第13回西日本アラブ大賞典観戦報告
2003.3.2、佐賀、2400m
◆はじめに、そして出走馬について
3月初頭第一日曜日といえば、恒例の大一番、西日本アラブ大賞典。アラブ好きのワシにとってもすっかり年中行事と化し、これで4年連続の現地観戦となる。今年もその時季が巡ってきた。
出走馬は内枠より以下の12頭。()内は騎手、所属地区、性齢、斤量。
ヤマノキング(川野、佐賀、牡6、56k)、キングダイオー(鮫島、佐賀、牡6、56k)、ドリーミング(渡辺、福山、牝7、55k)、ミスターサックス(田中、兵庫、牡4、56k)、クールテツオー(赤木、兵庫、牡5、56k)、トチノグレイス(山下、佐賀、牡7、56k)、コウエイエンジェル(花本、高知、牝6、55k)、ミスターナタリー(北村、佐賀、牡6、56k)、モナクカバキチ(山口、佐賀、牡4、56k)、クールマックス(長田、佐賀、牡7、56k)、コウザンシンオー(西村、荒尾、牡5、56k)、ユキノホマレ(嬉、牡4、56k)
別定重量戦とのことだがその実は牡馬56k牝馬55k。牝馬はドリーミングとコウエイエンジェルの2頭。他地区馬6頭に地元馬6頭。
他地区馬6頭はいずれも各地のトップクラスの馬たちであり、ここに登場するに相応しい面々である。東から順にざっと。
兵庫からは今年も2頭。まずは5歳クールテツオー。昨年は地元古馬重賞全てに出走し、兵庫アラブ界を牽引した。3走前の園田金盃は得手とは言い難い2400mの長距離で4着、前々走の新春賞は60kの重斤が堪えたようで6着と敗退してしまったが、攻めの姿勢でここに登場。今回も距離の克服が課題となろう。いまや脚質は自在で、戦法も注目。前走1月28日のオープン戦では、直線鋭い末脚を見せて1着となった。
兵庫からのもう1頭は4歳ミスターサックス。全日本アラブグランプリを早め二位抜けで圧勝し、前々走の新春賞は2番手死守から終い差し馬の追撃を封じて勝利。元々素質馬だったが、昨秋来地力強化著しい。殊に最後の勝負強さは以前と見違えるもの。こちらは長丁場がマイナス材料とは考えにくい。先行してねじ伏せる競馬が身上。前走2月6日のオープン戦は距離千四もあって、ハッコーディオス逃げ切りの前に2着だったが、終いグッと伸びたあたり、末脚の強化を感じさせた。
今年は福山からも2頭参戦。まずは4歳ユキノホマレ。昨夏来の上り馬で、12月のアラブ王冠にて重賞初勝利。余勢を駆って、格上挑戦ながら正月の福山大賞典をも制してしまった。これが前々走で、「大賞典ホースが佐賀へ」の通例によってここに登場。前半中団追走から中盤以降一気に寄せ上がる、息の長い追い込み脚が武器で、「長距離上等!」の雰囲気をぷんぷんと漂わせる。前走福山マイラーズカップでは追い込み届かず3着も、マイルという距離と、本番前の走りという点を考慮すれば上々か。
福山のもう1頭は7歳牝馬ドリーミング。昨年の正月以来、出走機会をスキップしたのは2度だけ。この間20戦して4勝(うち同着1回)2着6回3着7回4着2回。掲示板を外したのはタマツバキ記念7着の一度きりという、堅実無比の"鉄の女"。主戦渡辺博文騎手の好判断もあって、時に先行時に差し、流れに合わせて確実に上位入線してくる。長距離戦の経験も豊富、福山大賞典は昨年2着今年3着の実績。前々走レディオBINGO賞ではユノワイサイドを競り落とし1着、前走前走福山マイラーズカップ2着。昨晩秋来、ルックスも出来もピークを維持している。
高知からはコウエイエンジェル。高崎デビュー、笠松オープンで長く活躍、そして昨秋高知へ。転入来4連勝で迎えた、元旦の高知市長賞南国王冠も制し、堂々高知筆頭に上り詰めた。笠松時代は差し馬だったのだが、高知ではすっかり逃げ馬となって、南国王冠の2400mも逃げ切り勝ち。ただ、この脚質転換は他馬との地力差が故と思われ、また、二四戦を制したとはいえ、本質的にはマイルから中距離得意のはず。今回この距離この相手で、いかに戦うかは注目。2月9日の千六オープン戦を勝って、連勝を6に伸ばして登場。
そして荒尾のコウザンシンオー。昨年圧倒的能力差をもって、メグミダイオーに代わって荒尾の筆頭に。荒尾ファンの大いなる期待のもと、前々走の九州アラブチャンピオンに臨むも、追い込み届かず3着。中1週で使った前走荒尾銀盃もよもやの3着に敗れた。他地区馬との能力差と、レース前半ペースに乗れない近況に、不安が露呈してしまった感大なる中での挑戦となる。かくなる上はこの逆境をバネに、また人気が落ちようことでの気楽さを逆手に取って、無欲の一発を狙いたいところ。
