第30回日本海記念観戦報告

 2002.8.16、上山、1800m

はじめに〜併せて出走馬について
上山競馬、お盆開催、それも8月16日恒例の重賞、日本海記念。当地に現存するアラブ系重賞の中でも、最高の賞金額を誇る、まさに上山アラブ競馬の頂点に位置づけられ得る競走である。今なお添えられる「農林水産大臣賞典」の肩書きは伊達ではない。というわけで、それに相応しい強豪達による熱戦を期待するところであるのだが・・・

昨シーズンの後半来、有力馬の他地区転出が相次ぎ、オープン勢の層が非常に薄くなってしまっているとは、先月7日に施行された、仙台七夕まつり賞の観戦記にて記した通り。従来ならば、A級を張ることすらおぼつかぬであろう馬までもが、否応なく重賞に動員される状況。
加えて今回は、上山アラブ主役の1頭マルハチフレンドが回避。"仙台七夕"を本命で3着に敗れ、メゲたか、以降戦列を離れている。そして・・・
――ペルターブレーブは、もう走らない。
7月20日(だったと記憶している)、調教中に左前種子骨を骨折し、引退することになったという。日本海記念連覇にして3勝目、5年連続重賞勝利にして10勝目、偉業達成は幻と消えた。その雄姿、あの超絶な末脚を目にする機会は、今後2度と訪れない。

話題をレースに戻す。このような現状のもと、出走馬は内枠より以下の通り。無理から動員したような、フルゲート12頭。()内は騎手、性齢、斤量。
テツノホープ(小嶋、牡4、54k)、タカスペシャル(宮下、牡4、54k)、トガミアスリート(関本淳、牡4、55.5k)、エルソパレード(前野、騙5、57k)、マルサワンライム(鈴木義、牡4、56.5k)、レビンマサ(関本秀、55.5k、牡3)、サファリクラッシュ(須田、牡4、56k)、ブルーユキコ(江川、牝6、55k)、セイフクガバナー(佐藤庄、牡5、57k)、ヨシゼンファイナル(小国、牡8、56k)、ホマレリクオー(馬渕、牡3、54k)、ムーンライトブルー(佐藤涼、牡6、57k)

「三強、オマケして3.5強ってところだなあ。」とはくもぎりまるさん。すなわち、昨年の2歳全国チャンプであるレビンマサ。先月仙台七夕まつり賞を勝ったムーンライトブルー、昨季重賞2着3回、しかし勝てないエルソパレード。コンマ5は、今季オープン2勝のセイフクガバナー。

何とも物足りないメンバーとなってしまったが、それでも現地観戦するべく山形へ。「ペルター様が去っても、上山アラブが終わったわけではない。」と、自分に言い聞かせつつ。
因みに同日は、お盆開催にて廃止、終了が決定してしまった、益田競馬最後の日でもあった。予定変更してこちらに向かう手もあったのだが、それは諦めた。

当日の概況など
前日は園田で摂津盃を観戦。山形へは今回は大阪−山形間の夜行バスに乗って。晩の20:12に難波を出発して、山形到着が翌朝7時半頃。3列シートのリムジンバスとはいえ、、片道約12時間のバス旅は結構キツい。
競馬場の開門まではまだ間があるので、上山の駅前まで行って、温泉の公衆浴場でサッパリする。「上山温泉の湯は非常に熱い。」は温泉業界では定説だそうだが、ワシには非常に快適な湯加減であった。そして10時半前に競馬場着。

天気は概ね曇り。やや湿気があるがそれほど気温が上がらず、結構過ごしやすい。
馬場状態は重。地元ブルボンさん曰く、前夜にかなり雨が降ったとのこと。それでも馬場の表面は乾きつつある。「昨日は内が重いからか、みんな外回してた。逃げ馬が五分どころ通ってたんだもん。」とは、これもブルボンさん。レースを見るに、今日はそこまで極端な状況ではないような。逃げ馬は概ね三分どころを通り、終い外から差し馬襲来でゴール前接戦という、この競馬場らしい競馬が展開される。砂は軽め、補充はなかろうとのこと。「今季は概してタイムが従来より速い。」とはくもさんや山形シチーさんも言及するところ。
因みに今開催より、馬単、ワイド、3連複の新馬券発売がスタート。全国の地方競馬の中で、連単馬券の導入が最も遅れてしまった上山だが、これで一足飛びに券種豊富な競馬場となった。くもさん曰く「3連複はこの競馬場に合ってるみたい。なかなか面白い。」と。ワシも新馬券にチャレンジするも・・・難しいですな。

