第19回南国桜花賞観戦報告
2003.4.20、高知、1900m
◆はじめに〜"アラブ者"は高知を目指す?そして当日の概況
アラブな人間にとって「4月の高知競馬」といえば、恒例のレースは南国桜花賞。高知市長賞南国王冠共々、高知競馬に現存するただ2つのアラブ系古馬重賞である。
重賞は2つだけだが、高知のアラブ古馬界自体が停滞しているわけではない。他地区から転入してくるベテランに、当地生え抜きの出世馬が絡んで、興味深い戦い模様を繰り広げている。というわけで、数少ない高知古馬晴れ舞台、「是非観たい!」と思うのは当然の心情、それに任せていざ高知へ!という次第。おかげさまで、これで今回、当レース4年連続現地観戦となった。
ワシと同様な想い(と思われる)の"同志"の方も相当数。まずはアラブ応援家の3号馬さん。彼とは往路も一緒。三ノ宮−高知間の高速バス。11時、無事高知に着いて、南はりまや橋のバス停でファンバスを待ち、やって来たそれに乗り込むと、そこには電設の男@ともろうさんが。そして競馬場には11時45分頃に到着。スタンドには"高知の主"もりも先生の姿が。前日中山からサンライズ瀬戸で深夜移動敢行していらっしゃった京都人さんも。そしてさまにべっぴんさん。さまにさんもワシと同様、当レース4年連続4度目の現地観戦。思い返せば初観戦が2000年、前月の佐賀セイユウ賞で初対面して、2度目の遭遇がこのレース。あれからまる3年、お互い"神出鬼没"合戦を密かにやり合っていたわけね。やや遅れて"同志"ディープさん、そして"大御所"Oku師匠。「いかにも」の面々が揃ったにゃぁ。
先週半ばは好天で気温も高かったところ、またしても週末は雨との予報。が、西から回復は急、往路の道中所々雨降りだったものの、到着した高知の天気は曇り。まだ運がある。昼過ぎまでは気温も高めで蒸し暑かったのだが、次第に雲が厚くなり、風も出てきて過ごし易くなった。
馬場状態は稍重発表だが、見た目に良馬場と変わらぬ感じ。レースの間にハローかけが通ると、湿った砂が掘り返されて束の間表面が黒くなるものの、すぐに乾いて白くなってしまう。砂は深くなさそう。
◆メインレースまで〜その他のアラブ競走
この日は全10レース施行のうち、アラブ系競走が7鞍(1、2、6〜10R)と、かなりのアラブデー。興味深いレースも多い。
まずは第2競走、C7組、1300m戦。ぎりぎり発走に間に合ってラッキー。勝ったのはコスモユーメー、逃げ切った。現3歳トップの1頭で、早くも古馬編入されてここに登場した。昨年2歳時は同世代の中でいち早く勝ち星を積み重ねたものの、秋に欠場が続き、何とか出走した重賞銀の鞍賞は5着止まり。この時は冬毛ボーボーで馬体も緩く、酷いルックスだったが、今日は毛艶ピカピカ馬体張りピチピチで、まるで別馬、見違えた姿だった。次開催の5月4日には、3歳三冠第一弾のマンペイ記念が待っているが、これなら好勝負出来そう(そのマンペイ記念、好位から伸びるも、エスケープハッチを捉え切れず2着だった)。
また、アサカタイショウもここに出走したが、これは好位から後半押し上げ追いすがるも2着。昨年10月以来の実戦で、休養の間クラス再編成もあって、格付けがここまで落ちた。それでも勝てない。前世紀末に金沢のトップを張ったかつての強豪も当年10歳、衰えは隠せぬ。
コスモユーメー、逃げ切ってゴールへ
これ、実にGoodLooking!
