第18回奥の細道大賞典観戦報告

 2000.11.21、上山、2300m

はじめに
"アラブ北の最後の聖地"上山の、アラブ古馬(含4歳以上)戦線、シーズン最後の頂点決戦、奥の細道大賞典。個人的には観戦は必須ということで、かなり早くから観戦スケジュールの重点に据えていたレースである。
今回の山形への足は飛行機。というのも、大阪−山形間の航空便(JAS)に関しては、月、火曜日の便に限り、売出5日間割引があるため。通常運賃片道27,000円のところ(この路線に特割はなし)、上記割引にて購入すると何と片道9,200円!往復18,400円に空港までの足の料金を加算しても、新幹線−在来乗り継ぎで宇都宮へ行くより遙かに安い。件の"奥の細道"は平日火曜日、これが使えるわけで、売り出し日(搭乗日の2ヶ月前)の9月21日に、一も二もなく旅行代理店へ走った次第。つまりは9月23日かかしまつり賞の時点で既に"奥の細道"行きが決まっていたということ。

飛行機といえば、前回の上山行き、かかしまつり賞の時に、寝坊で飛行機に乗れず、というおマヌケ、苦い経験があるワシ。往路に搭乗予定の便は伊丹8:00発。今回は「寝坊だけはしまい」と、徹夜敢行。前週の白鷺賞@姫路の観戦記をしたためて夜を過ごし、書き上がってHPにUPしたのが午前4時。それから支度を整え住処を出たのが5時。西明石5:24(始発から3本目)発の各停に乗車、三ノ宮で阪急神戸線に、十三で宝塚線に、蛍池でモノレールに、と乗り換えて、伊丹空港着が7:15頃。搭乗手続き等無事に済み、飛行機は定刻にテイクオフ。正味1時間の空の旅で9時過ぎには山形空港に到着。飛行機は速いねえ。って、以上のように、飛行機搭乗時間より、空港までの所要時間が倍以上かかってるやんか!このあたりがワシがあまり飛行機を利用しようとしない大きな要因。加えてワシ、「飛行機、苦手なんです。」機内と座席の狭さ、圧迫感が駄目。バスの密室感ですら苦手なワシであるからして、飛行機のあの感じは"勘弁して下さい"状態。鉄道なら降りたくなったら停車駅で脱出できるが、高速バスと飛行機がそれが不可能、そのプレッシャー、イヤなのよ。
まあ、それはともかく無事に山形の地に。空港から山形市内まではバスで、所要時間45分ほど運賃710円。10時過ぎに山形駅前に。ここからは路線バス、運賃220円、20分くらいで競馬場前に到着。約2ヶ月振りの上山競馬場である。

メインレースまで
入場した時は1レース発走5分前。まる1日上山競馬を満喫できる。観戦スタンドの、通常は吹きっさらしの観戦席の部分には、寒冷期の名物、ガラス(というか透明アクリル板か)張りの防風壁?が既にはまっているし、スタンド内には、温風ストーブのお化けみたいな代物が所々に何台も設置され、すっかり冬支度の様相である(とはいえ競馬開催は12月半ばまで、以降4月中旬までは冬季休催)。
ブランチにソバと名物玉コンニャクなど食し、ぼちぼち馬券。手堅く3点勝負をこつこつ続けるが穴狙いというわけでもないのに、ちっとも的中してくれない。
天気は曇り。事前の予報では雨であったのでまだ運がある。飛行機が山形空港に着いた時には陽も差していた。そして馬場状態は重。馬場外目の方が伸びる、この競馬場特有の、かつ通常のもの。逃げ、先行馬に、好位以降から直線外目を差し込む馬が絡む決着が多い印象。

馬券全敗で迎えた6レース、何とこのレース、本命−対抗の枠連、馬連、締め切り5分前までともに1.0倍!アホらし!と、この両馬へ、板垣鞍上の単穴評価馬から2点買い。
と、ここに栃さんが現れる。「6レース、アラブ3歳A1だよね、ゴージャパンの2番手探し」。そう、実はこのレース、ちょっと注目すべきものだったのた。そして栃さんと出走馬を改めて確認すると、本命馬ホマレエリートは重賞若草賞でゴージャパンの3着に敗れた以外は5戦全て勝利の大物、対抗ミスターハヤブサは前走補助馬特別レースの若松特別でゴージャパンを破った馬。と、他馬とは実績実力とも段違いであろう2頭だったのだ。「しまったな」と思ううち、締め切り直前には連複オッズは1.2倍くらいに上がってきている。
そしてレース、もうそれはそれは順当にホマレエリートの先行勝ち、2着も外目を追ったミスターハヤブサ(詳細失念)。そして配当が枠連130円馬連120円。「銀行レースだったか・・・」とは後の祭り。