迎え撃つ地元佐賀勢では、前走九州アラブチャンピオンを制し、悲願の重賞初勝利を飾った素質馬キングダイオーが筆頭か。バック捲り一発が得意手な馬が、その前走では好位差し競馬を披露。二四戦は今回初挑戦ながら、陣営は長丁場に自信を抱いているよう。途中ペースアップでの追い比べは望むところであろうので、その脚が他地区の強豪にどこまで通じるか、興味深いところである。
ヤマノキングは前々走九州アラチャン4着で前走オープンの池田湖特別2着。元来は短距離の逃げ馬だが、距離二千くらいまでならば、渋太く最後まで食い下がれるようになった。激しい気性を粘り腰に転化し得る、いそうでいないキャラ。今回の二四戦は明らかに長いが、無欲の逃げに徹するのみ。
ミスターナタリーは昨年の同レース5着で地元最先着。長く佐賀オープン主力の一角を形成しているが、昨年末以来やや不振。前々走九州アラチャン6着に前走池田湖特別5着。早めに動くと良さが出ない、しかしながらスパートしても鋭い脚が持続しない、ちょっと難しい追い込み馬。長丁場は歓迎のクチ。
トチノグレイスも追い込み馬。5月の古馬重賞九州アラブ王冠賞を3連覇しているが、この馬、ホンマにこのレースの時季にしか好走しない。昨年末約4ヶ月の休養を明けて3走目だった前走九州アラチャンも7着止まり。因みに前々年の同レース6着で、2年ぶりに当レース出走。
残る2頭は共に年明け以降当地にやって来た新顔。まずは福山より移籍の4歳馬モナクカバキチ。昨年6月の銀杯の勝ち馬で、年末のアラブ王冠はユキノホマレの1馬身差で2着。当初から素質馬と評判高かった馬。しかしながら、引っ掛かる、ソラ使う、揉まれ弱い、と、なかなか厄介な馬で、おさるさんをして「三重苦のヘレン・ケラーじゃん。」と言わしむるほど。当地緒戦は前走池田湖特別で、バック捲り敢行するも四角前に脚が上がって4着。
もう1頭はクールマックス。兵庫デビューで笠松に転じ、ここで長くオープンを走っていた馬。一昨年末の準重賞銀嶺争覇を人気薄で勝ったのが最大の戦績。差しプロパーだが、笠松時代の最後期は良積に欠けた。当地緒戦の前走池田湖特別は、前半殿から僅かに追い上げ6着まで。
なお、昨年一昨年の覇者ワシュウジョージは、参戦の意志はあったようだが、この1年良積なく補欠待遇にとどまり、結局出走断念となった。4年連続出走、そして3連覇の夢は呆気なく絶たれた。が、能力の衰えは明らかな現状、彼らしくない姿を佐賀の観衆に見せずに済んで、むしろ良かったのかも、と思う。
このレースについて言及する際、まずもって不満として挙がるのが、全国交流でなく兵庫以西交流で、上山はともかく東海・北陸地区もオミットされるという点と、どんなにレベルがソコソコであっても、佐賀の主催者が地元枠6頭以上を頑なに譲らぬこと。ではあるのだが、今年に関しては、名古屋マリンレオや金沢スーパーベルガーは確かに参戦して欲しいところだが、その不在を補い得る豪華メンバーだと思われ、また佐賀6頭とはいえ、うち2頭は、前記の通りつい最近まで他地区所属だった、まさに「隠れ他地区馬」の如き存在で、これも気にならない。
ただし、今年の大いなる不満はその賞金額。一昨年までは1着賞金1000万円で、アラブ古馬広域交流戦に相応しいものだったのだが、昨年の700万円を経て、今年は500万円にまで落ちた。かつての半額である。このあたり、佐賀の主催者の、アラブへの入れ込み様の弱化が窺われて、いい気がしない。そして何より、これだけの面々が競う大一番の賞金としては、失礼なほどに低かろう。兵庫・福山勢にとっては、地元重賞の額と大差ないわけで、これでは出走意欲や覇気が沸かぬのではと危惧されるほど。それでも集ってくれた各地の強豪に、ファンとしては、まずは感謝したい。
◆当日の状況〜メインレースまで
九州の重賞であれ、日帰りで済ませてしまうのがワシの常なのだが、このレースだけは特別で、毎年前日から九州入りして1泊する。今回も然り。前日は荒尾競馬を観戦して、当日朝、博多からJRで鳥栖まで行って、ここから路線バスで競馬場へ。現地到着は10時半頃。
前日は晩まで雨が残ったが、当日はすっかりそれも上がって晴天となった。非常に暖かいポカポカ陽気で、午前中は日向となるスタンドに腰掛けていると、冬の装いでは汗ばむほど。午後になって若干雲が広がったが、それでも充分過ごしやすく、助かった。それにしても2月以降、週末になると天気が下り坂という予報が続いた中、毎日曜現地観戦に出掛ける度、ギリギリ回復してくれるこの幸運。「ホンマに雨雲が避けてくれるわ。ワシ、気圧高いんとちゃうやろか?」と思わず口にするワシ。「ほなワシは絶対気圧低いんやわ。」と返すのは、今年に入って競馬観戦する度に(園田新春賞に福山の高知・荒尾・福山交流特別)雨に祟られるまりおさん。「何を山下達郎みたいなこと(♪高気圧ガァ〜ル♪)言っとるねん!」と低音で突っ込むのは環さん。
