2001.10.10、園田第8競走、ニッカン菊園特別 1400m
出走馬は内枠より以下の12頭。()内は騎手、斤量。負担重量はハンデ。
ノースガバナー(小牧毅、53k)、スマイルフォーユー(谷川、53k)、クールテツオー(岩田、55k)、エイランヒット(木村、53k)、ランダムオーク(松浦政、54k)、ツバサイッセイ(保利、53k)、ツバサキング(大山、53k)、シンセイマックス(下原、53k)、ソレユケイチマツ(松平、53k)、トキノメイユウ(赤木、54k)、アドミラル(永島、54k)、ノースパワー(尾林、53k)
とまあ、金盃に登場する上位3頭以外は、オープン馬とはいえ、こんな程度の面々である。
ここの目玉は何といってもクールテツオー。楠賞を3着敗退して以来、次開催に姫山菊花賞を控え、4ヶ月ぶりの実戦となる。
それ以外の見どころとしては、兵庫のアラブオープン戦としては、数少ない千四戦ということか。短距離上等のヒラオープン馬たちの走りにちょっと注目。
さてパドック。向こうのステージからは、「孫」の人の歌声が聞こえてくる(何故かソーラン節だったが)中、それをBGMにしての周回である。
1番ノースガバナー、のっそりのっそりと重厚な雰囲気。馬体重+6kもあるが、やや馬体は重目。終始舌を出しての周回。「摂津盃の時もそうでした。」とは3号馬さん。
2番スマイルフォーユー。まあまあとしか言いようがない。タカライデンを一回り大きくしてボサッとさせたような馬。
3番がクールテツオー。馬体重458kは-4k。二人曳きで時折鶴首に、スッチャスッチャと小刻みな歩様、トモの送りが妙なのは以前からそうだったこと。しかし問題はそのトモのボリューム。この見事さがウリの一つだったのだが、今日は「エッ!」と思うほどそれが乏しくなってしまっている。
4番エイランヒット。半年の休養明け緒戦。キビキビとした周回で踏み込みも悪くない。久々にしては上々だろうが、距離千四は短かろう。
5番ランダムオークは相変わらずキビキビとした周回。そして黒とも焦げ茶とつかぬ妙な芦毛の毛色。こちらは距離千四は歓迎のクチ。
6番ツバサイッセイはちょっとトモの送りがギクシャクしているような。7番ツバサキングはまあこの馬なりの見栄えのする馬体。
8番シンセイマックス、馬体はやや重目に見えるも気合い乗り充分でパドックの大外を周回。休養明けこれが4戦目、以前ほど走れていないがこれでどうか。
9番ソレユケイチマツ。3歳の有力馬、テツオーと同様楠賞以来の実戦。元来はいい馬っぷりではあるが、今日は馬体の張り、筋肉の実入りがいま一歩。マイペースな周回。これまではレースは素顔で走っていたが、今日はレースもメンコ着用の模様。
10番トキノメイユウ。1月下旬以来久々の競馬。時折後肢を振り上げて煩い素振り。鶴首で気合いを前面に。
11番アドミラル、元来がパドック映えする馬であるので今日もなかなかだが、この馬にしては並。気配もやや大人しめ。
12番ノースパワー。重厚なルックス。ただ周回はパドックの最内。
本馬場入場から返し馬。クールテツオーはいつも通り、入場口で厩務員さんに曳き綱を離されるや一角方向へ一気。他の馬は誘導馬を先頭にスタンド前に登場。そして駆け出す。が、この後ぐるり1周返し馬をする馬がほとんどいない。ソレユケイチマツくらいだったかと。
レース発走。と、この肝心な時になって、空がかき曇り、雨粒が落ち始める。まあ大した降りではないので、雨に打たれてゴール前でカメラを構える。
注目のクールテツオー、先手が取れればそれがベストのところだが、発馬はイマイチ。そうこうしているうちに外からトキノメイユウがハナを切り、内にグンと切れ込んでくる。行きたいクチの大外ノースパワーも連れて前に。これらにハナを叩かれ、3番枠のテツオーは前を塞がれた格好の次列。最内ノースガバナーは一旦下げて外に持ち出してのホームストレッチ。ランダムオークは例によって後方から。
向こう流し、トキノメイユウは後退するも、代わってノースパワーが先頭を快走で三分三厘。これをめがけて、好位からノースガバナーがそしてアドミラルが、追い込み発進のランダムオークが続々と外から襲来。その一方で、クールテツオーはノースパワーの直後インに閉じこめられた格好となり、ちょっと動きもイマイチ。鞍上岩田の手綱も動く。
4コーナーは先頭ノースパワー2番手ノースガバナーの順で通過して、最後の直線。ノースパワーはインベタで逃げ脚を繰り出して粘る。クールテツオー、岩田のシゴキと鞭連打に促され、ノースガバナーの内から必死になって抜け出そうとする。ノースガバナーを交わしたのが残り100あたり。そしてノースパワーの外へ、これに取りついたのが残り50、残り20mで馬体が重なり、最後は短い首をグイとメイチに伸ばして、何とかアタマ差の勝利。2着ノースパワー、3着外から追い込んだ、しかしやっぱり2着に届かないランダムオークがクビ差で続き、4着終い食い込めなかったノースガバナー、5着はランダムオークと並んで直線半ばまで追い込んだアドミラル。
クールテツオー、短い首をメイチに伸ばして辛勝
こんなフォームで走れたのか・・・
勝ちタイムは1分29秒5。速い時計ではあるが、「この馬場ですからレコード(現状のそれはクインラマの1分29秒0)出るかと思ったけど案外時計出ませんでしたね。」と日浦くん。
クールテツオー。辛勝である。が、内に包まれ、それを抜け出して終い競り合いになって勝ったという、この経験は大きいかと。「まだ六分の出来。」ということなので、姫山菊花賞、そしてその先に向けて、視界は悪くはなかろう。
ノースパワーは惜しい2着。よく逃げ粘った。『キンキ』紙上のコメントにも「この距離は有利」とあったが結果その通りに。
ランダムオークはまたしても、そして「やっぱり」の3着。これで通算10度目の3着。後方追走向こう流しから発進して終い追い込みの競馬だが、どうしても連に届かない。「前半の位置取りどうにかならないの?」って思ったところで、どうにかならないのだろうな・・・
と、以上、「面子ショボい」だの何だの言った番組ではあったが、結構楽しめたレースだったかなと。これが園田金盃と同日に観戦できたのであるから儲けもの。「一日で二度オイシイ」といったところでしょうか。ああ、安直な表現だ・・・
2001.10.23 記
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