第7競走はB3組、1600m戦。注目はマルチタイガーとユタカオヤシオの4歳2頭。マルチタイガーは、3歳時は割とコロンとした体型だったところ、今日はとてもスキッとシャープなフォルムに映る、好印象。ユタカオヤシオは変わらずがっちり骨太なルックスで、皮膚が薄くていい毛艶。
レースは、マルチタイガーは序盤逃げ馬2頭の後ろ先団、バックで進出して後半先頭に立つも、好位から上昇した本命人気のジョイブラボーに直線競り負けて2着。しかしながら内容は悪くない。短距離馬のキャラが強かったが、どうやらマイル戦でも格好がつきそう。ユタカオヤシオは中団から後半外に持ち出し追い上げるも3着まで。これは相変わらず勝ち味に遅いジリ脚馬だな。
ここで橋本大二郎高知県知事の挨拶が挟まる。折しも空からはぽつぽつと雨粒が。「困るよなあ。大ちゃん、雨男かいな?」と思うところ、幸いにもこの後本降りにはならず、助かった。
そして次なる第8競走のC1組、1400m戦。あのパワーレイクにあのビソウウエスタンにあのヨシゼンファイナルと、かつての強豪が登場。「パワーレイクは休養から帰ってくる毎に、ますます生気を抜かれてやつれてきてるもんなあ。」とはもりも先生。全盛時のような迸る悍性など望むべくもない。ビソウウエスタンも今となってはこじんまりしたフツーのロートル馬。特段酷くもないが、強豪の風格などもうない。これらに比べれば、ヨシゼンファイナルは毛艶も張りも、まだましに見える方。ビソウもヨシゼンファイナルも9歳か・・・
そのレース、パワーレイクはハナを切って先行争いを繰り広げるも、三角以降脱落して5着。勝ったのはこれと逃げ合った、10歳牝馬!ゴールデンパレード。ヨシゼンファイナルは前半殿から、最後の直線イン突きで追い込んで2着。ビソウウエスタンは好位から進めて後半モチャモチャと押し上げるも、終い案外で4着まで。「まあみんなこんなもんでしょう。」と言うしかない。
◆そして南国桜花賞、出走馬について
さて、メインレースの南国桜花賞。出走メンバーは内枠より以下の11頭。()内は騎手、性齢、斤量。
サヤテンザン(古川、牡7、55k)、ナンカイセンプー(中越、牡8、55k)、スカイプリティー(明神、牝4、54k)、ニシキノマーク(鷹野、牡8、55k)、チーチーキング(西川、牡6、55k)、サンユウラピート(堅田、牡7、55k)、ダスティー(倉兼、牡7、55k)、マルサントウショウ(宮川実、牡7、55k)、テル(中西、牡6、55k)、スマノガッサン(上田、牡10、56k)、プレシャスボーイ(花本、牡5、55k)
別定重量戦だが、一見牡馬55k牝馬54kの基本重量で、スマノガッサン1頭が1k加増され56kとなっている。
南国王冠を制して、3月の西日本アラブ大賞典にも遠征した(結果最下位12着だったが)コウエイエンジェルは、登録こそあれ回避。この当地連勝中の現トップの不在は、ちょっと残念ではあるものの、逆に他馬にとっては、重賞獲りの絶好機到来。その星を掴むに相応しい面々に充分富んだ出走メンバーでもあり、ファンとしては却って楽しみな一戦となった。
◆パドックから発走まで
第8競走を見届けてから、急いでパドックに駆けつける。高知競馬では前レースが確定してから次レース出走馬が登場するのが常なので、このような場合、余裕で間に合い有り難い。
さて、1番サヤテンザン。胴長でちょっと背垂れな体型だが、馬体重518kの大型馬で雄大ではある。実入りは充分。肩の捌きはギクシャクした感じ。前走前開催のA2戦(距離千六)を2着。