この6レース前、地元山形在住のサラ原理主義者(大爆!)いやいやアラブ原理主義者にしてペルターブレーブ信者の山形シチーさんがご来場。
スタンドで暫し栃さんと語らう。「ねえ23日、予定あるの?」と彼。「いやオフです。何かあるの?」「イーシーキング、いよいよサラ重賞挑戦、来ない?」「いや〜無理だわ、それって何てレース?」「天馬杯、距離千四、イブニングスキーとかキングフィーバーとかいるけど絶対勝負になるよ!」。そしてその結果は、イーシーサラ重賞制覇!栃さん、愛息の勝ち姿に2日後現地にて立ち会うこととなる。

※レースのみに興味のある方はここからお読み下さい
そして奥の細道大賞典賞
今年の上山アラブ古馬戦線。4月の開幕以降前半は、5歳マルハチフレンドが筆頭を張り、その間仙台七夕まつり賞勝ち。8月盆の日本海記念は、4歳筆頭アオイリュウセイがマルハチ撃破で古馬戦線の大物へと躍進。そして9月かかしまつり賞、上記2頭に、故障が癒えて戦列復帰の昨年の王者ペルターブレーブ、6月の東北アラチャンで3着マルハチに先着の2着の後、岩手から転入でそのまま居座ったタービュレンス、昨年までの実力派ビソウウエスタンを加えた五強対決となったが、ペルターが復権のV。
といった闘い模様を描いて、メインレースの奥の細道大賞典、総決算、頂点決戦の時を迎える。距離は2300m、上山競馬施行最長距離。紛れは少なかろう実力勝負の舞台。

出走馬、内枠より以下の12頭。()内は、馬体重と斤量。
トチノキング(523k、57k)、ムーンライトブルー(516k、56.5k)、タービュレンス(495k、57k)、ペルターブレーブ(500k、57k)、サファリルージュ(455k、55.5k)、マクベスフォンテン(520k、56.5k)、カミノマルーエース(486k、57k)、スズヒロフレンド(518k、54.5k)、ドリーミング(470k、55.5k)、マルハチフレンド(515k、58k)、ヤマトスズラン(470k、53k)、アオイリュウセイ(510k、57k)
かかしまつり賞時の五強のうち、ビソウウエスタンは先月金沢に転出し、この地にはもうおらず、そしてタービュレンスが、かかしまつりで7着沈没で転入以来初の敗戦それも惨敗、さらにその次走も6着敗退と、調子下降傾向著しい模様で、結局今回、図式はペルター、アオイ、マルハチの三強対決の様相(この五強の横顔は、拙HPのかかしまつり賞観戦報告にて触れておりますのでそちらをご覧下さい)。しかしながら3頭横一線というわけではなく、ペルターブレーブが抜けた評価。予想紙の本命ズラリ。2番手もアオイでマルハチが戦前の評価では2頭に若干水を空けられた形。
因みにこのレース、ファン投票レースとのこと。その投票結果はこの通り(ここをクリックすると別ウィンドウに表示されます)。やはりペルター、断然のファン投票1位であったようだ。

