どうなるの?タマツバキ記念2000

2000.10.11、園田、1870mにて開催予定

前編、「ホントどうなるの?」及び各地区の動向

2000年度タマツバキ記念、今年は園田で開催。JRAのアラブ系競走廃止に伴い、タマツバキは地方競馬の西日本交流競走、セイユウは同じく東日本交流競走へと性格を変えて4年、東日本各地のアラブ系縮小に直面して昨年度のセイユウ賞は半ば止む終えぬ状況で西日本地区の佐賀で、全国交流として開催された。そこで今年度のタマツバキの性格が今年初頭以降注目されることに。「やはり全国交流か」とも思われたのだが、兵庫の主催者及びNARが今春の時点で発表したそれは、結局西日本交流。「東は参加できぬのか」と不満も大いにあったのだが、夏頃より、東日本地区の有力馬陣営にタマツバキへの出走打診があったとの噂が流れ、未だにお上の正式発表は確認されぬものの、どうやら当初の予定を変更、全国交流として施行される見込みとなった模様。
こうなると俄然気になってくるのは全国各地区からの参戦馬。9月上旬現在、選出馬も、そのブロック割り当ても世間には明らかになっていない模様だが、さしあたって、各地のアラブ有力馬事情を概観し、選出対象馬を探ってみようかと思う次第。

全国各地区のアラブ強豪事情
◆北海道
王者ホーエチャンピオンが脚部不安があってかパンとせずコンスタントに使えないのがもどかしいところ。そうこうしているうちに名古屋よりイケノエメラルドが転入。9/7のサラ混合戦でホーエに先着の2着。イケノは兵庫クイーンカップ挑戦が妥当かと思われるのだが陣営は出走のつもりはないらしい(by 3号馬さん)。タマツバキ狙いなのか遠征見合わせなのか?

◆岩手
アラブ系競走廃止で、残留した数少ないアラブ一線級はサラ系上位との混走という不遇を強いられている。しかし既に他地区転出したOBのその先での活躍を見るにつけ、そのレベルの高さは見逃し難く、ここは絶好の腕試しの機会、No.1に是非登場願いたい。となるとやはり東北アラチャンの覇者メグミダイオーが最右翼か。サラA級でも奮闘。マーキュリサンダーは得意の盛岡でも近走振るわず、結局佐賀に転出した模様。ライジングトウザイも戦列復帰したようだがメグミにはここは譲るべきか。ヒナナマーチは金蹄賞勝利以降顔見せなし。

◆上山
岩手とは対照的にアラブ系が充実、役者も揃い、まさにアラブの北の聖地を地で行く状況。昨年の王者ペルターブレーブは今年上半期を故障で棒に振るも戦列復帰、が現状は良化途上か。新王者と目された5歳マルハチフレンドだが盆の日本海記念にて4歳アオイリュウセイに敗れ、抜けた存在ではないことは知れた体裁。ビソウウエスタンは今季劣勢でトップ勢から脱落したとも思われかけたが先の開催は2着で見限るのはまだ早いか。以上昨年の三強に加え、東北アラチャン後、岩手からタービュレンスが転入。現在平場を連勝中で既存勢を駆逐し一気に上山王座を狙う。9/23の重賞かかしまつり賞がさしあたっての頂点決戦、この結果からタマツバキ狙いの馬は明らかになろう。

◆新潟
既にアラブ3歳の入厩は終了。古馬の筆頭は差し馬ファルコンボーイであったところ、5歳牝馬ラブリーハートの充実ぶりに押され気味か。ラブリーハートのシャープさは是非クイーンカップで披露してもらいたいもの。タマツバキに駒を進めるに足る馬の存在は、ちょっと・・・というのが私見。

◆栃木
北関東でもアラブ系縮小は加速。アラブ3歳戦は組まれず、古馬有力どころはサラ混走が不可避な現状。その中、何はさておきホマレスターライツ。上記のような現状において閉塞状況に陥っているきらいがあり残念至極だが、ここは喉から手が出るほど欲しかったであろう交流の舞台。3月佐賀で取り逃がした日本一の座を狙って西下は必至。それにしてもあまりに強大なホマスタの存在感に雌伏せざるを得ないイーシーキングの立場は気の毒。全国交流で存分に走らせてあげたいと思うのは筆者だけではないはず。

◆群馬
ここもアラブ縮小の波に晒されている。カズタカショウグンvsジャパシュキングが二強だが、ジャパシュの兵庫時代の地位を鑑みるにつけ、交流に打って出た際の役不足は否めぬか。カズタカも対ホマスタ、イーシーの戦績が劣勢とあっては、各付けはこの下位に回らざるを得ないか。

◆名古屋・笠松
近年アラブの充実ぶりが更に目立つ名古屋。イケノエメラルドは道営に転出したが、これを初夏に越えたブラウンダンディがトップをがっちり。実に昨秋以降11連勝。ようやく待望の全国交流の機会を迎える。名古屋次位ブレーンワークも出走に色気とか(by おーたさん)。しかし地元でのトップ越えがない現状では厳しいか。おまけに9/15の東海グローリ@笠松をブービー惨敗。一方笠松は現在アラブの大物が不在かと。