2番ナンカイセンプー。毛艶と馬体張りは上々で、腰からトモの体表には銭形模様が浮き出ている。ギュッと身が詰まっていい感じ。前走前開催の、南国桜花賞トライアルと銘打たれた距離千八のA1戦(以下桜花賞TRと略)で3着。
3番明け4歳スカイプリティー。3歳秋の荒鷲賞を制した頃は毛艶も悪く、フォルムもギスギスした感じだったのだが、今日は毛艶もまずまずで、目方は昨秋と変わらぬものの、格段に実が入ったような気がする。見映えは間違いなく上がった。かつてと異なり意外にも大人しい周回気配。南国王冠は5着だったが以後B1戦で2着1着と好走し、前走は前々開催のB1戦(距離千六)、同い年のライバル牝馬テイケイミチカヒメを差し切り勝利。
4番ニシキノマーク。黒鹿毛とのことだが、青毛でも通用しそうな真っ黒な馬体。加えて艶もいいので自然と見映えはする。前走桜花賞TR4着。
5番チーチーキング。前回目にした南国王冠時は、休養明けから復調し切らぬところを急仕上げしたことが明白な、冬毛ボーボー馬体張り皆無の酷いルックスだった。が、今日はこの馬本来の皮膚の薄さと毛艶が戻っている。後半身の体表には銭形が浮き出ているほど。時折チャカチャカするのもこの馬らしいし、トモの踏み込みが浅いのもこんなものかと。とにかく「これなら!」と思わせるに充分。南国王冠9着惨敗の後も、A級下位戦で5着2着6着と苦戦を続けたが、前開催のA2戦を斬れ味鋭く捲り追い込み決めて勝利。復活近し、か。
6番サンユウラピート。くすんだ栗毛で皮膚も薄く見せないクチだが、この馬にしては今日は毛艶はいい方かと。胴体が厚い箱形体型でやっぱり胴回りは太く重い感じ。前走桜花賞TR7着。
7番ダスティー。刺し毛気味に毛あしが伸びていて、毛艶は冴えない。そして胴回りも重い感じ。やっぱりモッさいルックスだ。「ストロングオーと似た感じですね。」とは3号馬さん。それは確かにそう、が、これは「ストロングオーがダスティーに似ている」と言うべき。前脚の踏み込みはちょっとビョコビョコしているが、歩みは割とシャキシャキしている。昨年の当レース4着の後休養入りし、復帰したのは昨秋10月。この半年の間にC級まで降級するも、6戦5勝3着1回と爆速再昇級し迎えた前走桜花賞TR、道中殿からド迫力の三角捲りを繰り出し勝利、ここに間に合った。
8番マルサントウショウ。馬体重503kの大型馬、堂々と、そしてじんわりと周回。歩様もゆったり、毛艶も上々、見た目はいい。前走桜花賞TR5着。
9番テル。ガシガシの歩様。胸前から腹袋が随分ポチャポチャした体型。腹回りの体表に縦に縞模様が入っている。前走前開催のA2戦で3着。
10番スマノガッサン。10歳馬ながら、毛艶と馬体張りは今でも水準以上。ムチャムチャ絶好というわけでもないが、常にエエ雰囲気を出している。概して覇気がない周回だが、3号馬さん曰く、「何だか活気ありません?」と。そのココロは、終始尻尾をブンブン振り回しているから。肩もトモも捌きが硬いが、まあこんなものだろうと思う。南国王冠3着の後は不休でA1戦を走って3着4着2着、そして前走桜花賞TRも2着。昨年後半以降地力低下を囁かれたが、何だかんだでA1で充分通用していて、陥落の兆しはほとんどない。しかも毎回58k以上背負ってのトップハンデである。因みに、ワシらの4年連続現地観戦に併せるが如く、4年連続の当レース出走となる。'00年3着、'01年2着、'02年優勝がその結果、さて今年は?
