第14回アラブ大賞典観戦報告

 2003.8.10、荒尾、2150m

はじめに〜出走メンバーについて
荒尾競馬の盆開催、目玉レースは九州交流古馬重賞、アラブ大賞典。
出走メンバーは内枠より以下のフルゲート12頭。()内は騎手、性齢、斤量。
ベストイチ(尾林、牡7、56k)、トチノグレイス(高山、牡7、56k)、シルバーハヤカゼ(杉村、牝9、55k)、パッピーケイオー(牧野、牡8、56k)、マウンテングリーン(新原、牝5、55k、佐賀)、イチノポリス(松島、牡5、56k)、ダイメイノボル(吉留、牡5、56k)、マルトウブルショワ(後藤、牡10、56k)、コウザンシンオー(西村、牡5、56k)、スターライトマルコ(山口勲、牝5、55k、佐賀)、シゲルマーキュリー(新町、牝5、55k)、スターライトマグマ(吉田隆、牡9、56k)
1号馬ベストイチは当初吉井騎手騎乗予定のところ、当日欠場で尾林騎手に変更。
斤量は牡馬56k牝馬55kの定量。佐賀からはスターライトマルコとマウンテングリーンの2頭参戦。

5月の九州アラブ王冠賞(佐賀)、6月の九州アラブグランプリ共々形成する、年度前半、九州アラブ古馬交流シリーズ(?)の最終戦である。先の九州アラブグランプリ(以下AGPと略)を制したスターライトマルコが、重賞連取を期し再来。というわけで、その再戦といったムードは、若干は漂う。
迎え撃つ荒尾勢、AGPにて地元最先着2着のハイメーカーは不出走で、残念。が、代わって、筆頭コウザンシンオーが、休養明け2戦目、満を持して登場。自身前年のレースでは、マノノトップガン、ニシケンシーザーの前に3着惜敗しており、その雪辱を期したいところ。
シンオーはさておいて、荒尾古馬戦線において、現在最も元気なのは、4歳ダイナマイトキング、クニノオーカンと、3歳ワタリタキオン。しかしながら、こうした若い中堅上位の上昇馬が、飛び級気味にオープン上位に出走できるような土壌や仕組み、当地には皆無であるので(このあたりの私見は、今年の九州アラブグランプリの観戦記、その末尾に記したので、重ねては触れませんが)、彼らの登場が叶うべくもない(ダイナマイトキングは、ひょっとしたらちょっとクラス上がって出走に届いたかも知れぬが、休養入りしたようで結局その姿はない)。
となると、出走馬の大半を占めるのは、結局他地区から転入したベテランさんたち。が、これらの近況、どうにも締まっていない。3号馬さんは御自分のHP『ハローアラブ』の、このレースのレースレポートにおいて、出走馬たちの荒尾での競走成績を提示したが、この切り口、出走馬のイマイチさを、見事に暴き出している。つまりは、前所属地や若い頃の戦績はともかくとして、現状の戦績、パッとしない連中が非常に多いのである。観る側としては、ちっともウキウキした気分になってこないんである。

当日の概況
とはいうものの、他地区の重賞と日程も重複せず、日曜開催でもあり、また「痩せても枯れても」一応は九州交流重賞であるので、"アラブ者"としては、やっぱり現地へ。これで同レース、3年連続の現地観戦となる。昨年と同様、往路は夜行快速ムーンライト山陽に乗って。この終点下関と、さらに小倉で電車を乗り継いで、現地には正午前に到着。
前週の金曜から土曜にかけて、台風10号が西日本を直撃。大型の台風で各地に大きな被害をもたらした。が、天気の方は、関西では土曜の午後以降台風一過となって、幸いにも急速に回復してくれた。
荒尾の天気も晴れ。到着した頃には、まばらに雲が浮かんていたのだが、午後になるとこれも流れ去ってしまい、ピーカン快晴になった。というわけで日向はムチャムチャ暑い。ただ湿度は低いので、日陰で風を受けている限りでは過ごしやすい。熱気のせいか、空は抜けておらず、コースの向こうに見えるべき雲仙の稜線は霞んでしまって、僅かにうっすら認められるにとどまっている。
馬場状態は良。台風が通過したのが前々日金曜だったそうで、以後急速に乾いたのか、砂は乾き切ってバサバサ。道中好位より後ろの位置からでも、直線差し届いている。逃げ切りは、能力あれば決まる程度。