荒尾で観た、佐賀のメインレースの中継に映った前日の佐賀の馬場は、水が浮きまくりの泥田馬場。が、当日のコースは、状態不良で始まったものの、既に路面に浮いた水は退いていた。そしてこの好天のもと、どんどん良化して、第6競走からは発表は重に。
締まって軽めの馬場が故か、前半戦は明らかに逃げ有利の傾向、殊に序盤戦は行った行ったでの決着が連発。が、午後になって差し馬が連入し始める。そして第7競走では、好位から終い外を差した2頭が、三角ではリードのあった逃げ2頭をゴール前交わして、差し差し決着となった。メインレースでは、脚質と馬場が、勝負の言い訳にはらなぬ予感。
準メインの第8競走は、アラブA3B1B2級、つまり今開催では準オープンの一戦、五ヶ瀬川特別。距離1800m。勝ったのは近走5連勝中の4歳ホーエイホームラン。2番手から直線すんなり抜け出して、本命人気に応えた。この馬、昨年3歳世代の上位だったが、夏から初秋を6開催休養して、九州アラブダービーに登場しなかった。ホーエイヒロボーイ産駒らしい、496kのどっしりした大型馬。2着には人気薄の4歳牝馬マルフジジッコウが逃げ粘った。因みにこの馬、昨年の九州弥生賞2着馬。3着は昨年の九州アラブダービー4着のヤタノルーキー、明け4歳馬が上位を占めた。なお、昨年の西日本アラブ大賞典に出走して6着だったあのユートエクセランが、11ヶ月の休養明けで登場。これは道中先団3番手追走も、終いまで保たず6着であった。
第8競走とメインレースとの間に、荒尾競馬のメインレースの場外発売が挟まるので、この間1時間15分の余裕がある。おかげで、第8レースを観終えてから、装鞍所の様子も観察出来、また、パドックタイムも充分なものだった。
眺める装鞍所の模様。コウザンシンオーは九州アラチャン時と同様、終始馬房前の広場で佇んでいた。ユキノホマレも同様で、馬房には入らず、ずっと外で過ごした。他の招待馬、ドリーミング、テツオー、サックス、コウエイは、地元勢に先んじ早々に馬房に入っていた。そして鞍付けが済むと、ドリーミングやトチノグレイス、シンオーやユキノホマレは、曳かれて広場を回されていた。
やがて馬体重発表。これが目にしたお客さんを一様に「何!?」と思わせるに充分なシロモノ。すなわち目方の変動が、激し過ぎるのだ。コウエイエンジェルの-18kを筆頭に、テツオーは-12kだわサックスは-11kだわドリーミングは-10kだわと、他地区馬は軒並み二桁減。地元馬でもヤマノキング-10kにキングダイオー-6kである。個人的にアタマを抱えてしまったのは、ユキノホマレの-17k。今回期待がホンマに大きくて、中心視していただけに「がびーん!」となった。501kは最近の彼としても軽過ぎる。「福山(の陣営)は輸送が下手だわ。」と、福山在住おさるさんも駄目出し。実のところ、前週荒尾の九州アラブ栄冠に出走した、ホワイトキャンプとマルサも、それぞれ-11kと-12kで荒尾入りしており、そう指摘されても否定できぬところ。とまあ、出走する実物が登場する前から、波乱含みのレースとなった。
◆パドックから発走まで
そしてパドックに出走馬が登場する。ここで栃さんが駆けつけ合流。開口一番、「いやあ有り難いことにムスコが2頭も出てくれるからね(何と言っても栃さん=栃乃峰富士ですから。あの名馬トチノミネフジが、急逝のためただ一世代しか残し得なかった産駒、うちトチノグレイスとクールマックスがここに。彼らも早7歳、時は経つものです)。勿論充分観るに足る好メンバーだけどね。」と。WSさんも「長距離重賞観戦シリーズ」の一環として、栃さんと一緒にお越し。
1番ヤマノキング。首を内側にひん曲げて闘志を剥き出しにするのはいつものこと。毛艶はピカピカ。歩様もキビキビとしていて、文句なし。馬体重-10kだが特段細くなった感じはしなかった。
2番キングダイオー。外目をキビキビと周回している。気合いをグッと抑制された風情も好感。毛艶も上々。馬体重493kで-6kの値通り、ヒ腹からトモにかけて、かなりスカッとした感じ。500k台半ばを越えると馬体にキレがなくなって走りも重いので、目方増えるよりはこの方がましだろう。「うおーカッコエエ!惚れるぅ。」とはまりおさん。