11番プレシャスボーイ。馬体重506k、首も胴も長く背も高い。そして筋肉質で骨太と、ホンマにいいミスターヨシゼン産駒らしいルックス。ムキムキの馬体で馬体張りもパンパン。うっすらと発汗しているが気配は大人しい。銀の鞍賞と南国優駿を制した、現5歳世代生え抜きトップも、古馬になってからはいまいちパッとせず。が、何だかんだでようやくここに出るまで上がってきた。前走桜花賞TR6着。
本馬場入場から返し馬。殆どの馬が、誘導馬の後を整然と入場行進する中、プレシャスボーイは1頭外ラチ沿いを入場、この時点でかなり気合いが乗っている。スカイプリティーはパドック周回の最後の1周をパスして、パドック入り口で控えた。そして騎手の騎乗、本馬場入場と進むにつれ、どんどん煩くエキサイトしてくる。
プレシャスボーイが真っ先に、割と軽めのキャンターでスタンド前を通過して行く。チーチーキングは気合いの乗ったシャープな駆けり。スカイプリティーはピーキーに、鞍上明神騎手の手綱が張って抑え加減。ダスティーは楽走で。ナンカイセンプーはキビキビと。サンユウラピートは口を割って顔を外にひん曲げて。そして最後にスマノガッサンが、すったすったと余裕綽々流して行く。
予想タイム。ワシは素直に実績馬3頭、ガッサン、ダスティー、チーチーの馬券を買う。まずは3頭の馬複三角買い。そして馬単のアタマに抜擢したのはチーチーキング。前記の通り、今日はこの馬本来の出来に思われたので。西川騎手とのタッグにも好感。馬場が乾いているのもこの馬に向きそう。逆にダスティーは、もっと道悪で渋った泥馬場なら中心視し得たところ、この日の馬場ではどうか?と考えた。スマノガッサンのハンデ56kは恵量、出来落ちなく普段通り走れれば、2着は充分取れそう。
前走の勝利がよほど劇的だったようで、ダスティーの人気が非常に高い。そして何よりこの馬、同志の皆さんにも、とても人気があるようだ。一方、予想紙のシルシやオッズに反して、何故かこの内輪で蹴られ続けるのがスマノガッサン。もりも先生や電設師やディープさんらが、この馬を中心に馬券買ったこと、ないんじゃないか?「やれ距離不安だやれ衰えだとケチ付けてるけど、要はガッサンからの馬券だと配当安いからってだけなんですけどね。」ともりも先生。「ふーん、ガッサンなんか買ったんだあ。」とディープさんは至極冷淡。スカイプリティーあたりに期待を懸けた方もいらしたが、ワシはそれが来たら、死亡。
因みに高知競馬の発売券種は、この4月から単勝、馬複、馬単の3種のみとなった。これは4月からの全国地方競馬界における統一指針での、全競馬場において発売必須の最低条件の3種である。馬単は新導入だが、枠単と複勝は廃止された。
ダスティー、返し馬
人気を背負って、岩手の誇りも背負って
◆レースなり
さてレース。距離1900mの発走地点は2コーナーを立ち上がったところ。
ゲートが開く。ニシキノマークが立ち後れ気味。マルサントウショウの好発が目立ったが、内からナンカイセンプーもダッシュして、程なくこちらが先頭に立つ。マルサンは差のない外2番手に。テルもこれに併走気味に続く。ほぼ同列のインにスカイプリティーがいて、この間の直後にサンユウラピートが。スマノガッサンはこれらを前に見る先団・好位の後詰め。チーチーキングはやや離れた中団勢の前列。ケツ二はプレシャスボーイで、ダスティーは殿にでんと構える。
先団の隊列は三角あたりでほぼ定まって、ペースも落ち着いた模様。実況の橋口アナもそう告げるので間違いない。そして正面スタンド前にやって来る。ナンカイセンプーが後続を引っ張る、ゆったりマイペース。1馬身程度の差でマルサントウショウが2番手。直後の次列、内にスカイプリティー外にテル。サンユウラピートは引き続き両者の直後。この外目にスマノガッサンがいる。ここでやや開いて、内サヤテンザン外ニシキノマーク、チーチーキングはこの2頭の真ん中で半馬身弱控えて陣取る。数馬身開いてプレシャスボーイ単走、ダスティー殿は変わらず。
1周目の正面スタンド前
先頭ナンカイ2番手マルサン、次列外の緑メンコがガッサン