パドックから発走まで
そしてパドックタイムとなる。
1番ベストイチ。胴長体型、その腹回りは重く映る。硬めでスローモーな、ガシガシとした歩様。まあ力強いと言えなくもないが、逆に気怠そうにも見える。
2番トチノグレイス。前々走AGPは追い込み届かず4着だったが、前走前々開催のジュライカップを勝ち、4月の荒尾移籍以来これで5戦2勝。実力者の地位を保っている。当初はのんびりと比較的大きな歩様で歩いていたが、次第にスタスタとそのテンポは上がったか。くすみ気味の栃栗毛で、発汗も大したことはないので艶は目立たない。「トチノグレイス、佐賀時代こんなに馬体細かったっけ?」と小倉のushikenさんが言及するので、「まあ元来シャープなクチでしょ。尤も、今年前半はいつも比較的ガッチリして見えましたけどね。」と応えるワシ。
3番シルバーハヤカゼ。9歳牝馬ながら、この馬はいつ見てもスッキリシャープな馬体だ。黒鹿毛の体表にサラッと汗をかいて、馬体が光る。好印象だが、ちょっとがに股で局部が開き気味、フケか?歳の割には衰えも緩やかで、大した馬だと思うが、長距離戦に良積はなく、ここは苦戦必至かと。
4番パッピーケイオー。ちょっとイライラした感もあるが、大きな動きもなく周回。AGP時と同様、トモの出が遅れ気味で弱い。毛艶や張りもソコソコ、発汗は乏しい。「パッピーちゃんも、すっかり大人しくなってもうたのう・・・」と、福山から遥々お越しの、オーナーであるユノの眞吾さんが漏らす。かつてのパドックでの暴れっぷりと剛直な馬体を知る者を、落胆せしむるに充分な姿だ。何とも・・・
5番佐賀のマウンテングリーン。今年4月までは兵庫所属で、佐賀移籍緒戦は5月17日、以後オープンで4戦2着1回4着3回の戦績。兵庫時代の最高位が、層が著しく弱化した中でのB3格付けなので、有り体に言えば、大した格の馬ではない。「兵庫時代どんな馬やったん?強かったんか?」と"同志"ディープさんが(多分わかっていると思うのだが言わせたいが為にわざと)問われるので、このように答えておいた。牝馬ながら馬体重491kの大型馬で、その値通り大柄。胸前から胴回りも厚く、また首が高い。レオグリングリン産駒だが、大きめのトライバルセンプー産駒という感じもするルックス。馬体張りは充分。発汗が相当キツいが、それがないよりはましかと。ちょっとトモの送りは浅いか。
6番イチノポリス。419kの馬体重通り、細過ぎるくらいスリム。高く振り上げるが出は浅いというトモの送り。
7番ダイメイノボル。気っぷのいい身のこなしではあるが、胴回りはちょっと重め。暑さでキン○マが腫れているような。コウザンシンオー共々、出走馬中唯2頭の荒尾生え抜き馬。3歳時には、シンオーが福山遠征で不在の中、肥後さざんか賞を勝っている。明け4歳時の九州アラブ栄冠はシンオーに次ぐ2着だった。
8番マルトウブルショワ。じんわりした周回気配、毛艶も張りも良好な濃い鹿毛の馬体。見た目だけなら上位。ところが戦績は、実に近14戦掲示盤に載れていないという、惨憺たるもの。こんな馬でも、古馬最上位重賞に出走叶ってしまう荒尾のレース体系って、全く・・・
9番がコウザンシンオー。3月の西日本アラブ大賞典で7着敗退の後、約4か月休養、前々開催のジュライカップで戦列復帰し2着、これが前走。馬体重483kは適正値なれど、そのフォルム、一見して胴回りが重い。大股なトモの送りだが、力感は今一つ。馬体張りと毛艶はまずまずといったところ。一番良く見えた頃のルックスには及ぶべくもない。さりながら、周回を重ねるに連れ次第にやる気が出てきたようではある。
10番佐賀のスターライトマルコ。AGP勝利の後は地元オープンで1戦するも、6着凡走。相手が特段強力だったわけでもなく、不満の残る結果。大柄で胴長な牝馬だが、AGP時に比して、胴回りが明らかに緩い。「全然太いですね。」とushikenさんも。加えて、その時目立ったトモの踏み込みに関しても、今日は案外浅い。印象は前回から相当劣る。何より気になったのは、汗のかきが非常に悪いという点。
11番シゲルマーキュリー。胸前の厚さに比して、ヒ腹とトモが格段に細い体型。毛艶はある方。
12番スターライトマグマ。9歳となった今年6月まで、デビュー以来ずっと兵庫所属で、中堅下位条件だった馬。前開催のオープン・千四戦9着が当地緒戦。賞金の高い兵庫で長く走っていたので生涯獲得賞金は相当高く、故に当地オープン格付けとなったわけだが、それに見合う力がないことは明らか。馬体重519kのデカ馬、胴が異様に太め緩く、妊娠しているが如く垂れ下がっている。その割には、腹袋以外の部分は力感なく貧相。
正直なところ、「これは!」というほど好感抱かされる馬はいない。「見た目どれも冴えないよねえ。」と環ちゃんや3号馬さんらと言い合ったほど。この状況のもと、当初はあまりいい印象ではなかったコウザンシンオーが、結局何だかんだで、最も目立つ1頭に思われてくる。それにしても、この暑さの中での出走でありながらも、汗のかきが目立たぬ馬が多いのは奇異。いくら当地の装鞍所の馬房が、屋根にしとしと散水して涼をもたらす仕組みになっているとしても、だ。