ということで、いよいよ出走馬がパドックに登場。かなり暗い曇天。時折雨粒が落ちる。
ところで先に挙げた出走メンバー、何故に馬体重も併記したかというと、ご覧の通り、みんなデカいのよ!500k以上の馬が半数以上の7頭もいて、さらにタービュレンスも495kでほぼ500k弱。500k超の馬が特段抜けて大きくも見えず、視覚がちょっと麻痺する。
まずもって大本命ペルターブレーブ。重賞連取そして"奥の細道"連覇がかかる。その馬体、体重500kはこの馬の適正体重。ワシが前回目撃したかかしまつりの日のそれは488kでベストよりはやや減っていたようだ。その数字通り、今回は前回に比べて馬が大きく見える。灰色まだらの芦毛なので、毛艶が良いのだか悪いのだかは判断しにくい。程々の闘志の発露。"狂気の芦毛"というほどはうるさくはない。贔屓目たっぷりだが、概ね良好なのでは。「今日はペルター多分勝てるでしょう。」と、山形シチーさんのお墨付きも出る。
アオイリュウセイは相変わらず凄い腹袋のボリューム感。元来の体型であろうとはいえ何度見てもびっくり。非常に活気溢れる周回。「やっぱりアオイリュウセイ良いわ!」と、思わず栃さんも口にする。いつもの吊りハミで緑のパドックメンコ。イセイチフブキもそうだがメンコの似合わぬホーエイヒロボーイ産駒の代表といった感じ。
マルハチフレンド、馬体重はかかしまつりの時と変わっていないが、胴体がとてもスッキリした印象が強い。ソコソコ長くボテッとした胴回りといった記憶があったのだが、今日はシャープに見える。主戦小国騎手がマクベスフォンテンに騎乗のため(こっちが自厩舎のようで)長橋騎手に乗り替わり。そのせいもあってか、前走本命アオイを破って1着した割には人気が上がっていない。斤量唯一58kでトップハンデということも手伝ったか。妙に脚質に自在性が出てきているようで、今回先行するのか好位から行くのかが注目。
タービュレンス、雄大な馬格というのが彼に抱くイメージなのだが、今日の彼、とてもちっちゃく見える。それは他馬がよりデカいからということゆえではなく、ホンマこじんまりとしてしまっている。威圧感と言おうか、発散するものがない。これは栃さんも同意見。毛艶や張りは良好ではあるのだが。このあたり、彼の現状を反映してのことなのか。
と、以上が既存有力勢。その他では、前走B級重賞の最上川賞を勝ち、その前は4歳重賞コスモス賞でアオイの4着、さらにその前はB級戦で3歳最強ゴージャパンに土を付けた(自慢にらなぬか?)ヤマトスズランが結構人気。この馬はスッキリしていて活気もあり、好感。あとはA級2組の堅実派のマクベスフォンテンが穴人気。これは腹袋がボテッとした馬。実入りがよさそう。しかし周回気配は普通。加えて、オープンの常連で堅実派カミノマルーエースの気合い乗りの良さが非常に目立つ。
騎乗命令がかかり、周回が止まる。目の前に止まったペルター。ちょっと顎を上げて睥睨気味。その時の三白眼に、チラッと狂気がのぞいたような・・・

各馬本馬場に入場。ペルターは厩務員さんに手綱を曳かれて外ラチ沿いに登場。ゴール前30mあたりまで曳かれていって、ここからキャンターに。ソコソコ強く。
タービュレンスが以外にも強めにキャンター。アオイは1周ダクで流して2周目ゴール板前からキャンターへ。カミノマルーエースの気合い充分のキャンターがここでも印象的。マルハチはダク。

で、予想。当然軸はペルター。相手は戦前の大勢の評価通りアオイを本線。この2頭は長距離戦でも能力落ちはなかろうと。続いてマルハチ、さらにヤマトスズラン、マクベスフォンテンへ少々。栃さんはかかしまつりに続いてここもマルハチ狙い。曰く、「前走アオイに勝ってるしねえ、一時期よりはまた持ち直しているよ。人気も意外に上がっていないし、オイシイよ。」

いよいよレース発走。上山二三は4コーナーを回った直線入り口がスタート地点。ここから丸2周と少し。ホームストレッチを三度通過する。
スタート。勢い良くハナに立ったのはタービュレンス。何が何でもの構えでガンガンと前に。2番手にカミノマルーエース、マルハチはまずは好位からの模様。先頭タービュレンスを写真に収め、ペルターの通過を待ち構えていると、それまでに相当の間があってようやく目の前を通過、これは後方4番手だったらしい。この外直後にアオイリュウセイ。
長距離戦らしく、比較的縦長の隊列で各馬1周目をこなし、2度目のホームストレッチに。先頭は相変わらずタービュレンス、後ろとはまだ間隔がある。1周目の道中で押し上げたマルハチがタービュレンスの次列の内に位置する。その外は先団キープのカミノマルー。アオイは元来差し脚質ながらもこの時点でマルハチの直後まできているという意外な展開。ペルターは相変わらず中団、本来の差し競馬を決め込んでいる様子。鞍上冨樫との折り合いはバッチリか。