3番ドリーミング。しげしげ見ると毛並みは地元戦に比していささか劣ろうが、それでも毛艶はピカピカで、他馬に何ら見劣りするものではない。内々をとぼとぼと歩いて、さほど歩幅が出ないのも地元戦と同じ。ただ、馬体重-10kの値通り、幾分ヒ腹は上がり気味。「ドリーミングは細い。」と、ディープさんも言及。「でもやっぱりカッコいい。さすがドリーミング姉さん!」とは、ドリーミング信者のニーナさん。
4番ミスターサックス。大外を悠々周回。大股なのはこの馬の常。毛艶も文句ない。馬体重-11kで523kだが、この馬に関しては、530k超の、輪郭がやや膨らんだ感じの地元戦でのフォルムよりは、今回や全日本AGP時のように輸送で減った時の方が、胴回りがスッとシャープになって、個人的には好み。スッキリ絞れていい感じ。いかにも一見さんの目を惹こうルックスである。
5番クールテツオー。馬体重-12kで448kだが、これくらいの目方でも昨年好走している。輸送でカイ食いが若干落ちようとは想像されたこと。毛艶はピカピカ。腹袋からヒ腹はかなりスカッとなっている。鶴首気味になって、ちょっとテンション上がっている。トモの送りが浅く、飛節から下がグッと踏み込まないのはこの馬なり。因みに頭絡はメンコの外。前走に続いて、どうやら素顔でレースを走る模様。
6番トチノグレイス。冴えない時はとことん冴えないルックスだが、今日は前走アラチャン時以上に毛艶もよく、439kの目方以上に大きく見せる。カッコいいと思う。歩様も柔らかいし、良化具合は充分窺われる。
7番コウエイエンジェル。冬毛が出て冴えない毛艶だが、南国王冠時もこうだった。-18kの馬体重減だが、見た目にそれは感じられない。ガシッとした体型はむしろ馬体を大きく見せる。これは南国王冠時と同印象。トモの送りが硬くて浅いのは笠松時代と同様。肩の捌きも硬い。悠々と周回している。
8番ミスターナタリー。毛艶はいつ見てもいいし、ガッシリして直線的な堂々たる馬体。歩様も直線的でガシガシ硬い。最近では1年前のように、ギラギラと悍性を迸らせて、三白眼になることもなくなった。それがいいのか悪いのかは判らぬけれど。
9番モナクカバキチ。佐賀で実物目にするのは今回初だが(前走池田湖特別は荒尾のモニターにて観戦)、佐賀と福山のパドックの違いからか、意外にもカッチリしたルックスである。トモの送りも深い。首をグッと下げて、やはり気性は激しいよう。毛艶が平凡なのは以前と同様。前走時は特大のシャドーロールを着用していたが、今日は小さい赤シャドーロール。
10番クールマックス。パンパンに張り詰めた、しかし無駄肉を全く感じさせない胴体で、毛艶も素晴らしい。見た目だけならかなり上位。大人しく周回している。歩様はちょっと弱いか。
11番コウザンシンオー。毛艶はソコソコだがこの馬は常時こんなもの。馬体張りやボリューム感もまずまず。しっかり踏み込んでいて、歩様もじんわりと。のんびり回っている。総じて、前走荒尾銀盃よりはまし、前々走九州アラチャン時に至るかどうか?といったところ。が、"小倉のushiken"さんは「九州アラチャンの出来には全然及ばないでしょう。調子落ちなんじゃないか?応援したいけど。」と。
12番ユキノホマレ。栗毛の艶は上々で、皮膚の薄さはよく判るのだが、如何せん馬体重-17k。他馬以上にこの値が見た目に出て、ヒ腹からトモのかけてのボリュームが確実に失せてしまっている。前々走大賞典と前走マイラーズC時の馬体が素晴らしかっただけに、余計にその印象が強い。「あーあ、こりゃ腹上がってるな。」と、一見して栃さんが漏らす。この後半身の力感減少が故か、トモの送りも近走になく弱くて浅い。何とも・・・
ドリーミング、本馬場入場
出撃、「鉄の女」
本馬場入場から返し馬。ヤマノキングとクールテツオー、コウエイエンジェルは入場口から一角方向へ直行。ユキノホマレは最後に登場して、この時暫し膠着する。テツオーはそのまま4コーナーの待機所に直行で、唯1頭ホームを流さず。ヤマノキングはコースを回って真っ先にホームへやって来て、フワッと楽走で流して行く。コウエイエンジェルはごく軽くサッと通過。トチノグレイスは馬場外目を、ダクとキャンターの中間のような走法で。ミスターサックスは強め、実に豪快かつパワフルに。「あんなに走って大丈夫か?」の声が挙がったほど。シンオーは大きなフットワークで強く、この馬のキャンターはいつも見栄えする。キングダイオーは鞍上鮫ちゃんが手綱を抑え加減ながらも、口を割って強く駆ける。ドリーミングがシャープに強め、これは地元戦時とほぼ同じ。ミスターナタリーは外目を、スピードは緩いが首を突き出して。ユキノホマレはやや強め、走る見た目は貧弱ではない。クールマックスは前駆を掻き込みクロールで泳ぐようなキャンター、しかし脱糞しつつ。最後にモナクカバキチが、比較的楽走なのだが妙にフワフワと、上に跳ねるような走法で。