1コーナーから2コーナー、流れは完全に落ち着いて進行する。そして向こう流し、後方ではダスティーが、外からプレシャスを交わしてちょこっと腰を上げ、チーチーキングも若干上昇の兆しを見せる。一方先団の隊形、いまだ変化に乏しい。
レースが動くのは三角手前。ナンカイセンプーの外にマルサントウショウが並び掛け、テルがマルサンに執拗にまとわりつく。そしてスマノガッサンが動く。外からグイグイと前に。というわけで三分三厘、ナンカイ、マルサン、テルのフロント争いの外へ、ガッサンが出現。インではスカイプリティーとサンユウラピートも離されずとどまって、これら先団6頭は一団。やや開いて追走する中団以下の面々も一塊りになった。が、3、4コーナー半ば、いち早くこれを抜けたのはチーチーキング、外からシャープに先団へ取り付く。そしてお待たせ、ダスティーが殿からずんと捲り脚開陳、大外ブン回して一気にフロントまで。四角周回、最前列が俄然賑やかになった。
というわけで最後の直線を迎える。フロントの最内ナンカイセンプーは苦しくなった。その外マルサントウショウは粘走するも、その外馬場真ん中を、スッと抜け出すのはスマノガッサン。ゴール目がけて一目散。が、間髪入れず外から迫るはチーチーキング。直線向いて、ギラリとばかりもうひと斬れ。次第にガッサンを追い詰めて、残り100あたり、交わし去って勝負あり。最後は1馬身差で、まさに復活のVゴールとなった。
チーチーキング、スマノガッサンを差し切る
待望の古馬重賞初勝ちだ!意外。
2着スマノガッサン。そしてこの後ろの3着争い。ダスティーは最後の直線、意外にも伸びず、前の2頭に追いすがれない。「結局3着か」と思ったところ、密かにサンユウラピートが内でしっかり走り切っていて、こちらが残って3着獲り。ガッサンの3/4馬身差まで迫っていた。結局ダスティーは1馬身差4着。
以下はリアルタイムでの記憶なし。マルサントウショウは先行粘って何とか5着。6着プレシャスボーイ7着ニシキノマークは差し込んだ連中。8着テル9着ナンカイセンプーは先行脱落。10着サヤテンザンは後方ママで、スカイプリティーが結局最下位だったそうだ。
◆振り返って
チーチーキング、お見事!そしてサスガ!の勝利。道中中団ながらも比較的前で進めた感じで、極端な捲り一発ではなく、三分三厘でまずは着実に前に取り付けたのがよかったのでは。加えて末脚も確かであったし。そして何と言っても西川騎手の手腕が光った。この人、ホンマにシャープに馬を追うなあ。チーチーのキャラクターにピッタリだと思う。
スマノガッサンは着実な好位抜け出し。千八戦や千九戦の豊富な経験・場数がモノをいった感じ。鞍上の上田クンがというより、馬がレースを心得ているような、とは言い過ぎか。それにしても10歳馬、大したものだと思う。
ダスティーの捲り脚には目を見張った。上がり3ハロンのタイムはチーチーを上回り、11頭中最速だったようだ。が、悲しいかなこのレース、道中のペースが緩い。結果最後の直線、直線先に抜け出した面々と脚いろが同じになってしまった。
それにしてもサンユウラピートの3着にはびっくり。実はワシ、リアルタイムでは全く眼中になかった。が、リプレイ見直すと、ガッサンとほぼ同位置で道中進めて、同じように進出して脚使って、終いまでキッチリ走っていた。
プレシャスボーイはケツ二からの終い流れ込みという結果。差し馬ではないと思うのだが、近走ずっと後方から競馬をしているようだ。これ、上位のペースに対応出来ていないのでは。スカイプリティーは残念ながら、思い切りブタれてしまった体裁。
人気がダスティーに被っていたようで、この単勝2番人気−3番人気どうしの決着で、馬複630円馬単1,340円と、なかなかオイシイ配当となった。ワシ、珍しく狙い通り的中で「ゴッチャンです」。同様に的中がOku師匠。曰く「そらここはこの組み合わせしかないやろ。ダスティーは水沢の泥馬場で菅原勲が乗らな走らんのやて。」と。
因みにこの1、2着、昨年のこのレースの1、2着がひっくり返っただけなのね。
