第26回荒尾記念観戦報告
2001.9.15、荒尾、2000m
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はじめに〜荒尾へ
全国のアラブ3歳馬にとって、秋戦線の最大目標は全日本アラブグランプリ。9月に入り、ぼちぼちそれに向けて各地の情勢も動こうかといったところ。
今回の荒尾記念も、そういった情勢に絡む目玉重賞の一つ。昨年の九州競馬の立ち上がり以降、施行時期が初秋に移り、10月末の佐賀での九州アラブダービーを経て"全日本"へ、という、九州地区における秋の3歳戦線の流れの中に、より明確に位置づけられるようになった。
荒尾記念といえば個人的に思い出されるのは去年のこと。当初は、楠賞を制したコウザンハヤヒデの地元での走りを見届けようと、行く気満々でおったところ、皆さんご承知の通り、コウザンハヤヒデは荒尾記念を前に休養明け緒戦で故障発生、そのまま引退ということに。従って結局観戦はキャンセルに。昨年の荒尾記念は9月24日。この前日の23日には上山のかかしまつり賞を観戦したので、荒尾記念観戦を敢行していれば、山形→荒尾の連闘が実現したわけで、ネタ的にも「行っときゃよかった。」と、後になって思ったりしたわけ。シュメイヒーローの姿をこの時点で見届ける意義もあったろうし。
そして今年の荒尾記念。「よほど見るべきものがないのでなければ行ってもよかろう。」と思っていたところ、まずまず興味の沸くものとなってくれて、現場観戦決定。今年はこれまで荒尾に三度足を運んでおり、また前回アラブ大賞典デーにおいて、3歳上位馬を数頭チェックできたりして、荒尾の3歳勢に対しては、ワシ自身の関心も高まっている状況である。
というわけで九州へ。西明石7:00発のこだまで姫路へ。姫路7:40発のひかりレールスターに乗り換え博多まで。これが10:08着。速攻で博多駅前の一蘭に飛び込み、ラーメンを食って、10:47発荒尾行きの快速電車に乗車。
この日の西日本の天気予報は、大崩れこそないもののスッキリしないという、何とも中途半端なもの。実際通過した岡山から山口にかけては、車窓の外は相当な雨降り。九州に入るとほとんど雨は落ちていないものの、路面は濡れている。これが鹿児島本線を南下するに従い天候がどんどん好転、正午前に到着した荒尾ではもう陽が差さんとしている。
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そして荒尾競馬場
そして荒尾競馬場に到着。馬場に出るとその状態は何と良。雨なんてほとんど降ってないってことか。
ゴール板前のスタンドに腰掛ける、さまにべっぴんさんとまずはご挨拶。ワシよりやや遅れて到着したディープさんとも合流。場内には今日が荒尾初見参、夜行バスで関西から乗り込んだ3号馬さんの姿が。"九州の首領"Tienさんも合流する。競馬観戦の間、4人で談笑。そうしてスタンドに腰掛けているうちにも、天気は更に良化して、すっかり晴れの空模様となる。風があって、真夏の暑さよりはましとはいえ、荒尾の太陽にパワー全開で照りつけられると、9月中旬でも相当暑い。名物ラーメンを食って、それ以降暫くは、スタンド内のベンチに腰掛け涼みつつ、体力温存を図る。
※荒尾記念についてはここからです
さて、メインレースの荒尾記念。出走馬は内枠より以下の11頭。()内は騎手。
ツキノレンザン(尾林)、コウザンシンオー(西村)、スズノオリーブ(牧野)、トップパルーン(吉原)、シビノマルス(高山)、ニシケンシーザー(山下)、リベンジマン(笠田)、ヤシロガール(嶋崎)、ヨシノリンボー(吉田)、ダイメイノボル(吉留)、ユートスズラン(杉村)
斤量は定量。牝馬のスズノオリーブ、ヤシロガール、ユートスズランの3頭は55k、その他牡馬は56k。トップバルーンとニシケンシーザーの2頭が佐賀からの出張馬。