ミスターサックス、返し馬 好印象だったのだが・・・ |
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キングダイオー、返し馬 漢字で書くと「王大王」 |
予想。広域交流の大一番になると、目移りしてしまい、どうしてもあれこればらばらと点数多く買ってしまいがちなワシなのだが、今回はそれをグッとこらえて、極力頭数を絞るよう心がける。抜擢したのはサックス、ドリーミング、ユキノ。テツオーは距離不安から当初買うつもりはなかったのだが、ユキノの減った馬体を前に、「これが不発ならば連入の目も。」と思い、軽く加える。結果4頭ボックス買いとなった。キングダイオーの脚力は気になるが、ワシはこの馬の長距離適性にやや懐疑的なので、腹を括って切った。シンオーも頑張って欲しいところだが、道中あまりに動けていない近況から、ここでは手が出ない。
「ユキノホマレなんて、岡崎鞍上ならともかく、嬉じゃ買えない(これは騎手の巧拙と言うよりはキャラの問題、逃げ・先行騎手の嬉jkとこの馬のコンビはピンとこぬということ)。」とは、従来よりこの馬の強さに疑問を呈する"同志"ディープさん。ユキノに関しては、当日の馬体重減の前に、相当数の方が、買い目から外すもしくは減らすよう方針転換していた。
根強い「兵庫信仰」があってか、オッズはサックスとテツオーにかなり被っている。他方ドリーミングの人気が意外なほど上がっていない。「複勝でもかなりついとるで。」とOku師匠も言及。この高オッズもあって、ワシもドリーミング連入に期待大。
さらにワシは無茶馬券で、かなりお気に入りのヤマノキングから、馬複総流しなどしようと思ったり。が、「(代打騎乗で今回2度目となる)川野は逃げたがらない騎手だからヤマノキングにはなあ・・・」との、"小倉のushiken"さんの御指摘の前に、これはやめた。つもりだったのだが・・・窓口で馬券購入した際「思った以上に金額高いな?」と訝しんでスタンドに戻ったところ、この総流し馬券、持ってるじゃん!「ゲッ!間違えた!」と思わず口にしてしまったので、ここで「いくら何でもそれはないだろう。」とOku師匠らから突っ込み受ける。"九州御大"Tienさんすら、苦笑いで見てらした。
◆そしてレースなり
いよいよレース。距離2400mの発走地点は4コーナーを回って直線に出たところ、1300mのそれと同じ。ここから馬場をまる2周。スタンド前を3度通過する。
ゲートが開く。大方の予想通り、最内からヤマノキングが出てハナを主張。それが叶って先頭に立つ。クールテツオーの出もいい、ヤマノと遜色ない序盤の行き脚。ここに外からコウエイエンジェルが追い付いて、1コーナーまでにはテツオーを抜いて、ヤマノの外2番手に。テツオーはすんなり3番手。テツオーの直後内に、キングダイオーも先団。外にドリーミングが併走。ミスターサックスは、まずはこの2頭を前に見る好位から。
最初の正面スタンド前、先行各馬
先頭ヤマノ、2番手テツオーは素顔、外にコウエイ
1周目の向こう正面。ヤマノとコウエイが先頭2番手。テツオーはスッと抑えて前2頭とは距離を取って離れる。差なくキングダイオーが内で4番手キープ。サックス、ドリーミング、カバキチ、ナタリーと、このあたりまで好位。ここでちょっと切れて、以下中団から後方。ユキノ、クールマックス、シンオー、グレイスの順。
そして2度目の正面スタンド前。先頭変わらずヤマノキング。後続を5馬身くらいは引き離しての単騎逃げ。2番手にコウエイエンジェル。この直後インにキングダイオー、今日は完全に前々の競馬をする模様。テツオーは2頭を前に見る位置まで下げた。ここで2、3馬身ほど隊列が切れて、ミスターサックスは変わらず5番手。1馬身強下がった外目にドリーミングがいて、この外にモナクカバキチが併せる。カバキチがフラフラしているようで、両頭どうやらバチバチ接触している。程なく2頭位置を上げてサックスと同列になる。ドリーミングは内外挟まれて、非常にタイトなポジション。直後インにミスターナタリー。ややあって、ユキノホマレは外目8番手、後半勝負の自分の競馬。この内がクールマックスで、ケツ二がトチノグレイス。コウザンシンオーは何とドンケツ。
2周目の正面スタンド前、好位勢
画像左端が5番手サックス、続いてドリーミング、外にカバキチ