◆これも注目の最終レース
そして最終第10競走、A2組、1400m戦。ここでの注目はアポロスイセイとテイケイミチカヒメ。明け4歳時の南国王冠で逃げ粘って2着となり、その3月に佐賀西日本アラブ大賞典にも遠征したアポロスイセイは、その後休養があったりで、残念ながらA1を張り続けられていない。登場した彼を目にして、もりも先生が開口一番「ケツがムチャムチャデカく見えるんですけど。」と。確かにそう。今日の馬体重は493k、佐賀に遠征した4歳はじめの頃は460k前後だったので、実際馬体も大きくなってはいる。
昨年のマンペイ記念馬テイケイミチカヒメは、3歳前半だけ好成績の早熟馬とも一時は思われたところ、現在まずまず健闘している。昨秋時は全く歯が立たなかったスカイプリティーと、近走勝ち負けを演じているほどであるからして。これは相変わらず口から涎と泡を流して本馬場に出てくる。
他には、芦毛カイヨウワールドや、今や全く没個性のただの馬と化したエイランヒット、'99年と'00年の南国桜花賞に出走した10歳馬、「まだいるのか!」ブルーシームなども登場。
さてレース、アポロスイセイがスッとハナに。テイケイミチカヒメは次列から攻める。カイヨウワールドも灰色のざんばら髪振り乱して先行も、これは一角過ぎ早々に後退、結局ブービー11着。三角手前からアポロの外にテイケイが並び掛けると、やがてアポロスイセイは降参で、結局8着まで落ちた。一方のテイケイミチカヒメは力強く伸びて勝利。後方から終いインを追い込んだブルーシームが届いて2着。エイランヒットは後方から6着まで。
テイケイミチカヒメ、なかなかやるなあ。アポロスイセイは、ちょっと残念。何とか再度輝きを取り戻して欲しいのだが・・・
◆おわりに
というわけで、この日も無事観戦、終了。帰路は今回も特急南風。往復の旅費を越えるほど馬券が儲かって、めでたいの巻。
最後に、再びチーチーキングについて。今回のレースで重賞4勝目ながら、意外にも古馬重賞初勝利。これまでの3勝は、銀の鞍賞、南国優駿、荒鷲賞と、全て2、3歳重賞。つまりは古馬重賞未勝利のまま、明け4歳時の荒尾セイユウ賞に、5歳時の佐賀西日本アラブ、福山タマツバキ、佐賀セイユウと、高知の"顔"として、遠征大舞台に臨んでいたわけだ。これまでは、履歴に古馬重賞のタイトルを掲げられず、ちょっと肩身の狭い思いをしたかも知れぬけれど(そんなことはないだろう)、これで堂々、胸張って決戦に赴けるよな。1着賞金、60万円(昨年の120万円から半額に下がった。ナミダ出る額だ)は問うまいよ。さし当たっては5月25日、福山タマツバキ記念か、西川騎手と共に、いざ!
と、結ぼうとしたのだけれど、4月末に伝わった、今年のタマツバキ、他地区出走予定馬の情報において、高知代表はチーチーではなく、ダスティー。3号馬さんのHP中の「4月20日・高知競馬観戦レポート」によれば、チーチー、「体への負担が大きいからという事で、陣営は交流競走への遠征は考えていないとのこと。」だそうで。あ!オチが、流れた・・・
「あらら、ダスティーさんにトリを譲ってもうた。」 |
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「まあチーチーくん、ワタシに任せておきなさい。」 |
一方出走予定のダスティーは、昨年のタマツバキにおいて他地区補欠待遇だったので、1年越しで念願叶っての大一番参戦となるわけだ。ダスティーといえば、岩手アラブ最後の世代の1頭。第1回のライジングトウザイやメグミにパッピー、昨年第2回のグリーンマスクに続き、今年も福山タマツバキに、みちのくアラブの志が、走る。これを表して、
「殿追走は尻振りダンス、怒濤の捲りは毒針エルボー。終わらない"ミズサワン・ドリーム"――」かな。
↑"昭和プロレス"ファンの人にしか解らんネタでゴメンチャイ。
2003.5.7 記
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