第27回アラブダービー観戦報告

 2003.5.21、笠松、1800m

はじめに
「よっしゃ!行くぞ笠松。」 思わず気合いが入ったのは、先に記したアラブカップの観戦記、その末尾のこと。
笠松アラブは現3歳が入厩最終世代。「先の見えぬ現実」であるが故致し方ないのではあるが、在籍頭数はごく僅か("東海の好漢"おーたさんの調査では、笠松所属としてこれまでに出走経験のあるのは7頭のみとのこと)。この状況のもと、予定されていた2歳重賞ジュニアグローリとジュニアキング、明け3歳早々のオグリオー記念は中止。このあたり、笠松の主催者としては「自場の所属馬のみでレース組めないところ、わざわざ名古屋勢のためが如く、そこまでして施行はしたくない。」との発想のようで。
というわけで、最後の砦にして最大の一番、アラブダービーの施行をも、非常に危ぶまれておったのである。ここにおいて、「せめてアラブダービーくらい、最後にちゃんとやってくれよ。」との念は、前哨戦たるアラブカップにおける、東海二強の激闘に立ち会ったことで、より増幅されて、個人的には切実たる(大袈裟にも程がある?)ものとなった。結果、まさに「奇跡的に」施行。これを承けて、冒頭のセリフが出た次第。

さて、このアラブダービー、前記の通り、笠松最大の3歳レースにして、名古屋のアラブ王冠共々、東海3歳重賞のうち、ただ2つの東海グレードSPI競走である。過去の勝ち馬には、古くはシナノリンボーやトキテンリュウ、スズノキャスターといった名馬、近くはマルタカフレンズやイケノエメラルドやといった実績馬の名が並んでいる。現在有力種牡馬の1頭であるカヅミネオンもこの勝者で、圧倒的スピードを披露したらしい(これはゴールドレットさんの昔語り)。「アラブダービーといえばミスハクギンやろ。大差勝ちやで。」とは"大御所"Oku師匠。

出走メンバーについて
回を重ねること今年で27、迎えた最終回。歴史の幕引きに臨む出走馬は、内枠より以下のフルゲート10頭。()内は騎手、性、斤量。
ヤマノユーノス(東川、牡、55k)、ブラウンブルドン(宇都、牡、55k、名古屋)、ホウマファースト(佐藤、牡、55k)、ナルコ(戸部、牝、53k、名古屋)、エムエスオーカン(岡部、牡、55k、名古屋)エムケイマックス(小山、牡、55k、名古屋)、キジョージャンボ(丸野、牡、55k、名古屋)、バンナマック(小野、牡、55k、名古屋)、カズミホワイト(川原、牡、55k、名古屋)、ルーキータイガー(仙道、牝、53k)
別定重量戦とのことだが、一見一律牡馬55k牝馬53k。
地元笠松勢は3頭。「よく3頭もかき集めたな。」というのが正直な感想。他の7頭は名古屋からの出張馬。

アラブカップの1〜5着馬が全て登場し、今回も主力となろう。が、注目すべきは同レースの1、2着、ヤマノユーノスとブラウンブルドンの2頭。アラブカップでは、両者直線びっちり叩き合って、クビ差決着の大接戦。3着とは7馬身離れており、現状他馬との能力差は歴然。ムードはそのリマッチ一色、ワシも再度の熱戦を期待しての現場観戦である。楽しみ楽しみ。

当日の概況
というわけで、朝から山陽・東海道在来線で東へ。笠松競馬場には1時前に到着。
ワシ、このレース、というより笠松の3歳重賞、現地観戦するのは今回初めてである。「最終回となってようやく足を運ぶ」というのは、非常にカッコ悪い行動なのだが、事実なのでしゃあない。元来が「東海に冷たい(=あまり現地に赴かない)」ワシでもあり。などと書くと、「あ、このアラブ現場主義者、開き直ったぞ。」とばかり、速攻突っ込むおーたさんの姿が浮かぶな。
現地の天気、影が出来るので一応晴れなのだが、空は霞み気味でスカッと抜けていない。そのせいもあってか、空気はちょっとムッとして暑い。が、2時3時と時間が経つに連れて、風が爽やかに通って過ごしやすくなった。
馬場状態は良。かなりバサバサ。散水車が出動しても、束の間表面を湿らすだけで、じきに乾いてしまう。最近内ラチ沿いを中心に砂を補充したそうで、確かに見た目にも深そう。「乗り役の話では内が深い印象。」とは『競馬エース』の記すところ。
概ね先行有利。前半好位より前にいなければ、連入叶わない感じである。
この日は全12レース施行で、アラブダービーは第11競走、3時50分発走。準メインの第10競走はサラのJRA指定交流レース。「アラブダービー中止になった時に、即座にこっちをメインに据えられる、いかにもって感じな番組だよな。」と、現場で皆さんと邪推。

