスピードが迫ったが、サンダーは慌てることなく詰められた分だけ加速して、着差は僅かだが完勝。重賞で勝ち負けは苦しかろうこのメンバーに入っては、まずは負けようがないし負けてもらっては困るといったところ。
2着シルクスピード。カズミサチフジは、ランダムオーク、サンユウラピート、アドミラルといった面々とともに、ヒモ人気の差し馬であり、向こう流しから上昇。しかしながら突き抜ける脚がなく6着敗退。斬れ脚に関しては現状ではランダムオーク、サンユウラピートあたりにも劣っているような・・・
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いよいよパドック、そして発走まで
ということで話題は再び現場に。9レースの発売が締め切られ、馬体重が発表。目についたのがハッコーディオスの-8k。「ちょっと減りすぎてませんか?気になるなあ・・・何かギリギリって感じしませんか?」とは日浦ちゃん。
というわけでパドックに出走馬が姿を現す。
1番タカライデン。ジンワリとした気合い乗り。周回を重ねるに従い活気が出てくるが、この馬にしてはうるさい方ではない。馬体重-4kの454k。450k台で馬体重がすっかり定着してきた。これまで3着以下がない超堅実派。しかし他方重賞一線級の中で走ると連入できない面も。今日も逃げるディオス、サンダー、差しのワシュウ、捲りのバコールらに対し、先行競馬でいかに互するかが注目。
2番サンバコール。頸でリズムを刻んでの周回。さほど活気はない。トモの送りはややバキバキしている。2年間の長期休養の前は、トモはもとより腹目まで筋肉がビッチリだったのだが現状ではさすがにそこまでは。向こう流し捲り一気の戦法をとるものと思われるが、前述の通り比較的軽い、逃げが残る今日の馬場、捲ったとしても前が止まらず捲り切れぬ危険性が高い。苦戦必至か。他方で逃げ馬どうしが気前良く行きすぎてハイペースになり、終い止まったところに急襲という見立てもあったり。ワシにはそうは思えぬが。
3番マノノトップガン。キビキビと周回。ちょっとトモの送りが浅いか。レースセンスはかなりのものなので、立ち回り方次第では馬券にも、といったところか。
4番カズミサチフジ。普通の周回だが1年前の好調時に比べたら活気はないか。踏み込みも浅め。3月に10ヶ月の休養から復帰し、これまで3走したが、休養入り前の追い込み脚の鋭さは戻っていない。前走から中1週、劇的に良化するとも考えにくい。
5番マキオリンボー。馬体重485kはこの馬の適正値、気配もこの馬なり。とはいえこの1年は良積なし。ここも苦戦か。白に桃色縁のパドックメンコ、牝馬じゃないんだから止めてほしい。
6番がワシュウジョージ。のっけからガンガンと闘志剥き出しになはらず、意外に静かな気合い乗りで、これは前々走の佐賀での周回気配に似る。周回を重ねるにつれ鶴首で気合いが乗ってくる。左前脚の送りがおかしいという声があがる。さていかに?前走ではハッコーディオスの逃げを捕まえ切れずに2着敗退したが、それは前哨戦でのこと。本番では、ましてや同じ相手に2度は負けぬ、といったところだろうか。なお、昨夏の休養から明けて以降出走した7戦では、一走毎に勝ったり負けたりを繰り返している。このローテーションからいくと、今日は勝つ番なのだが、果たして結果は?
そして7番がハッコーディオス。比較的大人しい周回。馬体重-8kということで、そう思って見るからか、ちょっと筋肉の張りが乏しくなっているような。「う〜ん、どうかなあ?」と日浦ちゃんも当惑気味。個人的にはこの馬、もっと絞れるとこれまでは思っており、絞ればビュッとしたシャープな体型になると見ていたのだが、どうもそうでもなかったようだ。コロンとした体型は元来のものということ。下手に体重が落ちると張りが失せて萎むようだ。しかし今日の馬場は願ったりだろう。よしんばサンダーが絡んできても徹底先行でハナは譲らず、あとはゴールまで気分良く保たせるだけか。新春賞の8着惨敗から立ち直り、以降ここまで4連勝。まさに上げ潮。
8番ツバサキング。現在のS1は家賃が高いらしく、苦戦続き。馬体、気配はこの馬なりに良さそう。肌艶も踏み込みも。
9番がトライバルサンダー。物見をしつつ、余裕の周回。前走のパドックでは気難しい面を見せていたが今日は機嫌良さそう。体表にパツキンの刺し毛が混じっているので肌艶の見た目が悪いのはいつものことだが、その中にあっても今日の身体の張りはかなり良さそう。「しかし牝馬には見えないよなあ。」と、善福寺さんも感心。今日は恐らく。ディオスとは競らずに、しかし離れず2番手ビッタリでプレッシャーを、然るべきところでディオスを潰してワシュウやバコールを封じる、というのが勝ちパターンになりそう。斤量53kはこの馬にとっては裸同然。これは有利なファクター。