ゴール板前までは比較的縦長な隊形だったところ、1コーナーが近づくにつれ、好位より前の前後間隔が、スッと詰まってくる。
そして1、2コーナー半ば過ぎ、早々にレースが動く。コウエイエンジェルがズルズル後退し始めたところ、ミスターサックスがドッと前に押し上がってくる。二角直前、フロントでは折しもヤマノキングの逃げ脚が鈍り、クールテツオーがこれを捉えて先頭に立ちかけたところ。この外にサックスがズンと並び掛ける。個別に加速した両者だったが、こうなるとお互い退くに退けない。結果兵庫2頭が併せ馬となって、迎えた向こう正面を突っ走り出す。「やっぱり兵庫2頭で決まるのか!?」との声も、スタンドから挙がった場面。
というわけで、2度目のバックストレッチ、内テツオー外サックスが譲らず、ペースは一気に跳ね上がる。しかし他馬も負けていない。先団キープで進めたキングダイオーが、離されまいと2頭に食らい付いていく。これも加速感ありあり。モナクカバキチも鞍上山口勲jkに押されて、グングン位置を上げてダイオーを追う。ダイオーもカバキチも、それ1頭の脚としては、必殺のバック大捲り。能力振り絞って兵庫2頭に付いていく。レースは激流と化した。
「さてどうなる?」と思いつつ、見つめる向こう正面半ば、ここで後方から、桁違いの脚いろで大外を駆け上がる馬が1頭。ユキノホマレ!!ドリーミングにカバキチ、ダイオー、これらを内に見つつ、並ぶ間もなく置き去って行く。「何じゃあ!あの脚は!」ワシも思い、その圧倒的な様に場内が騒然としてくるところ、勢いは全く衰えることなく、あれよあれよという間に、3コーナーでは前のテツオー・サックスに追い付いて、三分三厘早々に、完璧に交わし切って、単騎先頭に立った模様(ゴール前からは、三分三厘は馬場内オッズ表示盤に隠れて見えず、肉眼で視認不可能なため、こういう言い回しをする次第)。
ということで、最後の直線。ブッチギリの独走で、ユキノホマレがやって来る。残り50くらいまでは、嬉騎手は油断なく手綱をしごいて追っていたが、終いはそれも緩めて楽走となって、優勝のゴールに飛び込んだ。「何ぁーんであんなに目方減ってガレた馬体で、こんな凄い競馬出来るねん!信じれん。」ただただ驚愕の想い。
ユキノホマレ、独走でゴールへ
既に楽走態勢。栗毛の巨躯が西日に光る
さて2着争い。ユキノホマレは時に置いておいて。キングダイオーが三角までに、テツオー・サックスに急接近。他方カバキチは、三角前で勢いが失せた。渋いのがドリーミング。1、2コーナーからバック半ばまでは、圏内で追走しつつも、ちょっと様子見で脚を溜めていた感じ。これが三角手前、スッと始動する。
四角手前、兵庫どうしの競り合いを制したのはクールテツオー。サックスはユキノに交わされる寸前に一瞬先頭だったらしいが、テツオーに競り負け伸び脚欠いて、ここで万事休す。
このあたり、内でキングダイオーがずっと食い下がっていて、テツオーと差なく四角を回って最後の直線へ。内ダイオー外テツオーというところ、ようやくドリーミングがやって来る。これがテツオーの外に併せて、3頭での2着争い。
が、残り100を切って、悲しいかなやはり距離の壁か、テツオーがぱたと止まってまず脱落。最後はキングダイオーとドリーミングが、内外離れての勝負。追う側の強みで、直線半ばまではドリーミングの方が勢い優ったような。「おおっ、こりゃ福山ワンツーか!?」とOku師匠らも口にする。が、最後は両者脚いろ一緒になって、結果キングダイオーがしのぎ切って2着死守。ユキノホマレからは5馬身差。3/4馬身差でドリーミング3着。
クールテツオーは2馬身遅れて4着。ミスターサックスは直線止まったテツオーとの差を再度詰めるも半馬身及ばず、結局5着にとどまった。
以下はリアルタイムでの記憶は皆無なのだが。6着5馬身遅れてミスターナタリー。中盤勝負に出た馬たちの後ろで好位ママの体裁。コウザンシンオーは四角ケツ二から追い込むも、ナタリーにクビ差及ばず7着。8着ちょっと追い上げたトチノグレイス、1馬身半差。クールマックスは後方ママで3馬身差9着。モナクカバキチは四角以降追い込み勢に食われて、結局10着にまで落ちた、前とは1馬身差。8馬身差のブービーは後半漸次後退ヤマノキング2周目二角前で早々に遅れたコウエイエンジェルが、大差5秒4遅れた最下位。前半逃げた2頭が結局下の着順となった。
◆レース終わって
そして最終レースの本馬場入場後に、ウィナで表彰式。勝利騎手インタビューでの、嬉騎手とインタビュアーのお姉さんとのやり取りは、だいたい以下の通り。
−今のお気持ちは?