パドックから発走まで
第10レースを走った面々がコースを去るのと入れ替わって、1、2コーナー向こうの装鞍所から、メインレースの出走馬たちがやって来て、パドックタイムとなる。ところがそのパドック周回、時間が非常に短く(3、4周した程度)、出走馬をじっくりと観察できなかった。加えて笠松のパドックは御存知の通り内馬場、お客からはちょっと遠い。そんな状況での、以下私見。
1番がヤマノユーノス。例によって二人曳きで鶴首になっての歩み。気合いが前面に出ている。しかしまずまず抑制されている方か。周回後半は結構じんわりといい感じだったような。スラリとしたフォルムはこの馬なり。皮膚が薄そうで毛艶は文句ない。
2番がブラウンブルドン。笠松で走るのは初めてであり、テンション上がり過ぎはせぬかと懸念されたが、雄大な馬格も相まって、なかなか堂々としている。歩様もキビキビしているし、黒鹿毛の皮膚はテラテラに光っている。
3番ホウマファースト。10戦未勝利2着4回。身のこなしはキビキビとしているが、胴回りが非常に分厚いし、太い。
4番ナルコ。前走アラブカップ4着。笠松では2戦2勝、名古屋所属馬のうちでは最も当地で良積ある。前走時と同様コンパクトでスカッとした馬体。毛艶もいい。小気味いい歩みだが、ちょっとトモの送りは硬めで、歩幅は狭いか。
5番エムエスオーカン。前走アラブカップ3着。笠松では2戦1勝2着1回。青鹿毛の馬体がヌラヌラと輝く。ガッチリ体型で、実入りは充分過ぎるほど。ちょっと胴回りは緩めかも。馬体重471k以上に大きく見える。
6番エムケイマックス。20戦1勝2着3回。笠松戦は2戦して4着1回5着1回。やや緩めだが、馬体重482kの肉感溢れるルックス。ちょっとイライラ気味。
7番キジョージャンボ。前走アラブカップ5着。馬体重502kの大型馬だが、首が高く、細かい動きが目立ってイライラした感じ。そのせいか、入場の列の最後を歩いて登場。重量感はエムエスオーカンの方がある。
8番バンナマック。24戦未勝利、5着以内すらない。5度の笠松出走経験あり。黒い芦毛馬で、馬体重482kよりはずっとコンパクトなルックス。キョロキョロしつつの周回。歩様は硬く、歩幅も出ていない。
9番カズミホワイト。18戦2勝2着1回。笠松では1戦して9着。終始首を高くして、やや煩め。明るい灰色芦毛の膨張色でもあるが、腹がかなり緩く映り、背垂れ気味のフォルム。
10番ルーキータイガー。9戦3着1回。大人しめな気配。トモの送りは硬い。前後を歩くカズミホワイトとキジョージャンボが、共に姿勢高く煩いのも手伝ってか、地味なことこの上ない。

ブラウンブルドン(44KB)
ブラウンブルドン、パドックに登場
ゆったり歩いてくる、馬体もビカビカ
エムエスオーカン(38KB)
エムエスオーカン、パドックに登場
カヅミネオン産駒らしからぬ、真っ黒で馬体の分厚い馬だ