メインレースまで〜その他のアラブ競走
メインレースまでに、ちょっと注目の競走が幾つか。
まず第1競走、2歳A2戦。1250m、7頭立て。勝ったのはボールドスタント。前開催のデビュー戦3着でここへ臨み、先行早め抜け出した。この馬、レビンマサの半弟。父がホーエイヒロボーイからキングトライに変わっている。キングトライといえばあのホマレスターライツの半兄。多分今年の2歳が初年度産駒。「へー、キングトライ子ども出してるやん。兄は種牡馬になれてホマスタは?ってのが時代やなあ。」とディープさん共々思う。兄は500k超の巨漢だが、この弟は馬体重425k、見た目もあまり似ていない。どこまで出世できるか。
第7競走はB級優勝戦。1500m、11頭立て。個人的注目馬は、ホーエチャンピオンの全弟の3歳チャンピオンマサル。仙台七夕の日に勝つ姿を目にしており(これが前々走)、この日も期待大。しかしレースでは、絶好の先団次列に収まりつつも、後半差し馬に捕まり、最後の直線脚が上がって4着止まり。同じ3歳モリノメロディーが、好位から抜け出し、直線独走で楽勝した。前半前付けした連中が差し馬に食われる展開は、この日かなり多い。
第9競走はA級選抜戦。1500m、11頭立て。近走成績が振るわず、メインの日本海記念に駒を進められなかった馬によるレースといったところ。それ故に、かなり難解な一戦。注目はローレルタイタン。新潟公営最末期の有力馬。今季当地に転じ、4戦1勝。前開催はA1で9着大敗し、日本海記念に辿り着けず。他にも、ずっとA1を張ってきたサファリルージュ。連勝で仙台七夕を格上挑戦するも8着にブタれたモリノシルキー。昨年末福山に転じ、十分通用していたにも拘わらず、何故か出戻り今回その緒戦となる3歳ワタリハンター。これらが有力どころか。
勝ったのはワタリハンター。好位3列目あたりから進出して快勝。鞍上前野幸一騎手は、これで通算1500勝達成。2着モリノシルキー。ローレルタイタンは一旦ハナを切りつつも1周目のホームでは2番手以下に下がり、粘り切れずに3着、ワタリハンターから遅れること9馬身の完敗であった。