本馬場入場から返し馬。コウザンシンオーは真っ先に、強めのキャンターで通過する。スターライトマルコは長い馬体を伸びやかに動かして、大股で。ベストイチは意外に力強い駆け方。トチノグレイスは楽に。パッピーはダクに下ろす際に、ちょっとだけ伸びをかましたが、全盛時らしい所作はこれだけ。シルバーハヤカゼはいつも通り、まる1周ゆっくりダクを踏んで、最後にホームにやって来る。そして軽く流して行く。

予想。当初はスタータライトマルコを軸でいこうと考えていたのだが、気に入らぬパドック気配であったので、これはヒモの1頭に格下げ。結局コウザンシンオーを軸にする。相手はマルコとトチノグレイス。マウンテングリーンは、兵庫時代の格からすれば、ここは用無しだと思っていたところ、パドックではマルコより印象優ったので、結局買う。
加えてこの日、朝から4番枠デー。第7レースまで、第3レースを除いて全て4号馬が連対している。これには人気薄の馬も含まれ、馬券波乱の一因になっている。準メインの第8レースでは来なかったものの、やっぱり気になる。そしてメインレースにおいて、その4号馬がパッピー。「昔馴染みへの義理」との情もあり、結局薄く、連複のパッピー流しも買ってしまう。死ぬ気で先行し切ったら、連入の可能性も、皆無ではない、か?