騎手が跨り、パドックを出てコースへ。そこからパドックに面した内ラチ沿いを歩いて、再度パドックに入りもう半周、改めてコースに出てから、曳き綱離され駆け出す。というのが、この後の流儀。であるのだが、ヤマノユーノスが、一旦パドックを出る際に暴れて立ち上がり、鞍上東川騎手を振り落としそうになる。そこで再度パドックには入らず、そのまま四角方向へ。「あの馬、こんなに煩くて大丈夫なんですか?」と、関西からお越しのヒロチさんが訝るが、「ちょっとあれはやり過ぎだけれども、だいたいいつも煩いですよ。」とワシは返答。ブラウンブルドンはここで気合いがグッと乗った。まあ、前のヤマノが暴れたせいもあろうが。
暫くすると、ヤマノユーノスが三分三厘あたりから駆け出して、ホームを鋭いキャンターで通過して行く。その様子は気の悪さを感じさせぬ、至ってまともなもの。続いてホウマファーストが、鞍上佐藤クンにピチピチ叩かれながら通過。ナルコはゆったり軽快に駆けて。続いてルーキータイガーとバンナマックも軽めに。返し馬で再度ホームストレッチを駆けたのはこの5頭。他の5頭は順回り逆回り色々に、三角の待機所に直行。

予想、するまでもないか。ここはヤマノユーノスとブラウンブルドンの組み合わせのみ。マニアックな見地に立てば、エムエスオーカンとナルコの2頭は、なかなかに素質馬で、穴ゴコロ・スケベゴコロをくすぐる存在。ナルコには笠松実績もあり、元来がクラス上位の実力馬。エムエスオーカンの前走好位差しでの3着は、今後の飛躍匂わせるものであった。がここは、穴狙いに走りそうな気持ちを、グッと堪えて、切った。
問題は二強をどう買うか。『競馬エース』の紙面は、「ヤマノユーノスの中心は不動で、他との勝負付けは前走で済んだ。」といったニュアンスを漂わせている。前走アウェーで勝ったヤマノがホームとなり、ホームで負けたブルドンがアウェーというのも強調材料。シルシもヤマノに◎ズラリで、ブルドンは概ね○評価。ではあるが、そこまで、ましてや「勝負付けは済んだ。」と断言し得るほど、両者の差はないのでは?というのがワシの感想。アラブカップのクビ差、逆転の余地、あると思う。よってすんなり連単で、ヤマノ→ブルドンと買うのは危険と判断。この連単のオッズが2倍強の見当、連複が1.5倍見当なので、実際それほど旨味もない。というわけで、ワシは馬複でドンと勝負。因みに連単のウラ目、ブルドン→ヤマノだと、3.5倍程度つくので、色気出してこれも少々。まあ、つまらぬ馬券ではあるが。

レースなり
いよいよレース。距離1800m。スタート地点は向こう正面半ば手前、ゴール板前の真向かいより、僅かに三角寄りのあたり。
ゲートが開く。最内ヤマノユーノスはドンピシャのタイミングでスポン!と出る。最も好発目立ったのはブラウンブルドン。1、2完歩目はヤマノより更に半馬身先んじる。が、程なく、ヤマノユーノスが果敢に前に出てハナを奪取、そのまま3コーナーを目指す。ブラウンブルドンはすんなり2番手に。この後ろにナルコが続いたようだ。
最初の三分三厘、先頭ヤマノユーノスのリードは3、4馬身くらい。2番手ブラウンブルドンこれも単走。3番手以下はかなり離れている。
正面スタンド前ではペースはスローに落ち着いた模様。先頭ヤマノユーノスはインコース。ブラウンブルドンが外から1馬身弱まで接近する。4馬身くらい下がって次列、内ホウマファースト、外目にナルコ、半馬身くらい下がって馬体を併せる。ホウマの直後にエムエスオーカンがいて、その同列外にキジョージャンボ。やや開いて内にカズミホワイト、以下エムケイマックス、バンナマック、ルーキータイガー。二強が前をガッチリ、それに次ぐ有力どころも好位より前。