全日本アラブグランプリを目指しての九州3歳馬の目玉レースと冒頭に記したが、実際のところは、このレースがアラブグランプリへの九州代表馬の選考へ、直接の影響力を持つものではないようだ。レベル的に上位とみなされる佐賀所属馬の有力どころを迎えて、地元荒尾勢がこれにどこまで通用するか、そして今後にどれだけ望みを繋げられるかを見届けるのが、観戦の焦点となる。事実、佐賀からの2頭、トップバルーンとニシケンシーザーは、8月12日に佐賀3歳限定で行われた重賞サマーカップの、それぞれ3着と4着。つまりこの2頭の上に、勝ち馬のオーサカスズメをはじめとしてまだ数頭有力馬が存在するわけで、この2頭との対決は、荒尾陣営にとってはまさに試金石。
その迎え撃つ荒尾勢は、コウザンシンオーとシビノマルスの二強に、ズッシリと期待が掛かる。この2頭と、以下の荒尾勢との間には、格段の実力差があろうかと。素質を見込まれ大事に使われ、これまで10戦7勝2着3回と、完全連対中のコウザンシンオー。昨年末の重賞ヤングチャンピオンの勝者で6月の瀬戸内賞にも遠征した(4着)シビノマルス。両者の前走は荒尾記念ステップ競走のひまわり賞。この時は一旦は逃げたコウザンシンオーをシビノマルスが早々に交わして押し切り、シビノマルスに凱歌。これ両者の対戦成績はシンオー4勝でシビノ2勝。シビノの2勝はヤングチャンピオンとこのひまわり賞、意外とシビノマルスが勝負強い。
レベル総体はともかく、荒尾勢にとって不利なのは、ここまで長い距離を走った経験が皆無であるということ。「佐賀では3歳馬が出るレースでも1750mや1800mやりますけど、荒尾の3歳馬なんて距離は千五までしか走ったことないですからね。」とディープさんが言及する。これでいきなり距離二千の重賞に臨むというのはいかにもキツい。
このあたりを踏まえて、話題は荒尾勢の血統とそこから類推される長距離適性に及ぶ。「コウザンシンオーもシビノマルスも、二千でどうなんですか?ちょっと不安なような・・・」とは3号馬さん。「シンオーの父ミスタートミカワは自身長丁場は一息だったらしいけれど、代表産駒がニシノハクリュウやからまるで駄目でもないと思うよ。母父がアリラバットってのはいかにも長距離強いし。」とワシ。「血統だけ見たらシビノマルスは問題ないでしょ。父ミスターヨシゼンに母父シナノリンボーですよ。それに全兄のヨシゼントップとかも長いところ悪くないし。」とディープさん。「ホンマこの父と母父はなあ、むっちゃ重そうな感じやもんなあ。」とワシも応える。
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パドック、そして返し馬〜発走まで
さて、パドック。
1番ツキノレンザン。ツキノフレンドの半弟。父がナイスフレンドからホーエイヒロボーイに変わり、貧相な馬体の兄とは全く似ていない馬体重512kの大型馬。のんびりと周回。歩くペースが遅いので、前との間隔が開く。
2番がコウザンシンオー。実物を目にするのはこれが初。噂で「コウザンシンオーは顔がデカい。」と聞いていたのだが、馬格総体がコロンとした馬。腹袋が大きく、胴がやや詰まった感じ。想像以上にモッサリしている。これものんびりと周回。馬体の艶、張りは上々。歩様も悪くない。「コウザンシンオーって案外パッとしない馬なんですね。シビノマルスはモッさいって聞いていましたけれど、今日の見た目、シンオーの方がモッさいですよ。」とは3号馬さん。
3番スズノオリーブ。8月12日の3歳牝馬限定戦、荒尾クイーン特別の勝ち馬。キビキビとした歩み。毛艶も良い。
4番佐賀のトップバルーン。二人曳き。やや鶴首気味に周回するも、煩い感じではなくジンワリとした気合い乗りで好感。馬体の張りも見事で出来は良さそう。周回気配は11頭中これが一番か。