レースなり
さてレース。距離は2150m。先の九州アラブグランプリが今年は2000mで施行されたので、そこから150m延びての一戦となる。スタート地点は2コーナー。ここから1周と3/4。
ゲーが開く。最内ベストイチはやや出遅れ気味。スターライトマルコがスッと前に出たが、隣からコウザンシンオーが、西村騎手に押されて押されてハナを獲りにくる。マルコも好発の余勢あって、2頭暫し競り合う格好となるが、バック半ば過ぎから3コーナー手前までに、マルコの鞍上山口勲騎手、手綱を引いて結局シンオーを先にやる。これでシンオーが単騎先頭、そのままぐんぐんと、三分三厘を突っ走る。前2頭の後ろでは、シルバーハヤカゼが離れた3番手。パッピーケイオーが差なく外に併走で続く。
正面スタンド前。先頭変わらず単騎コウザンシンオー、以下を6馬身は引き離して。2番手以下は、各列比較的差のない等間隔。そのフロントにスターライトマルコ、山口騎手の手綱は相当突っ張って、いかにも掛かり気味に。次列内シルバーハヤカゼ外パッピーケイオー。パッピーの後ろにダイメイノボルがいて、次いで内にトチノグレイス。まさに中団真ん中、この馬にしては前々の位置取り。このインにイチノポリスがいて、マウンテングリーンはグレイスの外目後ろ。次いで内スターライトマグマ外マルトウブルショワ、このさらに後方外にシゲルマーキュリーがいて、殿はベストイチ。単騎逃げのシンオーはともかく、2番手以下はいかにもペースが遅そう。

1周目(30KB)
最初の直線、先頭コウザンシンオーが独走
離れた2番手集団のフロント黒メンコがマルコ

1、2コーナー、逃げるシンオー。マルコが再度、前との差を詰める。トチノグレイスが若干位置を上げたか。
向こう正面。シンオーが脚を溜めたのか、マルコが意識的に上げたのか、半ば前までに、2頭の差がさらに縮まる。この後ろは5馬身は開いた。パッピーが3番手キープ、内のシルバーハヤカゼはやや遅れ、そしてトチノグレイスが早くも上昇、パッピーの外まで来る。この後ろはまた開いて、以降は中団以下。マウンテングリーンはまだ9番手、ベストイチはさらに後ろ。
場内がどよめいたのは3コーナー。スターライトマルコ、勝負に出たか、コウザンシンオーを交わしにかかる。と、呆気なくそれが叶ってしまう。一方抜かれたシンオー、全くマルコに付いていけない。行き脚完全に失しており、早くも万事休す。この外でトチノグレイスがスタスタッと駆け上がり、三分三厘、知らぬ間に(というのも、リアルタイムにおいては、シンオー後退に意識が行っていたので)先頭マルコの外に馬体を併せている。このあたり、伸びないシンオーにパッピーが追い付いてくる。ハヤカゼはパッピーのインで何とか持ちこたえて。
というわけで、勝負は完全に前2頭に絞られて、最後の直線へ。先に四角回ったのは内スターライトマルコの方。しかし外トチノグレイスとの差は半馬身あるかないか。何とか粘り切ろうとするマルコだが、トチノグレイス、じわりじわりと追い詰めて、残り100あたり、前に出て勝負あり。最後は1馬身抜けて、真っ先に決勝線を通過した。2着スターライトマルコ。

トチノグレイス(39KB)
トチノグレイス、マルコを交わしてゴールへ
着差に増して余裕で差し切っているような

パッピーが、前には相当離されつつも、3番手で四角回る。ここへマウンテングリーンが追い込んできて迫る。直線に入って程なく、マウンテングリーンがパッピーを抜いて、さらにマルコの2馬身差まで詰め寄って3着入線。パッピーケイオーは終い勢い殆どなくして、7馬身差の4着流れ込み。
以下はリアルタイムでの記憶皆無。5着後方からベストイチ。6着スラーライトマグマ、7着ダイメイノボル、8着シゲルマーキュリー。シルバーハヤカゼは最後の直線さすがにバテたか、9着まで落ちた。10着イチノポリス。コウザンシンオーはまさに逆噴射状態で、まさかのブービー11着。最下位はマルトウブルショワ。