1周目(35KB)
1周目正面スタンド前、先頭ヤマノ外2番手ブルドン
早くも一騎打ち、次列外橙メンコがナルコ

ゴール板を過ぎて、1、2コーナーを回るあたりでは、ヤマノの外にブルドンが並びかけて、殆ど差のない同列トップとなる。
2度目の向こう正面、前の2頭と後続とは既に大差、20mくらいは開いてしまう。離された次位には、ナルコやエムエスオーカンやキジョージャンボやホウマファーストが一団でいて、以下は更に遅れてぽつんぽつんと。
バック半ば過ぎ、ヤマノユーノスが動く。ブラウンブルドンに先んじて、単騎で三角を回っていく。三分三厘、両者の差はまた3馬身くらいとなった。2番手単走ブラウンブルドンのところ、離れた好位勢から、エムエスオーカンが自力で押し上げて、ブルドンとの差を3、4馬身くらいまで詰めてくる。「あれ、一角崩し、あるか?」と一瞬思わされた局面。が、四角手前、ブラウンブルドン、再度ヤマノユーノスに急接近。2頭差なく4コーナーを回った。
そして最後の直線勝負。内で逃げ込むヤマノユーノス、その外に馬体を併せるブラウンブルドン。アラブカップと同じく、ここも両者の叩き合い。直線半ば、ブラウンブルドン、クビ差あるかないかの僅かながら、じりっと前に出る。しかしここから、またまたヤマノユーノスが差し返す、残り50では半馬身弱は出たろうか。が、やっぱりブルドンも譲らずに、もうひと伸び盛り返す。ゴール寸前、馬体は完全に重なって、またもや二強、もつれてゴールに飛び込んだ。前走よりも更に際どい!脳裏の残像、イメージとしてはヤマノかなあ?というところ。一方、ゴール板過ぎたところでカメラ構えた、Oku師匠や江戸平多さんからは、「外の馬が追って伸びてくる展開だと、どうしてもそっちの方が有利に見えてしまうわな。」と、外のブルドンが優勢に映ったようだ。

ヤマノユーノスvsブラウンブルドン(49KB)
ゴール寸前、またまた内ヤマノユーノス外ブラウンブルドンで激闘
この画像、実は珍しくノートリミング、迫力少しは捉えられたかな?

笠松には馬場内ビジョンがないので、レース後すぐさまスタンド内に入って、モニターでリプレイを確認する。映し出されるゴール前、リアルタイムの印象以上に際どい。両者の胴体はほどんど同列で前後差なし。ここでヤマノユーノス、馬体がムニッと伸び切って、おまけに顎までグキッと上がっている。一方のブラウンブルドンは、元来が掻き込み掻き込み走る馬で、頭もうつむきがちなフォーム、加えて折悪しくも、馬体を縮めつつあったところで決勝戦通過。結果これが明暗分けて、ハナ差でヤマノユーノスに凱歌が上がった。「ヤマノユーノス、ホントにゴール直前にクイッと鼻が伸びるもんなあ。」と、一緒にモニター見上げたおーたさんも、これには感心のよう。

さてこの後ろ。エムエスオーカンはブルドンに取り付くのは叶わなかったものの、3番手で4コーナーを回って、インに入ってゴールを目指す。が、これを追う体裁でやって来たナルコが、ゴール間近、外からこれを交わして3着入線。前とは8馬身差。エムエスオーカンは惜しくもクビ差4着に。4馬身離れた5着にキジョージャンボ。6着9馬身差でエムケイマックス。以下7着カズミホワイト、8着ホウマファースト、8着バンナマック、最下位ルーキータイガー。アラブカップと同様、上位勢が入線した後、相当時間が経過しても全馬ゴールし終わらないというシーンが現出された。

レース終わって
まさにアラブカップの再現。それも激しさの度合いを、間違いなく増してのもの。前走のアラブカップで他馬との力量差が明らかになり、さながらこれがフィルターとなって、闘いの純度が増したとは見なせようし、初経験の千八戦にして、前半スローがお定まりの土古戦から、淀みなく進行しがちな笠松戦に舞台が移ったことも、効いてはいよう。それにしても、最後の直線、ここまで酷似するものか。とまれ、素晴らしい勝負だったと思う。勝ちタイム1分57秒8は前年のホーエイトップのそれと同じ、水準以上のもの。「最後のアラブダービー、それを飾るに相応しい、好レースだったとは思うよね。」と、戦後おーたさんらと語らった。