5番がシビノマルス。とにかく田舎臭いというかモッさいというか、好ルックスの馬ではないのだが、今日はそれほど酷評するような見た目ではない。毛艶は良好で、気合い乗りもこの馬なりに集中した感じのもの。ただ、馬体重が+11kという数字を見たからか、調教時計を出していないからか、馬体が気持ち緩いかも。
6番佐賀のニシケンシーザー。二人曳きでチャカチャカと煩い周回。「先行力は一枚上手だがややムラ気」という旨の短評が予想紙に載っているが、この気配、気性を見て納得。あまり脚が上がらない歩様。因みにトチノグレイスやスマノハピネス、佐賀時代のフクヨシオーと同様西久保厩舎の所属。ということでメンコはトレードマークの、目の縁が赤いいわゆる"Seven Pointed Star"。
7番リベンジマン。兵庫からの移籍馬だが彼の地では23戦1勝。ちょっとヒ腹が上がった体型。
8番牝馬ヤシロガール。馬体重378kの超軽量馬。馬体重の通り、いかにも細い、特に馬体の幅がない薄っぺらい体型。明るい栗毛の毛艶はまあまあ。
9番ヨシノリンボー。昨秋のヤングチャンピオンステップではコウザンシンオーを破って勝った経験も。8月11日に目撃した、6レースの3歳戦の勝者。この時は割とどっしりした印象があったのだが、今日は頭を上げチャカチャカと。この馬が一番煩い。毛艶も一息で案外。
10番ダイメイノボル。前走はひまわり賞をシビノ、シンオーに続く3着。しかしシンオーとは1秒8の大差遅れ。トモのボリュームが乏しい体型。その踏み込みもイマイチ。
11番牝馬ユートスズラン。こじんまりといおうかやや貧相といおうかという馬体。肩の出が硬い。
欲を言えば、この11頭に加え、トライバルセンプー産駒で、8月11日のB2級戦で3着になるまで5連勝した上昇馬、キヨノスピードの出走も期待したのだが、これは登場せずちょっと残念。
"荒尾の夢"その2、シビノマルス
「俺ってそんなにモッさいか?」
"荒尾の夢"その1、コウザンシンオー
「今年は俺が栄喜をオトコにしたる。」
本馬場に入場。佐賀の2頭は外ラチ沿いに曳かれて登場。地元勢は誘導馬を先頭に内ラチ沿いに一列になって。ニシケンシーザーは鞍上に手綱を抑えられ、グッと鶴首になったままのキャンターで通過。コウザンシンオーはそれほど強い返し馬ではないものの、明らかに気合いが乗ってきている。「本馬場に入場して、ようやく実力馬らしい気配になってきましたね。」と3号馬さん。それに同意のワシ。シビノマルスは割と楽走で、2周返し馬をする。馬体重増えてる分1周多くウォームアップするのか?などと邪推。
予想。佐賀勢よりは個人的には馴染みのある荒尾勢を応援したい私情から、ここはやはりコウザンシンオーとシビノマルスの2頭を本線に。佐賀の2頭は怖いが、逃げ馬が悉く残れていない今日のレース傾向から、ニシケンシーザーは切る。もう一方のトップバルーンへ流し、この三角買い。3号馬さんも荒尾二騎の馬券を中心としたようだ。ディープさんは、「買うのはシビノマルスと佐賀2頭。コウザンシンオーは買いません!」。オッズ的には、荒尾二強の組み合わせよりも、シンオーから佐賀2頭それぞれへの買い目の方が人気のよう。意外とシビノマルス−ニシケンシーザーの目の人気がない。
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レースなり
いよいよレース。距離2000mのスタート地点は二角を回って向こう正面を150m弱進んだあたり。ゴール前から見ると、ゴール板を挟んで真っ正面。なお、このレース、九州競馬の相方の佐賀はともかくとして、岩手でも場外発売をしており、そのせいか、実況アナの前説にも力が入り「九州アラブ3歳ナンバーワン決定戦」というフレーズが飛び出す。が、それを聴いてTienさん、「んなこたぁね〜だろ。せいぜいそのリハーサルってとこだよな。」と鋭く突っ込む。