ワタリハンター(35KB)
前野騎手、通算1500勝達成のゴール
駆るは"出戻り"ワタリハンター

日本海記念、パドックから発走まで
さて、メインレースのパドックタイムである。
1番テツノホープ。スッキリした馬体で毛艶も良好。近3走1着2着2着ときているが、それぞれB1A3A3と、明らかに格下。「父ゼンニホンの4歳馬か!まだ産駒おるんやなあ。」と皆さんでちょっとびっくり。
2番タカスペシャル。芦毛ということもあってか、ちょっと太く映る。ゆったりした首差しと胴体で、芦毛ながらもビソウサウス産駒らしくない。前走A3戦6着、概ねA3からB級上位の馬。
3番トガミアスリート。ガッチリした馬体だが、腹回りは緩いか。艶のないくすんだ栗毛の体色で、見映えはしない。前々走仙台七夕は最下位、前走A2戦を5着、差し馬。
4番がエルソパレード。馬体の艶も張りも充分、黒鹿毛の肌がぬめるように光る。やや細身で歩様が硬いのはこの馬の常だと思う。出来落ちはなかろう。前々走仙台七夕は先行競馬が裏目に出たような4着、前走A1戦3着。
5番マルワサンライム。スラッとした馬体で大人しく周回。しかしやや平凡か。前々走仙台七夕は先行善戦の5着、前走A1戦4着。有力どころ以外の中では、進境の目立つ1頭。ただし距離延びると苦戦のようだ。
6番がレビンマサ。これまでの緑メンコと異なり、赤いパドックメンコを被って登場。おかげでパッと見彼だとは気付かなかった。毛艶も馬体張りもこの馬なりで問題ないだろう。若干胴は太いか。悠然と落ち着いた気配、確かな踏み込みもこの馬らしいところ。仙台七夕は2着、前走A1戦はセイフクガバナーにハナ差届かず2着。今季未勝利だが、3歳馬の身で全て古馬A1を走ってのもの。安定感は今や屈指。主戦の板垣騎手が、今日は盛岡のクラスターカップのために出張しており、関本秀幸騎手が代打騎乗。
7番サファリクラッシュ。ギタバタしたトモの送りで、肩の捌きも硬い。身のこなしは落ち着きもありつつキビキビしていて悪くはない。前々走仙台七夕6着、前走A2戦を2着。追い込み一手なので、ハマれば凄いらしいが、一線級の中に入るとどうしても地力が足りないようだ。
8番ブルーユキコ。毛艶良く、スリム。踏み込みもしっかりしている。これも新潟OBで今季当地に転入。漸次調子を上げ、前々走A2で2着、前走A2戦1着、これが上山での初勝利。父はサラのミルジョージ。
9番セイフクガバナー。ドンと太い馬体はこの馬ならでは。毛艶も上々。ちょっとキン○マが下がり気味。仙台七夕では痛恨の出負けで不本意な後方からの競馬で7着も、前走のA1ではレビンマサを振り切って勝利。「この馬ニシケンシーザーの半兄ですわ。今気付いたけど。」とはディープさん。見た目は似ていないが脚質やキャラは何となく近しいような。
10番ヨシゼンファイナル。前々走仙台七夕の日のA2戦を勝利、前走A1戦5着。前々走目にした時より、毛艶や馬体張りが格段に上がった。ガッチリとして見た目に好印象。
11番ホマレリクオー。世代トップのレビンマサが福山遠征で不在だった、昨年末の2歳重賞若竹賞の勝ち馬。そしてあのホマレエリートの半弟である。今季序盤はピリッとしなかったが、次第に上向き、近3走はA3で2着1着1着でここに登場。ちょっとガチャガチャ煩い周回気配で、トモの送りも硬い。姉と異なりどうもしなやかさに欠ける。ワシは目にするのは今回初だが、案外のルックスである。
12番がムーンライトブルー。馬体の実入りと張りは良好、しっかりと踏み込んで歩いている。そして舌をモゴモゴと。周回途中欠伸をかましたのはどうなのか。仙台七夕を逃げ切り優勝、しかし前走A1では、1番人気をあっさり裏切って6着敗退。相変わらずの気まぐれキャラ。

本馬場入場から返し馬。ムーンライトブルーは例によって入場口から1コーナーへぶっ飛んで行き、真っ先にホームを流す。やや口向きが悪いが力強く。テツノホープも遅れて入場し、一角方向へ直行。セイフクガバナーは外ラチ沿いを厩務員さんに曳かれてゴール板前まで。エルソパレードのキャンターは力強いがこれも口向きは悪い。ホマレリクオーはやや強く。マルワサンライムは頭を上げてバタバタと。レビンマサもしっかり駆けるが、リラックスしているよう。

予想。2連勝式を当てようとするのであれば、前述の3.5強までを考慮すれば間に合うだろう。問題は誰を中心に据え、どう狙いを絞るかということ。
軸としては大勢の評価通りレビンマサでいいと思う。決め手に欠けるきらいはあり、距離千八も現状ではちょっと長いかも知れぬが、相手関係を考えるに、大きな割引材料ともなるまい。エルソパレードが相手筆頭、2着までに入る確率はレビンに準じて高いかと。ただこの2頭の組み合わせは1番人気。かといって、馬単の表裏勝負は、丁半博打としては面白かろうが、配当的には妙味は薄いか。「日本海記念はなあ、3歳で若くて勝っちゃうと、その後ミソつくって"いわく"付きのレースだからなあ。でもこの相手じゃ順当ならレビンマサだろう。」と、皆さんで言い合う。山形さん曰く、「関本秀は先行競馬が得意だから、レビンマサの脚質に合うだろうし、このテン乗りは問題ないでしょう。」。「エルソパレード、このメンバーなら、重賞初勝ちの大チャンスでしょう。」とワシ。「でも所詮2着止まりってところだったりしてなあ。」と山形さんら。
取捨が難しいのがムーンライトブルー。ムラのある戦績に加え、大外枠に入ったことが大問題。内ラチを頼らないとコーナーを曲がれずぶっ飛んでしまう悪癖を持つが故である。インを取るにはテンにダッシュして内に切れ込むことが必要だが、「隣にホマレリクオーがいて、さらに内にセイフクガバナー、これらも前に行くからハナ切るのは容易くない。」との見立てが大勢。「ムーンライトブルーなんか絶対買いません。勝ったとしても『何かの間違い』だって思うことにします。」とはディープさん。「この馬(絡み)の馬券買って外したら、買ってしまった自分に腹が立って絶対後悔する。」とくもさんも。徹底的に信用されていない。しかしこの馬、ワシが現地観戦した時に好走する頻度がかなり高い。
ということで、ワシは「アタマあってヒモなし」とばかりに、ムーンをアタマに、レビンとエルソに馬単を。これが勝負馬券で、レビンとエルソの連複は赤字を出さぬための保証馬券。あとはオマケで、レビン−エルソにマルワサンライムとサファリクラッシュを付けた、3連複2点。