ヤマノユーノス、見事だ。同じ先行競馬でも、スローペースを我慢しつつの前走と異なり、今日は積極的な逃げ競馬。距離が短かったとはいえ、2歳時の「前半追走に苦労して追い込み届かず勝ち切れない」という競馬が嘘のよう。ホンマに進境著しい。加えて出色の勝負強さ。'98年摂津盃、エイランボーイをゴール板真ん前でハナ差交わした父ユーノスの姿、ちょっと浮かんだ。それにしてもこの2戦、先んじて凌ぎ切る競馬ながら、その末脚、逃げ・先行馬のそれに全く見えないのが不思議。差して斬れる脚というイメージ。多分この馬の真骨頂、このあたりにあるのだろう。
ブラウンブルドン、惜しいなあ。道中の折り合いも特段問題なく、ライバルを前に見つつ、合間合間に控えて力溜めて、そして追い詰める、理想的な進行の競馬だったのだが。結果も僅差、勝ち馬とほぼ互角の走りだろう。「競馬は同等、でも勝負に負けた。」といったところか。ヤマノが力あるとすれば、この馬も間違いなく力ある。これは強調したい。が、「理想的な競馬、それでも勝てない。」というのは、「どーしても勝てない。」ことに通じがちで、却ってツラいかも。それでも逆転目指して、これからも頑張れ。目指すこと止めたら絶対勝てない。
エムエスオーカン、鞍上岡部騎手、前走で手応え掴んだろう、今日は自力で前に迫った。が、先に動いた分、今日は無理して序盤行かずに、後半これを追いかけたナルコに差されてしまった。「あれ(エムエスオーカンの乗り方)はしょーがないよね(=悪くない競馬)。まあナルコは前走河端から今回戸部に替わって、鞍上強化ではあるし。」とおーたさんも。二強とは差が付いてしまったが、この2頭については、今後まだまだ期待したい。

ヤマノユーノス、口取り(40KB)
ヤマノユーノス、レイを纏って口取りに
東川騎手はじめ皆さんの笑顔が印象的

レース後の口取り撮影。SPI競走なので優勝レイが、ある。それを纏って写真におさまるヤマノユーノス。アラブカップ時のそれとは打って変わって、至極大人しくポーズとっていた。加えて印象的だったのが東川騎手。終始ニッコニコで、撮影終わって下馬した後も、嬉しそうにパートナーの肩をポンポンと叩いて、労っていた。とてもいい感じ。この人、かなりベテランだと思っていたら(顔もちょっとオヤヂ入ってる)、実はワシと同い年。一層親近感、沸いてしまったぞ。
「東川って、このレース、ようけい勝っとるよな。これで4度目くらいとちゃうんか?(確認すると、'94年シボレーダイドウ、'97年マルタカフレンズ、'98年ミクサキドリームに続き4度目)」とOku師匠。「ダービー男ですね。」と返すワシ。そして二人ハモって「カッコ()アラブのな。」と。
配当、枠複と馬複は同額160円。枠単220円、馬単230円。連複のこの配当、ついた方だと思うべき。ワシもトリガミ免れ黒字計上。因みに最もついたのがナルコの複勝250円。「うわ〜!これはナルコの複勝だったよな〜」とは、アラブカップで同馬を推しつつも、今回手の回らなかったおーたさん。こういう馬券をちゃっかりきっちり獲るのが、Oku師匠なのね。

おしまい
こうなると注目は、二強の今後。さし当たっては、何とか楠賞に出ていただきたい。表彰式の後で東川騎手に、そのあたり質問したところ、「はい、(楠賞)行きたいですねぇ。」と応えて下さった。是非是非いらして!
その楠賞、駄目な主催者のおかげで、今年から「全日本」の称号が失われて、「兵庫アラブ優駿」と改称、賞金も下がって1着500万円。お寒い限りで、「こんなレースに格式も権威もにゃーわ!」と突き放されれば、返す言葉もないのだけれども、"アラブ者"としては、切に出走、お願いしたい。己が力で楠賞の魅力と権威、引き上げるだけのものが、貴方がたには、ある!

それにしても、この二強、エエわあ。ブラウンブルドンは惜敗連敗なんだけれども、ヤマノを評価するのならば、共に評価せずにはおれない。「兄の七光り」の段階は、既に越えたと思う。
そして何より、ヤマノユーノス!一身上の都合で(それはいずれ記す時がありましょう)、大きく持ち上げるのは差し控えたいのだけれど、やっぱりイイ。もっと色々書いてしまいたい。でもやめとこっ。ああ、
「しのぶれど 色に出でにけり 何とやら」だな。

2003.5.29 記

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