ゲートオープン。ダントツに鋭発の馬は特にいない。前は数頭固まった感じで3コーナーを目指していくが、三角手前あたりで、大方の予想通りニシケンシーザーが先頭を奪う。これに連れて内から上昇するコウザンシンオーとスズノオリーブ。ニシケンシーザーの後ろに離れずついていく。シビノマルスやトップバルーンはこれらを前に見る先団、好位。
1周目の正面スタンド前。先頭はニシケンシーザー。この1馬身直後、内コウザンシンオー外スズノオリーブの2頭が併走でピッタリ。ここから2馬身程後方にシビノマルスが陣取り、シビノの半馬身くらい後方インにトップバルーン、シビノの直後外にヤシロガール。このインにツキノレンザン。シビノの真後ろあたりの中団にヨシノリンボー。ニシケンシーザーの逃げは後続を引きつけたもので、隊列は最後方までほぼ等間隔、差のない縦列。
1周目の正面スタンド前
先頭ニシケン、2番手内シンオー外スズノ、4番手外シビノマルス
レースは1、2コーナーから向こう正面へ。リプレイで確認できたのだが、このあたり、初の長丁場ということもあってかコウザンシンオーはやや掛かり気味。それに比して、先頭のニシケンシーザーの折り合いはバッチリ。
向こう正面、レースにそれほど劇的な動きはなく、三角手前でスズノオリーブがそろそろご苦労さんになろうかという程度。そして3コーナー。ここでシンオーwith西村が一度スパートにトライしたような。しかしこれは不発。と思ったところ、今度はニシケンシーザーが勝負を賭ける。三分三厘、グンと前に出てシンオー以下を突き放しにかかる。このあたり、これでニシケンとシンオーの間が4馬身くらいは開く。これで決まれば終いであるのだが、ここからコウザンシンオーが再度押し上げ、ニシケンの外目に急接近、馬体が合うかどうかという着差で4コーナーを回ってくる。後続からはトップバルーンが押し上げようと試みるも、ちょっと前には追いつけないといった感じか。シビノマルスの姿が、ない。
最後の直線。逃げるニシケンシーザー、外から追うコウザンシンオー。一見脚いろは2頭互角。1馬身から半馬身くらいの差のまま、しかし内外やや離れての勝負。構えるカメラのファインダー像、逆転の期待を込めて狙いを定めたシンオーの伸び脚は悪くないものの、ニシケンの踏ん張りが相当利いているらしく、抜けないシンオー。最後は観念してピントはニシケンに。見事半馬身のリードを守り切って、ニシケンシーザー、優勝のゴール。3着トップバルーン。2着のシンオーとは5馬身差。前2頭の勝負に割って入る局面は皆無。4着ダイメイノボル、5着ヨシノリンボー。
ゴール前、ニシケンシーザーがコウザンシンオーを押さえ込んでV
着差1/2馬身。しっかし逆光キツい
各馬のゴール入線が済んだ頃、ゴール手前100m弱のあたりで競走を中止した馬が1頭。程なく鞍上が下馬し、見ると故障発生の模様。これがシビノマルス。リプレイで見直すと、2周目の三分三厘から全く行き脚なく、四角を外にヨロヨロと逸走気味に回って失速している。どのタイミングで故障したのか?やがて馬運車がコースに現れ、シビノマルスを収容していった。ぱっと見相当の重症のよう。最悪の事態もあるか?非常に心配。
荒尾の期待を打ち砕くニシケンシーザーの勝利。もっと気性難でピーキーな感じの逃げを打つ馬と思っていたところ、非常に折り合いのついた溜め逃げであったので意外。いい勝ち方だったと思う。気の早い話だが、こういった生え抜きの馬が無事出世して、古馬になってA1級を張ってくれると、佐賀のオープンももっと盛り上がろう、と、期待を抱いた次第。敗れたコウザンシンオーは非常に惜しい。道中ちょっと掛かり気味になったあたり、やはり長丁場の経験不足が出た感じ。終いまでバテずにキッチリ走っているので、"次"を期待したい。
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ちょっと見物の最終10レース、球磨川カップ
この日の最終10レースは球磨川カップ。アラブA1A2のオープン戦、距離千五。ここに、シャインマンリー、オスズリキオー、トウホクシルバー、サンオーエルシド、アイアイホーマー、アシュラワン、トライバルスター、シナノイーグルという面々が出走。
