2003.6.8、福山、瀬戸内賞デー、その他の注目レース


というわけで、この日その他の注目レース、3鞍について。

まずはメイン前の2鞍。第8競走と第9競走。いずれも注目は3歳馬にして他地区デビュー馬。鎖国政策のおかげで福山ダービーまでの重賞には出走出来なかった面々。次開催には銀杯(鎖国政策から解放され、これらが初めて迎える重賞)が控えており、クラス的には出走に足るかどうか、そのボーダーライン上の連中でもある。

はじめに第8競走、C2の5組戦、距離1600m。
個人的注目に反して、勝ったのは5歳馬フジキセンプー。前半2番手から早めに抜け出した。
さて、2着が荒尾デビューで佐賀から移籍のキヨノサウンド。道中先団3列目あたりを走って三分三厘まで維持。直線を向いて一旦はへこたれかけるも、盛り返しての2着獲り。馬体は小柄、ヒ腹も薄くて悪く言えば貧相。この馬、昨年のはがくれ賞馬。今年は廃止の重賞なので、最後のはがくれ賞馬である。九州時代は通算14戦2勝2着4回。今年5月、前々走より当地で出走。はがくれ賞の賞金250万円が効いて、古馬混合C2の4組戦からとなったものの、人気薄で勝ってしまった重賞でもあり、当地2戦は9着6着と、家賃の高さは明白。今回も無印人気薄、その割には充分好走。
3着はホーエイアキフジ。上山デビュー、転入後は8戦4勝2着2回。3歳1組戦を連勝して今回古馬編入。馬体重540k超の巨漢で、見た目にも背が高くて馬体が厚い。極端な追い込み脚質で、今日も自分の競馬。中盤までは殿、三分三厘ちょっとエンジン掛かって直線大外をドカドカと。しかし届かず。個人的にはこの追い込み脚にちょっと惹かれているので、銀杯、出走を特に希望なのだが。
4着は当地デビューの3歳馬にしてダービー4着のセイコウ。終いホーエイアキフジのさらに後ろから追い込むもここまで。5着ユキノエイコウは金沢デビュー。金沢の新馬勝ちの賞金が異様に高い(150万円!)が故に、今年1月の転入緒戦からC2の6組編入。以後5戦して10着8着4着8着5着。これも家賃が高過ぎる。

キヨノサウンド(34KB)
キヨノサウンド、2着頑張った
最後のはばくれ賞馬です

続く第9競走、C2の4組戦、距離1600m。
注目は道営デビューのサンダーソレイユと、上山デビューのホマレスターボーイ。
そのレース、サンダーソレイユはダッシュイマイチですんなりハナは叶わず。それでも鞍上三村クンに押されて前に。が、正面スタンド前から1、2コーナーあたりまでは、フロント同列のインにチュウオーリュウマが執拗に絡んで抜け出せない。しかしながら向こう正面に出ると、ムニーッと抜け出して、以降単騎独走になる。そのまま4コーナー回って、楽勝態勢で最後の直線へ。ところがここからタレ気味になって、後続が一気に迫る。それでも最後はどうにかクビ差残して1着入線となった。とまあ、勝つには勝ったが・・・
三村クン、「何やあの騎手、最後全く追えてないぞ!」と、Oku師匠がびっくりする程のトホホな騎乗。終いのみならず、人馬の呼吸は終始ムチャムチャ。馬が鞍上お構いなしで勝手に走っている感じ。さりながら、当地7戦3勝2着3回のうち、三村クンとのコンビでは3勝2着1回、今回これで4勝目。他のレースは全て岡崎さん騎乗。馬の調子もあるにせよ、天下の"魔術師"より、彼が乗った方が好成績。まさに「迷コンビ」と言うべきか。銀杯もこのタッグだとすれば、またもやオモロイことになりそう。
一方のホマレスターボーイ。道中絶好の2列目外で進めつつも、後半押し上がってくることなく、結局「何となく」の走りで5着まで。実に煮え切らない。馬体は相変わらず雄大なのだが、「太いなぁ。」とディープさんが言及した通り、ムチムチになり過ぎの感も。ルックス相応に成績も上げなさいって。いい加減飽きるぞ。

最終第11競走は、距離1800mのA1戦、水芭蕉特別
前開催のタマツバキを走った地元4頭のうち、ユキノホマレが登場。出てくるからには、状態は悪くないのだろう。馬体重は-7kの517k、これは適正値。やたら胴回りが分厚かった前走に比して、この馬らしい体型になっている。が、ちょっとケツが小さいような。最高のルックスではない。が、これはまだましな方で、出走する面々、どうもおしなべて気配イマイチ。「買いたくなるような見た目の馬おらんなあ。」とディープさんも。ノアは毛色が褪せた感じで何だかゲソッとしているし、ハカタカッサイはトモの踏み込み浅くて力強さないし、ホマレスターライツは馬体がすっかり丸みを帯びて、若い頃の直線的でシャープなルックスからすれば別馬の様であるし、ヤマノダイオーは全く似合わない黄色いブリンカーメンコ被らされているし。スカッとして毛艶もまずまずのグリンティアラが、この中で見た目好感というのもいかがなものか。
そのレース、ホマレスターライツは珍しく出遅れなく好発で、意外にもハナを切る。これを承けてノアは2番手から。ホマスタの独走を許さず、ホームではこの外にぴったりと。ユキノホマレは今日も発馬イマイチ。そのまま後方からの競馬。2度目のバック半ばを過ぎると、ホマスタは遅れてノアが先頭に。これが単騎抜け出して、三分三厘逃げ込み態勢作って最後の直線へ、余力充分。そこへユキノホマレ、エンジン掛かるのは三角手前とやはり遅いが、3、4コーナー中間を過ぎてぐんぐん押し上がる。そして直線、末脚発揮。残り50を切って、粘るノアを捉えて勝利。ノアは惜しくも2馬身差で2着。
ユキノホマレ、これが古馬A1での千八戦初勝利。追い上げの始動が遅い(もしくは遅く見える)のは、やはりこの馬の間合いかと。ホマレエリートやドリーミングの不在もあって、何とか届いた。「まさしく測ったような差し切り勝ち。」と、もりも先生が強調したがその通り。さて今後、タマツバキ後すかさず使ったということは、8月4日の金沢セイユウ記念、目指す意志、ありと捉えてよいのかな。季節は梅雨から夏へ向かい、そして福山の競馬は灼熱のマイル戦線へ。間2ヶ月弱、ハードな状況が続こうが、体調維持して、頑張って下さいな。
ノアは惜しかった。三角あたりの動きや鞍上楢崎クンの御し方に、ふささんはちょっと注文あるようだったが、早め抜け出し押し切りの競馬としては、ほぼ巧くいったのでは。終いは相手が当地筆頭にして現役屈指の追い込みプロパー、しゃあない。しかしまたもやA1初勝利はお預け。
「リーガルジョージ、きっちり3着きてるやん。」ディープさんがレース後真っ先に口にしたが、追い込み届いてちゃっかり上位入線。己の地力と格相応には、毎度ホンマに走るなあ。
4着これも追い込んだメカリジョージ。グリンティアラとハカタカッサイは中盤好位で四角2列目まで来るも、それぞれ5着6着に終わった。

以上、わざわざお立ち寄りいただきまして、アリガトウゴザイマシタ。

2003.6.18 記

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