「何度も(このレースに)挑戦しているが、やっと勝てて嬉しい。」
−レース前はどのようなことを思って臨んだか?
「後ろから行く馬なので、馬場が軽くて(前を走る馬に)届くかどうかとは思ったが。」
「ミスターサックスを目標にレースを進めた。」
−どの時点で勝てると思ったか?
「思ったよりサックスの手応えがなくて、取り付いたところで勝ったと思った。」
「ゴール前は余裕。」
という具合に、何だか自信満々な発言連発。嬉騎手の天然キャラが出ているなあ。
この競馬場の常で、今回も口取り撮影はお客さんの前ではやらず、関係者エリアにて。これ、ホンマにつまらない。が、いつもファンサービス最高!の、担当厩務員さんが、我々を目にして、スタンドとあちらを遮る樹木の切れ目から、こちらにユキノを向けて、ポーズをつけて下さった。感謝!なのだが、ワシはここでモタモタして結局シャッター切れなかった、グスン。
リーダーやおさるさんらが、確実に馬券Getの一方で、ワシは丸負け。それも、意識して切ったキングダイオーに2着されるわ、期待のドリーミングが3着惜敗だわで、非常に悔いの残る負け方だった。レースのクオリティは抜群であるのに、馬券がこういった形で外れると、ホンマにアンビバレントな心境になる。ワシのみならず「ユキノホマレ何で嬉でも勝てるんや。くそーっ!」のディープさんや、「アカンタテ目しか持ってない〜!」の環ちゃん、「ドリーミング姉さん流し」の勝負だったニーナちゃんら、微妙に外している同志が相当数。ということで、「馬券の当たらぬアラブな現場主義者たちに、合掌。」チーン!
◆総括など、そしておしまい
馬券のメゲ話はいい加減打ち切って、総括を。このレース、古馬広域交流の大一番に相応しい、頗る付きのエキサイティングなものだったと思う。いささか時代遅れとなりつつある、2000m超の長距離戦も、これだけ激しい締まったものとなってくれれば、文句は何らないところ。結果としてはユキノホマレの圧勝が目立ってしまったが、それに至る、他馬の走りも含めた、レース総体が素晴らしかった。
ヤマノキングとコウエイエンジェルが前半キャラ通りに逃げて、まずは流れを作ってくれた。
ヤマノキングの途中単騎逃げは、キッチリ使命を果たしたもの。まあ、2400mはやっぱり明らかに長かったろう。
コウエイエンジェルは残念な結果となってしまったが、冒頭に記した本来の個性と地力からすれば、やむを得ぬところか。彼女のこの着順からすれば、去年のチーチーキングは偉かったなあ(同レース4着、タマツバキ3着)と、改めて思われたりもして。
レースをより白熱化せしめたのが、兵庫2頭のクールテツオーとミスターサックス。2周目二角から、ホンマにバトルをやってしまった。「みんな仕掛けが早過ぎるよね、殊に兵庫2頭。あれじゃ(終いまで)保たないわな。」と栃さん。リーダーも「ホンマに競り合っとるやないけ!」と。あの局面について、両頭の鞍上の述懐を、是非聴いてみたいものだ。ちょっと馬の能力過信した?まあ今回のところは「この時代、他地区にも強豪ゴロゴロおるのだ。」という、痛い教訓を得たということで。
クールテツオーの方は、距離不安明らかなところ、残り100mまで、よく頑張ったとも思う。案の定、終い止まったけれど。
一方のミスターサックスは全く期待外れな走り。この馬、ひょっとして凡走癖、あるかも。昨年秋口がちょうどそんな感じだったし。
そのペースアップにあって、ユキノホマレ以外の後方勢は、やっぱり間に合わなかった。
ミスターナタリーは昨年よりは前の位置から進めたが、爆発はせず流れ込んだにとどまった。
トチノグレイスにとっても上位の壁は厚かった。よしんば5月にこのレースがあったとしても・・・
クールマックスは、佐賀オープンという地位自体が、ひょっとしたら家賃高いかも。
コウザンシンオーはなあ。ここまで道中行けない馬なのか。これ、わざとなのか、作戦なのか?不可解ですらある。レース後"さまにべっぴん"さんが、恐ろしい迫力で西村騎手に罵声浴びせていたのが印象的だった。