10番がシルクスピード。馬体重524kで出走馬中最大。堂々と周回、いつも雄大に見せる馬であるのだが、ちょっとトモが力強さに欠け、ボリューム的にも弱いか。この馬もタカライデンのように堅実な先行馬。しかし一線級相手だとちょっと足りずといった感は否めぬところ。
本馬場入場。ワシュウジョージは例によって列から外れてそそくさと登場し、真っ先にキャンターへ、そして4コーナーの待機所へ直行。ハッコーディオスは遅れて、厩務員さんに曳かれて登場。ゴール板前までは歩を進めずに厩務員さんの手を離れ、キャンターへ。これもこのまま待機所へ。タカライデンは4コーナーまで歩いていってここから内ラチ沿いをじっくりとダク。トライバルサンダーはいつもの通り早めにキャンター。豪快に。サンバコールは比較的軽いキャンター。
さて予想。個人的見解をズバリ言えば「連軸で堅そうなのはワシュウ、応援したいのはサンバコール、タマツバキに行って欲しいのはディオスかサンダー」。馬場を考えればスピード逃げ一気のディオスとサンダーが有利でバコールはしんどそう、しかし何だかんだできっちり決めそうなワシュウといったところなのだが、スケベ心でバコール→サンダーなど買ったりして・・・
馬券はワシュウから断然売れているようで、ワシュウ→ディオスを裏返すだけでもかなり美味しい。日浦ちゃんはハッコーディオスからのようで。「馬体重気になるっすけどねえ・・・タマツバキ出て欲しいし・・・それにワシュウジョージって、あんまり・・・この馬連勝しないでしょう。そこが絶対的に強いってイメージなくって物足りないっすねえ。」。因みにディオス→ワシュウの一本勝負に出た"男"は某くんである。ともあれこのレース、展開や実力のレベル等々、実に検討のし甲斐のある競走である。
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決戦!
いよいよレース発走。距離1870m、2コーナーのスタート地点から1周と3/4。
ゲートオープン。抜群のダッシュで中から飛び出したのは岩田ハッコーディオス。外田中トライバルサンダーも好発。最内赤木タカライデンも二の脚強く前へ。他方尾林サンバコールは行き脚つかず、また小林マノノトップガンがやや立ち後れ。
初めの三角目指して、先頭はすんなりハッコーディオス、内でタカライデンが当初は2番手に付けるも次第に下げて外からサンダーが2番手。掛かり気味に大外から米田シルクスピードが3番手に上昇し、タカライデンはこの直後イン4番手に。ここまでが先団で、この後ろ間隔が開いて内マノノ外太ワシュウジョージが中団併走。
1周目の直線
先頭内ディオス外サンダー、画面右端緑帽がワシュウ
隊列は1周目の直線スタンド前に。この時点でかなり縦長。先頭はインハッコーディオス、この外1/2馬身差の2番手にサンダー、この二騎の折り合いはバッチリ。ディオスとサンダーそれぞれの直後に3番手タカライデン4番手シルクスピード、前に馬の壁があるだけこの2頭はやや掛かり気味。この3、4馬身後方に内マノノ外ワシュウの中団勢。ここからさらに離れて永島中カズミサチフジ内三野マキオリンボー外大山ツバサキングと後方追走勢がいて、殿がサンバコール。例によってバタバタした首の高いフォーム。
殿追走サンバコール
例によってダチョウのように首の高い巡航フォーム
1、2コーナーのコーナリングでワシュウとマノノが前との差を詰め、ここまでの6頭が一つの縦列に。そして向こう流し、スルスルとワシュウが発進。外から前へ。この頃最後方では二角を回り切ったサンバコールが捲り発進。しかしながらこの時点で先団は遙ぅ〜か前方。
一方先行集団は次第次第にペースアップ、まずはシルクスピードが脱落気味でマノノもこの隊列の後方で追走がやっと。そして三角坂下でディオスとサンダーが加速。ここでスッと反応できず手綱が動くタカライデン。結果外から上昇してきていたワシュウは、この時点でタカライデンより前に出てしまいポツン単騎3番手に。というわけで三分三厘、ワシュウの前を行くのはディオスとサンダーだけ、3馬身差を自力で追い上げにかかる。後方との差は開き、やはりこの3頭の勝負。四角では遂に、ディオスとサンダー併走の直後に取り付いてくる
。 そして最後の直線、追い出しに掛かるディオスとサンダー。内のディオスが先頭でサンダーは遅れること1馬身弱、そしてこの外からワシュウジョージが襲いかかる。しかしディオスが残り150mあたりでもうひと脚使って踏ん張りにかかり、頑強に抵抗。
さて、ゴール板前でカメラを構えるワシら、どうもディオスの粘り脚が良く、ワシュウの伸びは半信半疑。ということでカメラのファインダー、ピントはディオス。
ところが実際は直線に入り、ワシュウの豪脚に火が点いた模様。残り100を切ったあたりでサンダーをねじ伏せ、G前50mから30mにかけて、真骨頂の二段伸びでディオスをバッサリ。終いは太さん、手綱を緩めてのVゴール。