反省、そしておしまい
トチノグレイス、道中後方過ぎて追い込み間に合わなかったAGPでの走りを教訓としたか、今回は比較的前の位置取りから、早めに始動して勝利をモノにした。「最後の直線は、スターライトマルコをいつでも交わせる態勢でしたね。」と辻本くん。着差以上に余裕の勝利だったようだ。
スターライトマルコは2着に敗れたが、AGPと同様、確実な先行競馬でまずまずの着順。好発だったが、ハナに拘るシンオーを前に、引っ掛かるのを覚悟で控えて吉。早め押し切りが叶いかけたレースぶりは、逃げて早々に沈んだシンオーのことを考えれば、力はあると認められよう。が、彼女にとって正念場はこれから。秋以降地元オープン戦線に、筆頭キングダイオー以下、既存の有力どころが復帰して揃ったところで、これらにどこまで通用するかということ。
マウンテングリーンの追い込みは、勝ち負けにはちょっと間に合わなかったものの、なかなか目立ったかと。「トチノグレイス追っかけてきた感じ?」と辻本くんに振ると、曰く、「中盤(トチノグレイスからは)もっと後ろ。殿だったベストイチが先に上昇して、遅れて仕掛けてこれを抜き返して、追い上げてきましたね。」と。
パッピーケイオーはこの馬なりの先団・好位競馬なのだが、終盤は位置をキープするだけで精一杯。「パッピー、あの形から2着来れんのかぁ。ちょっとだけ夢見かけたけどなあ。」とは、スケベ馬券持っていた辻本くん。「力落ちた去年の夏の時点でも、福山のA2勝てていたんだから、もうちょっとやれると思うんですけどねえ。」とは3号馬さん。が、今のパッピーが提示するのは、「馬は衰えて弱くなる。」という真理、これに尽きよう。強かった頃をよく知る者としては、ホンマにツラいけれど。
それにしても沈没コウザンシンオーは・・・「あの(見た目スローな)ペースでこれだけ沈むかぁ。」と、不可解に思われたほど。ところがラップタイムをメモしていた辻本くんによれば、「いや、コウザンシンオー相当速かったですよ。ハナに立つまでスターライトマルコとかなり競りましたし、単騎逃げになってからも、そんなにペース落ちてませんね。」とのこと。続けてズバリ、「あれじゃあバテます。」と指摘。昨年来、テンに行けず追い込み競馬となって届かぬレースが多かったのは事実。そこで西村騎手、ショック療法的に強引に逃げたのやも知れぬが、どうやら完全なるオーパーペースとなってしまったようだ。あまりに酷い失速ぶりに、「故障か?」と心配になったほど(どうやら故障ではないようだと、その後事情通の方から伝わってきたが)。それにしても、当地断然のトップホースの走りとしては、叩き2戦目の仕上げ途上だったとしても、余りに不甲斐ない。

馬券は完全なるタテ目で丸負け。マルコ格下げしてシンオー軸に作戦変更したことが完全に裏目に出た。トホホ・・・

まあ、トチノグレイスの勝利は、このレースがお盆開催の九州交流戦となって3年目にして、地元荒尾勢がやっと挙げたものであり、その意義はあろう。たとえこの馬が、つい最近まで佐賀所属だったがために、荒尾の馬というイメージが未だに薄いとしてもだ。そして彼自身、3年前から昨年にかけての九州アラブ王冠賞3連覇に続いて、これで4年連続の重賞勝ちという偉業を達成。この二点は、強調するに値するとは思う。が・・・

それでもやはり、レース終わっての印象、「荒尾アラブ界のオイシイところ、殆ど活かせていないもんな。こんなんじゃあ、全く食い足りねえぞ。」となってしまう。加えて、締まらぬ印象をさらに助長したのは、シンオーの惨敗。厳しい書き方で申し訳ないが、正直、白けた。よしんば故障が故のスローダウンだったとしても、だ。故障への気遣いは大きかったのは事実なれど、それとこれとは別の問題である。
結局この日の荒尾競馬観戦、個人的に最も記憶に残るのは、アラブ大賞典について、ではなく、"荒尾競馬の決め手"さんが差し入れて下さった、「荒尾名物、万幸堂のメロンパン」だったりするわけで。メロンパンはホンマに美味しいのだけれど、荒尾の基幹重賞が、これじゃあアカンわ。


2003.8.25 記

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