◆金沢
賞金も高く、東日本からの有力馬の転入が相次ぐ金沢、その割には各馬の転入後の活躍に不満を抱いてしまうのは、かの地についての知識不足な筆者だけか?転入勢のイセイチフブキ、ダスティー、マルイシヒーロー、生え抜きツルギネオンにアイカンセンプー。いずれも重賞勝者。農協牛乳杯、中京スポーツ賞と重賞連覇のマルイシ、その兄イセイチが名乗りを上げているとの情報あり(by きたさん)。

◆福山
アラブ最後の聖地。王者アキフジクラウン次位パッピーケイオーは揃って昨秋以来の好調の反動が初夏以降に出てリタイヤ。サバイバル状況、混戦模様のなか、盆の金杯でトモシロヒットがその爆足のベールを脱ぐ。順当にいけばこれが福山代表と思ったところ、秋競馬開幕週にA1戦を持ってきて、これを山陽杯トライアルとして施行(9/16)。結果トモシロ6着惨敗でタマツバキ出走の途は九分九厘断たれる。結局1着ワールドアイでこれが代表確定。2着マツノホープは補欠候補に。爆足トモシロは是非出て欲しかった。盛り上がりの面からも不出走は非常に痛い。

◆益田
盆の日本海特別にて、古馬No.1ニホンカイプリウスが4歳ノアに敗退。ノアは夏ガレからの立て直し、また4歳ということもあってか、タマツバキはパスらしい(by ふささん)。ということで、プリウスが選出されたところで・・・佐賀セイユウ賞でのブービー惨敗の印象は払拭しがたく、その後、必ずしも順調、上積み大とは言えぬ状況もあり、今回はちょっと・・

◆高知
無事であればチュウオーロッサvsパワーレイクの盤石二強体制だったのだろうが、ロッサが4月南国桜花賞で故障。勝者パワーレイクもその後ポロポロ取りこぼし、もう少しピリッとして欲しいところだが、9月初頭のレースはきっちり勝利。何としても高知最大のスターとして参戦願いたい。

◆九州(佐賀・荒尾・中津)
大立て者フクヨシオーが相変わらず休養中というのが残念至極。佐賀は三場のうちでは断然の賞金の高さを誇るのだが、アラブ系はいまいち地味か。トチノグレイス、キンコートウザイ、スマノハピネス、いずれも全国へのアピール度は?下手をするとビソウミラクルが代表として古巣に凱旋という羽目にも。マーキュリサンダーが岩手より転入のようだが執筆時点では佐賀ではまだ未出走につき参戦は無理か。
コウザンハヤヒデの登場に湧いた荒尾だが、コウザンまさかの骨折頓挫。タマツバキとは直接関係ないにせよ、そのショックは陣営にもファンにも大きい。古馬勢は一時期は前述のフクヨシオー、ワシュウテイオウ、サンワテイオー、サンオーエルシドの転入で、レベル急上昇に目を見張ったが(レコード頻出からも明白)、昨今はその頃ほどの活況はないかと。ワシュウテイオウ或いはサンワテイオーあたりが選考対象となろうがいずれも九州交流ですら惨敗であるので全国へは酷か。ワシュウテイオウ出走とあらば、シャインマンリー、ワシュウジョージ共々三兄弟揃い踏みというネタにはなるのだが。
中津からとなれば、昨年末から春先までの王者フツロサンサンが最適なのだろうが、3月以降お目見えなし。中津生え抜き5歳牝馬カヅミレディーは下級条件で昨秋以降休養を挟んで9連勝したが8月末のオープン最上位初挑戦で3着敗退、期待を掛けるには時期尚早か。

◆そして最後に開催地兵庫
王者エイランボーイはこのタマツバキが最大目標。しかし老婆心ながら脚元、そして鞍上は誰か?の不安が残る。ご無沙汰だったワシュウジョージは9月はじめに能検通した模様、当然タマツバキを狙おうかと。摂津盃1着を同着で分け合ったケイエスヨシゼン、シャインマンリーも出たかろう。問題はトライバルサンダー、兵庫大賞典後の消息が不明。戦列復帰となった場合、タマツバキに挑戦かそれともクイーンカップに回るのかが注目。タッカースカレーは相変わらずシャキッとせず、また同厩ワシュウとの兼ね合いもあり、出否?。以下、マキオリンボー、シンセイマックスetc.と、フルゲートを埋める頭数要員に困ることはない。4歳タカライデンは夏も不休、月一走ペースで実戦を積んできたが、秋の取り敢えずの目標は10月下旬三冠最終関門姫山菊花賞、無理にここを使うには及ばぬか。

こう列挙してみたものの、現実に直面した際の最大の壁、そう、言うまでもなく出走頭数には制約があるということ。園田はフルゲート12頭。無難に割り振るのであれば地元6頭他地区6頭となろうが、これでは他地区馬にとって選出されるのは実に狭き門。殊に北関東以北勢については地元で適鞍激減のため、何とか枠を確保してあげたいところ。佐賀セイユウ賞におけるブロック割り振り、すなわち北海道、東北、関東地区2頭ではあまりに厳しい。ここでは具体的な私見は控えるが、選りに選りすぐっても他地区8頭は枠が欲しいところ。ホストの兵庫にとっては割り当て4頭で不満もあろうが、最強の精鋭4頭で迎え撃つとなればいやがうえにも緊張感は高まるのでは?

と、ここまでが前編、後編は出走選出馬の横顔など。
2000.9.17 記

兵庫発アラブ現場主義 後編、出走予定馬の横顔
ホームに戻る