2周目(37KB)
2周目直線、先団前列
2番手マルハチ内の吊りハミ姿がアオイ外の橙メンコがカミノマルー

隊列は2周目1、2コーナー。このあたり、早々にタービュレンスが売り切れ後退。替わってフロントにマルハチ、そして早くも、あまりに早くもアオイが3番手に出る。ここでもカミノマルーは先団キープ。
2周目向こう流し、沈没タービュレンスを切って捨ててマルハチフレンドが奇襲気味のロングスパート、蓋が外れてしまった塩梅にアオイも連れて前へ。そしていよいよこのあたりから、ペルターが先行勢を交わしにかかり始める。
三分三厘、先頭快走のマルハチ。「アオイリュウセイこりゃ駄目だなあ」の栃さんの声の通り、アオイが脚を使い切ってしまったのか、明らかに伸びを欠き始める。一方ペルター、自力で、しかも馬なりで前を抜き去り、前列にやって来る。
そして最後の直線、先頭はマルハチフレンド、脚色は衰えることなく馬場のインコースを快走。そして馬場の外目、ペルターが2番手に躍り出る。目指すはマルハチただ一頭。

2周目(27KB)
最後の直線半ば
逃げ粘るマルハチ外目を追い込むペルター、その差はまだまだ

直線も残り半分、マルハチとペルターの差はまだ5馬身はあろうかと。ペルター追い込むもマルハチも止まっていないらしく、さほど差が縮まらぬように見える。「ああペルターこりゃ届かないのかなあ?」との不安がワシの脳裏をよぎる。覗いたカメラのファインダーの中、狙いをマルハチにすべきかペルターにすべきか、逡巡の時間。まずはマルハチで1枚。
ゴールまで残すところ2,30mとなって、ようやくペルターの加速感が見て取れるように。マルハチとの差はあと2馬身。こうなってくると、ピントは一か八かでもペルターに。「お願い!差してくれ、ペルター様」と心中で祈る。
と、ここからが光景が圧巻。手足と胴体のよく伸びるペルターのそのフォームがさらに大きくなり、一完歩ごと、明らかにマルハチを追い詰めていく。そしてゴール寸前の数完歩で遂にマルハチと馬体が合い、決勝線通過のまさにその瞬間、ペルターの馬体が伸び切る。しかし内のマルハチも同様で、両騎鼻面を並べての入線、際どい!

ペルター超絶ゴール前(41KB)
「うぉりゃ〜!!」
ゴール板前マルハチを蹴落とすペルター様、これが真骨頂

「おおっ、どっちだ?」と、隣の栃さんと顔を見合わせつつ、ゴール板を通過した二頭を見やる、と、ゴール後2,30m、関係者エリアを通過するあたりで、ペルター鞍上冨樫の左手が上がる。「おう!(ジャンボ鶴田か!?)」とばかりに関係者さんにアピール(恐らく)。「やっぱりペルターかあ」と栃さんと。
最後の直線、ゴール前のリプレイが馬場内ビジョンに映し出される。逃げ込むマルハチにペルターが急襲。凄いストライドで迫り来て、馬体が合ったのがまさにゴール板の真ん前、その瞬間、馬体が伸び切るペルター、グイと突き出したクビでマルハチをクビ差蹴落としている。「ホンマにこの馬絶対ゴール板の場所わかってるわ。ホンマスゴいわ!」と、感動のワシ。
そして3着が終始先団キープでしのぎ切ったカミノマルーエース。4着ペルターに連れて差し込んできた、単勝最低人気のサファリルージュ。5着道中好位だった模様の単勝10番人気ドリーミング。アオイリュウセイは結局8着。なおブービー11着のヤマトスズランがゴール後下馬、故障発生か。タービュレンスはこのヤマトスズランからもさらに遅れて最下位、"北の原潜"、三度(みたび)撃沈。

表彰式にて、マスコットガールのおねえちゃんからインタビューを受ける冨樫騎手。そのやり取りはこんな感じ。
−冨樫騎手は上杉まつり賞に続き重賞連続制覇、絶好調ですね。
「いや単に運がいいだけです。」(素っ気ないなあ)
−さてレースですが、道中どういったことを考えて騎乗していましたか?
「何も考えず馬の走る気に任せて」(そればっかりやん)
−直線は激しい争いでしたが、勝てる自信はありましたか?
「いつもああいう競馬をしている馬なので、最後は絶対に交わせると思った」(まあ馬が偉いからねえ)
−2300mの長距離ということへの不安は?
「距離については全く不安はない」
表彰式を目にしながら、栃さんと語らう。「やっぱり是非一度全国交流挑戦して欲しいよねえ」「今年こそセイユウ賞行くしかないでしょ。絶対荒尾だね」と。そして表彰式の後、栃さんと一緒に、「荒尾に行こう!」と声を掛ける。