レースなり
いよいよレース。距離1800m、2コーナーからの発走。
ゲートオープン。サファリクラッシュが出負け気味で後方から。セイフクガバナーは今日は好発、先行体勢へ。ホマレリクオーも発馬を決め前へ。しかし大外からムーンライトブルーが猛ダッシュ。鞍上佐藤涼のシバキに促され、それこそ狂ったようにハナを奪い、無理からインコースを取りに行く。バック半ばでそれは叶った模様。セイフクガバナーはそれを見てすんなり2番手、ホマレリクオーも無理に絡んでは行かない。レビンマサがこれらを前に見て、絶好の先団前列に収まる。マルワサンライムも好発から、レビンマサと同位置に落ち着いた。エルソパレードはこれからやや開いた次列、内のテツノホープと併走気味。といった塩梅で、3コーナーあたりまでに隊列は落ち着いた。エルソの後ろは、既に間隔ドカ開き。殿サファリクラッシュは追い込みプロパーなので致し方ないものの、格下の面々は脚質も何もあったものでなく、中団以降からの競馬を余儀なくされている。
正面スタンド前。先頭は引き続きムーンライトブルー。後続との差は5馬身くらいか。2番手にセイフクガバナーが単走。2馬身ほど下がった次列で、内マルワサンライム外レビンマサが併走。レビンマサはちょっと口を割り気味だが、酷い掛かり様ではなく、鞍上秀にしっかり抑制されている。さらにややあって、ブルーユキコが単走で、エルソパレードはこの後ろ。これ以降間隔がかなりあって、トガミアスリートやタカスペシャルらの後続勢。ホマレリクオーは知らぬ間にここまで後退しており、ケツ二がヨシゼンファイナルで殿サファリクラッシュは変わらず。

1周目(28KB)
1周目、正面スタンド前
先頭ムーン、2番手セイフクガバナー

1コーナーから2コーナーにかけて、先頭ムーンライトブルーと2番手セイフクガバナーとの差は2馬身程度に縮まる。次列レビンマサもセイフクに離されずキッチリ追走。エルソパレードも間隔キープで続く。
向こう流しの半ばを過ぎると、ムーンライトブルーの脚いろが早くも怪しくなり、それをめがけてセイフクガバナーが急接近。これにレビンマサが外からビッタリ。マルワサンライムはレビンに遅れた。エルソパレードはバック半ばでも動かず我慢、この局面、前との差がちょっと開く。
3コーナー手前、セイフクとレビン、2頭併走でムーンを抜き去り、程なくレビンマサがスッと先頭に躍り出る。が、セイフクガバナーも食い下がり、2頭差がなく三分三厘を回ってくる。
そして最後の直線。先頭レビンマサ。馬場六分どころ、ゴールめがけて一目散。1馬身強の差で、内でセイフクガバナーが粘るが、残り50あたりまでで、ジリジリその差は開いていく。と、ここへ大外からエルソパレードが襲来。三分三厘からエンジンかけて差し込んだ模様。伸び脚はある。レビンマサにグングン迫る。が・・・

最後の直線(35KB)
残り30mくらい
抜け出したレビンマサにエルソパレードが追いすがる

最後はレビンマサ、クビ差キッチリ残して、今季初勝利を大一番の重賞勝ちで飾った。
2着エルソパレード。渋太く走ったセイフクガバナーが2馬身差で3着入線。ムーンライトブルーは勝負から脱落するも、他に後方から迫る馬もなく、5馬身差ながら4着。マルワサンライムが5着。と、結局序盤から中盤にかけて、中団より前でレースを進め、勝負の趨勢に絡んだ実力馬が掲示板を占めた。以下割愛、因みにホマレリクオーは結局最下位。

レビンマサ(37KB)
レビンマサ、キッチリ残してV
上山の若き看板馬誕生か!?