ということで、「ん!?ワシュウ来てるがな!」と気付いた時にはワシュウは既にディオスを抜き去りゴール入線直前。咄嗟にカメラをワシュウに向けるもピントは間に合わずまたもや失敗という・・・ワシュウに関しては昨秋のタマツバキでも同様の状況でピントを外し、今年の新春賞では外を追い込むバコールに合わせられず、今回またもや。
G前20m、内で粘るハッコーディオス
しかし既にワシュウが、そして→
ワシュウジョージ、ゴール、結構余裕
→こうなる。ピント間に合わず
2着は1馬身半差でハッコーディオス、3着1馬身差でサンダー。4着にはワシュウが発進して以降、先行集団の後ろにずっと食らいついてきていたマノノトップガンが4馬身差で入線。サンバコールは捲り上がるも4コーナーで先団後方のマノノのあたりまで来るのが精一杯で、マノノをアタマ差まで追い詰めるも5着。タカライデンは最後伸びを欠き6着と、戦績上初めて複勝圏を外した。7着はバコール同様追い込んだカズミサチフジ、8着先行するも力尽きたシルクスピード。後方ママのマキオリンボーとツバサキングがブービー&最下位。
太さん、ワシュウジョージをウィニングランに導き、再度スタンド前にやって来る。ニコニコ顔の太さんであった。
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まとめなど
ということで、1着はワシュウジョージ。「やっぱりワシュウなのかあ・・・」と栃さん。「まあ何だかんだで・・・でも三角から自力で止まらない前を捕まえに行って終いさらに伸びているあたりは評価しないとね。」とワシ。ともあれワシュウ自身の競馬としては会心だったと思う。道中自分で前に進出していって最後の直線逃げ馬を射程圏内に入れるとさらに豪脚、というパフォーマンスが、昨年の新春賞やタマツバキに続いてまたもや繰り広げられた。まあ園田一八七は特に強いということでもあるが。善福寺さんも「ワシュウジョージって、強いねえ。結果は何のひねりもない1、2着やけれど。」と、半ば呆れ半ば感心といったところか。これで5月27日のタマツバキへの園田代表はまたしてもワシュウ。このまま選出が決定すると、他地区開催の古馬交流レースへの、兵庫からの代表馬は4戦連続ワシュウ。いい加減他の馬の他場での走りも観たいという気が。
ハッコーディオスは惜しい2着。同型のサンダーと折り合いつつ勝負所で加速、終いも二の脚を繰り出して良く走っていると思う。ディオスとサンダーはお互いがお互いの存在を邪魔に思っていたであろうし、彼にとって、単騎逃げが叶う状況であれば、恐らくぶっちぎる作戦が取れようから、より勝つ確率は高かったろうが、そこで走るのがレース。ともあれ、4歳(旧表記)三冠シーズンを棒に振り、復帰直後は?なところもあったが、その力は紛れもなく全国区級ということが改めて知らしめられたのではないか。「しかしなあ勝って福山行って欲しかったっすよ。」という日浦ちゃんの恨み言が聞こえてきそうだ。
トライバルサンダーは3着。「最後は牡馬と牝馬の差が出た」などとまとめる声もあろうが、この馬に対して今さらその括りは失礼だろう。むしろ斤量3k差は有利だったはず。やはり地力的には1年前このレースを制した時の方があったのかなあ、と。
マノノトップガンの4着はこの馬のセンスの成せる業か。しかし勝負の趨勢に噛んでいない。
サンバコールは5着。まずもって、捲り発進した2周目二角の時点で、いくら何でも先団との差が開きすぎ、あれでは到底上昇して来られまい。そして案の定勝負所から前の馬が加速、この展開ではよしんば追いついてきたとしてもこれを抜くのは不可能に近い。やはりこのスピード馬場、時が味方しなかったか。
タカライデンは6着で初の複勝圏落ち。とはいえいつかは落ちようと個人的には思っていたので意外さはない。この馬、三角あたりで一旦行き脚が鈍ってそれから渋太く持ちこたえる競馬が常なのだが、前3頭が加速し続ける今日の流れ、挽回はならなかった。
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終わりに
ということで今日の競馬は終了。この後エチさん幹事のオフ会に参加し、楽しいひとときを過ごす。
「祭りの後」と言おうか。どんなに好メンバーが揃って、どんなに長い間その日を楽しみに待ちかねていて、どんなに素晴らしいレースだったとしても、いやそうであれば尚更、終わってしまえば呆気ないな、という想いが強く残る次第。
それにしても、これだけのスターを現在も擁し、厳しい、しかし観る側にとっては楽しい闘いが繰り広げ続けられているアラブ兵庫の競馬。にも拘わらず、それを正当に評価しようとはせず、その未来を摘まんとするその主催者。全く、○×に点けるクスリはない――
2001.5.15 記
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