個人的に注目なのはサンオーエルシド。充実の旧5歳時、一昨年の夏の出走を最後に兵庫から荒尾に転じ、当地緒戦は翌年つまり昨年の2月。移籍後2度の長期休養があり、これが荒尾7戦目。一昨年の播磨賞(ノースタイガー圧勝の時)以来目にする彼、一言でいって、ただデカいだけの馬。とにかく鈍重。勝負気配が感じられない。
予想のシルシもオッズは断然でシャインマンリー中心で、そこからサンオーエルシドへの組み合わせが高い人気。しかしサンオーのこの気配ではいかにも買えず、また、マンリーからの馬券は配当的に面白くない。というわけで、オスズリキオーから、トウホクシルバー、アシュラワン、アイアイホーマーに流す。根拠は、ない。このマークカードを塗っていると、横からTienさんが「同じようなこと考えてるなあ。」と仰る。Tienさんもオスズリキオー中心のよう。
レースは先団からシャインマンリーが余裕の抜け出しで押し切り勝ち。三分三厘以降、中団からいい差し脚を繰り出したトウホクシルバーが、マンリーの1馬身差まで迫って2着。3着これも追い込んだアシュラワン。期待のオスズリキオーは先行2番手も三角以降手応えがイマイチになり4着。サンオーエルシドは好位から一度は押し上げるも、いかにも息が保ちませんといった塩梅で5着。
ここでのシャインマンリーは貫禄が違う。ゴール前の手応えも着差以上に余裕あり。トウホクシルバーは追い込み一手、距離は長い方が絶対いいのだが、千五戦のここで2着に来られたのは上出来。意欲的に調教時計を出しているようで、好調さが出た結果か。オスズリキオーの4着に、「何だかなあ、どうせ負けるんだったら惨敗してくれりゃいいのに、半端に4着とかに来てるもんなぁ・・・」とTienさん。つまりはいつもソコソコ、突出しないけれど壊滅もしない、控えめなキャラなのね。サンオーエルシド、やっぱりあれじゃ走らんわな。
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帰路〜そしておわりに
ということで、この日の競馬は終了。帰路は福岡空港から飛行機を使う3号馬さん。Tienさんが空港までクルマで送ってくれるということでお二人とは競馬場の門前でお別れ。さまにさんとディープさんとワシは駅まで。17:11荒尾発の特急有明に乗車。これが博多18:03着。さまにさんは翌日から長大遠征、各地行脚を敢行するそうで、改札前でお別れ。ディープさんとワシは駅の地下の食品売場で夕飯を買い込む。ディープさんは先発ののぞみで帰路。ワシは18:58発のひかりレールスターで。無事住処に帰着。
「荒尾記念、特に荒尾陣営やファンにとっては、レース発走の直前が、夢と希望に溢れた一番幸せなひとときですね。まあ、その夢が醒めるケースの方が多いわけですが。」と、ディープさんが決戦前に語ったのを思い出す。「今年は佐賀勢に拮抗しうるのではないか。」という期待、そして勝利の夢。残念ながらそれは、今回は叶う夢ではなかった。が、その中にあって、まだ次に希望と夢を繋げようコウザンシンオーの走りではあったかと。ただシビノマルスの故障だけは残念、惜しい。夢との紙一重で、確実な挫折もあるということを思い知らされる。
正念場は、九州3歳戦線クライマックス、佐賀の九州アラブダービー。恐らく佐賀の有力どころはズラリ勢揃い。「勝って是が非でも福山、全日本AGP」が佐賀(の各馬)の夢であるとすれば、荒尾の夢はこんな感じか。「醒めても再び、見続けられる夢も、ある。」。
というわけで、夢を叶えて福山に来なさい!コウザンシンオーwith西村"エイキチ!"栄喜――(←最後に私情が思いっきり出たな。ご容赦のほどを)
2001.9.22 記
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