レース後の口取り撮影。「あれ、優勝レイないのか。とうとうそこまで予算回らなくなったか。」などと皆さんで言っていると、撮影が一通り済んだ後で、「あれ?ありました、忘れてました。」とばかりに、レイが引っぱり出されてくる。そして撮影をやり直し。「おいおい、大丈夫かよ・・・秋葉調教師、一昨年アオイリュウセイでこのレース勝ってるのに。」と、何とも締まらない光景なり。

振り返って、そしておしまい
人気と期待に応え、キッチリ勝ったレビンマサ。絶好の先団付けから早め先頭で押し切った。逃げたムーンライトブルーが自滅してくれ、ペルターブレーブのような自力で必ず届く強力差し馬もいないという、願ったりの展開・状況ではあったものの、自身の良さは出せたと思う。「3歳馬が勝つと云々」といったジンクスなど跳ね返し、今後の上山アラブ界を牽引していってくれれば何より。「まあ、こんなところかな。最後は脚上がり気味で歩くようだったけれど、しのぎ切れたからな。」と、ちょっと辛口なのは山形さん。「でもこの馬強いわ。レース終わって引き揚げてきて、下馬所で回されてる時、すぐに息戻ってケロッてしてたもん。エルソパレードの方はかなりの間肩で息してゼーゼーいってたのに。」とは、くもさんが後述するところ。「元々ソラ使うところあって、併せ馬にならないと真面目に走らないみたいだけれど、力の抜き方使い方、解ってるんだろう。」とも。
エルソパレードは最後よく迫ったが及ばず2着まで。「やっぱり重賞勝てない馬ってことでしょ。今日は前野騎手、仙台七夕の時みたいに無理に先行せずに、道中自分の位置守って終いに賭けた分だけ、2着に来れたと思うな。」と山形さん。
セイフクガバナーは健闘だろう。得手とは言えぬ千八戦で、よく踏みとどまった。「今回は(佐藤)庄ちゃん意地見せたな。」とは山形さん。仙台七夕での出負け終了、加えてこの日の第6競走、サラ2歳のJRA認定戦で本命馬に乗って敗退、といった件がこの感想の背景にあるのだ。
ムーンライトブルーは最初の向こう流しで脚を使い過ぎ。あれじゃいくら何でも終いまで保たない。それでも4着に残ったのは、後ろに交わせるだけの地力を持つ馬がいないからに過ぎない。
マルワサンライムはやはり距離適性に泣いたか。先行してのレースセンスと地力強化は認められる。
それにしてもその他大勢の面々は・・・「最初の3コーナーから全然前に付いていけないもんな。力の差歴然。同じレース走ること自体無理があるよな。」と、くもさんらと後で振り返った。総体的なレベルの低下と在籍馬の減少のもと、致し方ないし、予想されたことではあるのだが、何だかなあ。

完全な本命サイドでの決着で、配当は枠複240円馬複230円馬単310円。「よしよし、それでいい。」とは、キッチリ取ったディープさん、因みに3連複が980円つき、これが一番オイシイ配当となった。「セイフクガバナー、素直に信用すればよかったなあ。」反省しても後の祭り。
結局、ヤツになんぞに付き合った、ワシがやっぱりアホだった。しっかしホンマ、バ○さ加減もいい加減にしてくれよ、ムーンライトブルー・・・
「馬券は自己責任、知ったこっちゃねえよ。」キーッ!

以下は余談。山形からの帰路も夜行バス。これが増発便の、リムジンバスがフル稼働が故に観光バス仕様の便。「いっくら何でもせめて4列シートの高速バス出すやろ。」と甘く見ていたところ、ホンマに観光バス。狭いシートに12時間拘束される、拷問のような体験を強いられ、何とか帰着。そこで教訓、
「夜行バスの増発便なんか、もう2度と乗らねえぞ!タダでも御免だ。」。

2002.8.27 記

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