1999年、アラブ系重賞観戦報告ダイジェスト

その2:8月〜12月
これらは1999年中に競馬場で現場観戦したアラブ系重賞についての覚え書きです。 一部重賞ではない特別レースも含みます。
なお、これらはスピードハナキオーさん宛のEメールの文章に加筆したものです。


8月13日、摂津盃(園田、1870m)
本命毅ノースタイガー、逃げるも直線沈む。政宏オリジナル、 粘る三野マキオリンボーをゴール前灰色の末脚で差し切り重賞初V。枠連万馬券。3着永島ヤングメドウ。 これでオリジナルは昨春のフクパーク記念でぶっちぎられたタッカースカレーに1年半越のリベンジを果たす。


8月15日、金杯(福山、1600m)
夏の福山オープン馬の揃い踏み。王者サンワテイオー、これを最後に荒尾へトレード、1番人気。戦前は差し有利の見立て。 ところが人気の差し馬総崩れで、1着は逃げた福山名物バカ逃げのモンゴルムーン、重賞初勝利。 2着は9歳馬アサリュウキングの先行粘り腰。3着これも先団からピアドハンター。 4着ミナミセンプウが鬼脚の意地。結果としてこれが彼の現役最後の姿。 サンワテイオーは福山ラストランを勝利で飾れず。


10月10日、タマツバキ記念山陽杯(福山、1800m)
西日本各地区の大物と福山オープン勢との大一番。 ハナは名物モンゴルムーン、1周目直線スタンド前はモンゴルと佐賀のフクヨシオーがバカ逃げどうしのランデヴー。 太エイランボーイ、道中は先団、楽に抜け出し圧勝。2着は貫禄で岩田ケイエスヨシゼンの追い込み。 3着は狙った通り?の好位アキフジクラウン。エイランボーイは初の他地区遠征で全国にその強さを知らしめる。
モンゴル&フクヨシオー(45KB)
タマツバキ記念、モンゴルムーンとフクヨシオーのランデヴー走行


11月7日、とちぎアラブ王冠(宇都宮、2000m)
大本命ホマレスターライツ、ゲートで絶望的な出遅れも、 道中異次元の走りでゴール前快足イーシーキングの強靱な逃げ脚を捉え劇的V。 ホマスタは当日パドック気配に活気なく、歩様も気になり完調とは言い難かったはず。 それでもなお競馬場の職員さんも驚く勝ちっぷり。曰く「普通あれだけ出遅れたら届かない。」 まさにホマスタ怪物伝説のフォルティシモ。
ホマスタ(46KB)
とちぎアラブ王冠、ゴール直後のホマスタ。
物凄い形相、まさに怪物。


11月10日、姫山菊花賞(姫路、2000m)
デビュー以来9連勝、10連勝を賭けた素質馬クインラマvs六甲盃2着、トライアルは勝った上り馬ニシノハクリュウ。 先行クインラマ、これを道中見ながらレースを進めた松平ハクリュウが好位から、直線外にヨレながらも充実の勝利。 2着は忘れれらかけたのじぎく賞馬、岩田テン乗りのオリオンザダンサー。クインラマは結局3着。 9連勝のパートナー小林から太への必勝を期した乗り替わりも実を結ばぬ結果に。


11月14日、福山菊花賞(福山、2250m)
アキフジクラウン、この秋はタマツバキで兵庫勢の3着となった以外の2走は負け知らず。ここも本命。 例によって好位から、着差はクビながら余裕の勝利。完全にアキフジ政権を樹立。正月の大賞典に向けて視界良し。 2着は上り馬パッピーケイオーが先行してしのぐ。3着この秋堅実なモナクダイキチ。4着ブラウンソプラノの届かぬ追い込み。
福山菊花賞(45KB)
福山菊花賞、直線
抜け出すアキフジ(黒帽)、インで粘るパッピー(緑帽)、間にモナクダイキチ(橙帽)


11月28日、西日本アラブダービー(福山、2250m)
各地区の有力馬不在で、兵庫の二冠馬、太ワシュウジョージ断然ムード。1300万円持ってけ状態。 焦点はワシュウの勝ち方か、といわれる中、鞆の浦賞馬、地元のマルサンダイオーが大健闘。久保河内、引っ掛かるのを嫌ったか、 逃げを打つ。ワシュウ道中2・3番手でいつもより早めの競馬、2周目3角から発進して楽勝の筈、が、 ここからマルサンが馬体を併せてゴール前まで抵抗。最後は1/2馬身ワシュウが勝利。 マルサンダイオーを誉めるべきなのか、ワシュウの実力の程度に?を投げかけるべきなのか。


12月8日、園田金盃(園田、2400m)
5頭立ての兵庫最強馬決戦も、その実はケイエスヨシゼンvsエイランボーイの年度代表馬を賭けた一騎打ち。 逃げた永島エイラン、直線岩田ヨシゼンの追い込みをゴール前ハナ差しのいで優勝。エイラン、巧さと忍耐の勝利。 秋以降平場レースは重斤背負い続けながらもここまでよく保ったと思う。 彼に残された敵は"鞍上が定まらない己が境遇"だけか?(笑) ヨシゼンは気分屋の性格が災いしたか。当日のパドックは気合い無し。道中の反応も悪し。 これでヨシゼンの金盃制覇の悲願は夢と消える。
園田金盃(47KB)
園田金盃、ゴール2m前
粘り込む内エイランボーイ、外からケイエスヨシゼン


12月29日、とちぎアラブ大賞典(宇都宮、2000m)
斤量の問題で出否が微妙だったホマレスターライツ、結局56kのハンデで無事出走。中間緩めたか、明らかに太めの馬体で登場。 ライバルイーシーキングは栗毛でパンパンの好馬体。斤量52kでホマスタとは4キロ差。ホマスタ打倒を狙う。 サカノブルショワの黒い馬体もいい感じ。尾花栗毛のトチノライデン、馬体にも金色の刺し毛が光る。 逃げるサカノブルショワ、イーシー2番手も2周目早目に勝負をかける。そしてホマスタ、 2周目で3角スパート、直線入り口でイーシーを捉え、斤量4キロ差など問題にせず快勝。2着イーシー。 怪物充実の1年を勝利で締めくくる。目指すは佐賀、そして不動の日本一の称号。


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