レイを纏ったペルター(40KB)
レイを纏ったペルターブレーブ
「どんなもんだい!」といったところ

総括など。
まずもって勝者のペルターブレーブ。前回かかしまつり賞の楽勝もそれはそれで嬉しかったが、今回の勝利は格別。昨年の重賞で三度ビソウウエスタンを蹴落とした、並んだら、叩き合いになったら絶対に負けない、ゴール板前で必ず抜ける怒濤の末脚、そのパフォーマンスを観てみたかったという、一年越しの願いが叶い、感激。昨年の彼の活躍を観たことのある方々にとっては「あれが彼本来の姿で、やっぱりやってくれた。」というところだろうが、初体験のワシはホンマ興奮しましたです、はい。
2着マルハチフレンドの2周目1コーナーからのロングスパート、作戦としては完璧だったと思う。道中若干掛かったらしいがそれは予想されたこと。最後の直線も決して止まってはおらず、好走であることは間違いない。ナイスフレンド産駒ということで長距離適性や成長力、大物感に個人的には疑問があったのだが、なんのなんの。まだ5歳、打倒ペルターの旗印を掲げて来季も頑張れ。
3着カミノマルーエースは、出入りの多いレース展開の中、終始3番手あたりの先団をキープしての複勝圏。実のところパドックから返し馬にかけて、気合いの充実ぶりと見た目がとてもよく、ちょっと気にはなってはいた。複勝配当390円の掲示を見て栃さんが「しまったなあこれはカミノマルーエースだったなあ」と漏らす。
アオイリュウセイの8着大敗の最大の要因は、彼本来の差し競馬ができなかったことにあろうかと。道中先団から2周目早々に3番手の位置取りは、戦法ではなく、ずばり「掛かった」とのこと(コルトさんの御教授)。この馬、5月の楠賞@園田でも、長丁場を道中の超スローペースに思いっきり引っ掛かって着外敗退であった。ゆったり折り合える場合と掛かる場合との走りっぷりの落差があまりに大きい。血統やその脚質から長距離適性ありと、予想紙もワシも見込んだのだが、存外長距離が苦手なのかもしれない。加えて今回は大外枠に入ったことも、前に馬の壁を置けず掛かるのを助長したとも。今回は不本意な結果となってしまったが、今後上山古馬戦線を牽引していくことが必須となる馬なので、来季の巻き返しを望む。
殿大敗タービュレンスは、いくら長距離得手ではないにせよ酷いなあ。かかしまつり賞以降の不振、一過性のものなのか、もう「終わっちゃってる」のか?このまま終わってくれるなよ、かつての"貴公子"。

おわりに
最終レースも終わって、皆さんに挨拶し、競馬場を後にする。競馬場から山形駅前までの無料ファンバスに乗車。往路の路線バスは狭い旧道を走ったが、このファンバスはバイパスを通るので、かなり短時間で山形駅に到着。
駅ビルの店舗でお土産を買い、空港行きのバス停に行こうとしたところ、競馬場で別れた栃さんとばったり。これからオフ会を駅前の居酒屋でやるからとのこと、で、ワシも短時間ながらも加えてもらう。参加されているのは、『さくランス』発行人のコルトさんと、その同人(?)のブルボンさん。そして地元の若人お二人に、栃さん。山形シチーさんは遅れて参加とのこと。結局山形さんが加わる前に早々に辞去。再度バス停へ向かう途中、山形さんにばったり。別れの挨拶をして空港へ。
復路の飛行機は関空着の便。無事に関空に到着し、JRの関空快速、新快速と乗り継いで帰宅。この頃栃さんは大阪へ向かう、裏日本路線を走る寝台特急"日本海"の車中。翌日は兵庫ジュニアグランプリ@園田を観戦。サスガ!

最後に。ペルター様、お願いだから荒尾のセイユウ賞にやって来てください。レベル差実力差が及ばず、敗退したとしても、それはそれで納得します。が、とにもかくにも、一度全国の強豪と、対戦して欲しいのです。捲り差しのワシュウジョージに、もし食いついていける力があるのなら、直線馬体を並べての叩き合い、叶うかもしれないじゃない。夢?そう、その光景を夢見て、この年末年始、二カ月を過ごすことにしよう。
とにもかくにも、ペルター様、
「荒尾に行こう!!」

2000.11.29 記

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