モナクカバキチはイッチョ前に今回も中盤捲り敢行したが、やっぱり止まった。まあ、距離も長かったろう。因みにこの馬の存在が、福山2頭の戦前評価を、少なからずソコソコにしたようだ。すなわち、「ユキノホマレとはアラブ王冠で1馬身差、そこから測るにつけ、福山勢はこれと大差ないレベルだろう。」と。事実このような旨の、馬券オヤヂの会話は耳に入った。それ、甘い。
ドリーミングはこの大舞台でも、自在性に富んだ、また堅実な、地力を充分知らしむる競馬だった。中盤無理に上昇せず、差しに回った渡辺騎手の判断は悪くないだろう。「何であの勢いであそこから(キングダイオー)交わせんのだ?」と、戦後Oku師匠が漏らすも、最後スパッと斬れないのは、どう走ってもいつも若干ジリっぽいこの馬の個性だからして、しゃあない。「2着ならなあ・・・」馬券での未練は尽きねども。
そしてキングダイオー。2周目二角でスパートしたテツオーを直後からずっと追いかけて、直線交わして、終いまでしっかり走って2着は偉い。賞賛に値するロングスパートだろう。陣営の見立て通り、そしてワシの先入観を裏切って、長丁場を見事にこなしてしまった。千八戦などよりも、二千超の距離の方が、明らかにスムーズで綺麗な先行・好位競馬になるのだから。ホンマこの馬、「強い」。来年度の全国交流において、非常に楽しみな1頭となった。
最後に、ユキノホマレについて。ズバリ、「見た目と目方に騙されました。そして、参りました!」
長距離戦は絶対合うと思ったのだが、ここまで圧倒的な勝利になろうとは。それにしても、恐るべき脚力だった。たとえ前2頭が早仕掛けで、比較的早い時点で脚いろ鈍ったとはいえ、それを捉えるに至る前の、バック捲りの光景は尋常ではなかった。ペルターブレーブG前怒濤の差し切り勝ち以来、久々に震えがきたレースだった。これ、最大級の賛辞。
因みに4歳馬が勝ったのは、'96年地元グレートマルゼン以来のこと。この間、ケイエスヨシゼンもホマレスターライツもワシュウジョージもフジナミスペシャルも、4歳での挑戦で人気になって負けている。ジンクスをもひねり潰した。ついでに同い年の、昨年のNARグランプリ最優秀4歳馬ことミスターサックスをも。地元同級生が完膚無きまで叩きのめされた、全日本AGPの仇を、ここで討ったことにもなる。
昨年のアラブ王冠の拙観戦記、その末尾に小ネタとして、「この馬、ミナミセンプウっぽいキャラになれるやも。」などと記したが、それもいよいよもっともらしくなってきた。「確かに似てるわ。ボサッとしてあんまり格好良くない見た目で、ドカドカ追い込むデカい栗毛馬でさ。」と、Oku師匠も。ディープさんは冷ややかに続けて曰く、「まあ、ミナミセンプウはこのレース(2回出て)勝てませんでしたからねえ。その意味ではミナミセンプウ越えたわけで。」。「そやったな。('95年の4歳時は)オクタマキングに負けとるんやからな。」とOkuさんが続ける。まあ、そんな簡単に、重賞13も勝った、福山大賞典3度も勝った、「太く長く」の権化のような名馬を、越えられるとは思ってはおりませんが。さりながら、「瀬戸内の鬼脚」の称号は、ちょっと相応しくなってきたかも知れないな。
さて今後。あの馬体でこれだけ激走してしまうと、この後暫く、反動が心配。「ローゼンホーマもともかく、(福山)桜花賞すら使えないじゃないか。」とおさるさんも口にするところ。
ではあるのだが、福山大賞典馬の看板と、西日本古馬筆頭(!?)の地位を得たとあっては、この後無様な競馬は出来ぬところ。
何はともあれ、さしあたり最大の目標は、5月下旬地元で施行される、タマツバキ記念全日本アラブ大賞典。1800m、スタンダードディスタンスで、ホストとして全国の強敵を迎撃することが、使命となろう。また観たいぞ、その豪脚!
タマツバキ、その最後の直線。抜け出す無敵の王者に、併せる金沢の女帝、そして追いすがる瀬戸内の鬼脚。栗毛白メンコ2つ、そしてパッションピンクが1つ、初夏の濃密な西日にもつれて躍る――なんて図は、いかがかな・・・
2003.3.12 記
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