第18回福姫交流観戦報告

 2003.3.5、姫路、1500m 但し重賞ではなく指定(特別)競走

はじめに
3月姫路開催恒例、福姫交流。福山と兵庫、2地区の3歳補助馬(馬主会補助馬。中央補助馬は除く)交流レースである。重賞ではない、指定特別競走だが、意味合いも賞金も、重賞に比肩するものなのである。御丁寧に、回次まで明記されている。
そして今年、迎えた第18回。最終回となった――
すなわち、当日付けの『キンキ』紙上、北防記者のコラムに曰く、「アラブ生産頭数激減の状況、補助馬制度を受けるのは、今年(の2歳)からはサラに変更。」だそうで。兵庫のアラブ2歳入厩自体も今年で終了するのだが、その最終世代を待たずして、アラブ補助馬はお終いとなるようだ。従って、来年、この福姫交流、(今年福山がサラ導入せぬ限り)ない。

出走馬について
その最後の福姫交流、出走馬は内枠より以下の11頭。()内は騎手、姓、斤量。
ラピッドリーラン(片桐、牝、54k、福山)、マイン(岡田、牝、53k、福山)、マリンズゴールド(黒川、牡、54k、福山)、ワシュウビジン(岩田、牝、53k)、ハリキリヒーロー(松浦高、牡、54k)、ジャンボユーノス(赤木、牡、54k)、ミヤコホマレ(嬉、牝、53k、福山)、イテオンウイーク(石井、牡、54k、福山)、ホワイトタイガー(小牧太、牡、55k)、アヤフク(岡崎、牝、53k、福山)、ニホンカイブルー(三野、牡、54k)
「何やこのレース、馬齢定量戦ちゃうんうやな。」とOku師匠が出走馬掲示盤を眺めつつ口にするが、その通り別定重量戦で、番組賞金上位で重賞勝ち馬である、ホワイトタイガーとラピッドリーランは、他馬より1k余計に背負う。

福山から6頭、地元兵庫は、園田・福山交流特別競走(以下園福交流と略)2着のベロシダハーバーが回避(前走若駒賞を3着完敗)、ダイセンヤマトはミニ放牧中で不出走につき、5頭。
まずは福山勢。中央補助馬には大物が少なからずいるももの、馬主会補助馬に関しては今一つだとは、園福交流の観戦記の序盤に記した通り。が、その園福交流では、地元の期待を一身に集めたラピッドリーランが逃げ切り、劣勢を跳ね返して制した。それから1ヶ月半弱、今回も彼女が、福山一番手であることに変わりはない。以下、園福交流の経験者に、高知・荒尾・福山交流特別競走(以下高荒福交流と略)を走った連中も加わっての陣容で(高荒福交流の出走馬は当時園福交流のそれより格下だった面々)、最後の播州攻めである。
一方迎え撃つ地元勢。馬主会補助馬の層の厚さにおいては、一見福山勢よりも、兵庫の方がかなり優っている感。兵庫の当世代、上位に補助馬の占める割合が例年以上で、最後の補助馬世代が高レベルという皮肉な状況。筆頭はホワイトタイガー。前々走園福交流では勝負に遅れてよもやの3着を喫したが、前走菜の花特別(園福、福姫両交流共々、兵庫補助馬三冠を形成する指定特別競走、補助馬限定戦時代のフクパーク記念〔現在のフクパークの実体はかつての菊水賞である〕の成れの果て。)はキッチリ勝って、ここに臨む。そして2歳当初の最有力馬、ワシュウビジンが4ヶ月半の休養明けで再登場、これも注目。

当日の概況
前々日月曜日の晩、既に3月ながら寒波再襲来。おかげで前日は大雪降るほどの極寒。そして当日、午後から姫路に。「幾分寒さも和らいだかな。」と思いつつのところ、それは完全なる誤解で、手袋なしでは掌がかじかんでしまうほどの冷え込み。実際のところ、3月上旬の姫路競馬は例年寒い。3年前の播磨賞も昨年の福姫もそうだった。
天気は概ね曇り、時折僅かに雲が切れる程度。馬場状態は昨日の雪でずっと重。ぎしっと砂が水分を含んでいる感じ。この時季の常で、馬場に凍結防止剤を撒いているようで、湿り気を帯びると砂に粘りが出る。
展開的には昨日来逃げも差しも決まるよう。特に差し・追い込みの頻度は高そう。馬場外目も伸びがちだが、特筆に値するのは最内1頭分のライン。殊に岩田騎手が、これを見事に読んで、数度インベタ強襲を決めている。

パドックから発走まで
そしてパドックタイム。案の定福山勢は全馬マイナス馬体重。ラピッドリーランも-6kだが、危惧されたほどの減り幅ではない。
1番がラピッドリーラン。胴回りに冬毛が出て見た目冴えないのは園福交流時と同様でこんなもん。いつもながらに踏み込みが深く、非常にキビキビとした気っぷいい周回。輸送でテンション上がるのではと懸念されたが、それほどでもない。装鞍所では、馬房に入らず外で過ごしていて、ちょっとイライラ気味なのを宥められていたが、これも前走と同じ。ただ、前走、中間熱発して、予定の1開催を使えなかったのは誤算のよう。
2番マイン。内の厩務員さんに頭を預ける仕草がしばしばで、概ねチャカチャカ煩い。後半身が乏しい感じ。スマノヒット産駒牝馬らしい体型ではあるが。前々走園福交流4着、前走3歳2組戦4着。差し脚質。
3番マリンズゴールド。非常にキビキビとした身のこなしで、歩様は硬いが活気ある周回。馬体重459k以上に大きく見せて、真っ黒な芦毛の馬体の実入りよさも相まって、ルックスは大したもの。前走高荒福交流を好位維持の3着。
4番ワシュウビジン。ワシは目にするの初めて。全兄ワシュウジョージと全く似ていない、栗毛の大型馬。馬体重510kは前走比+21k。成長分もあろうが、やはり仕上げ途上か、腹回りなど緩い。冬毛も出ている。周回は気っぷよく、外外を歩んでいる。とにかく大柄で、殊に腰からケツのボリュームが凄い。「なかなかエエ感じの馬やないか。」とOkuさんも。10月22日、デビュー5戦目にして初めて黒星喫して以来の実戦。負かしたのはホワイトタイガーである。当時の主戦太騎手はそのホワイトタイガーに乗るので、今日は岩田騎手が初騎乗で。
5番ハリキリヒーロー。園福交流時はただただデカいだけの見た目だったが、今日は随分無駄なところが削がれた感じ。実際馬体重も漸減傾向で、園福交流では548kのところ、今日は530kにまで落ちた。筋肉ムキムキで馬体張りも上々、格好いい。鶴首になって、気合いを前面に出しての周回。園福交流7着、菜の花特別5着、前開催は直前で出走取消なので、これが前走。
6番ジャンボユーノス。昨秋10月28日が初出走で、ここまで5戦2勝1着1回、その2勝は近2走という、ニホンカイユーノス産駒の新顔、そして芦毛。馬体重505kの大型馬で、腹袋からヒ腹まで胴のラインが全部太い。ユーノス産駒には珍しく重厚な馬体。加えて非常にキビキビ活気ある身のこなしで「ユーノスっ仔にしてはやる気満々やないか。」とOku師匠に言わしむる、ちょっと異色のキャラ。馬体張りはちゃんとあって、枯れた茶色のベルベットのような毛並。前走1着は3開催前のF2−1組戦。
7番ミヤコホマレ。馬体張りもいいし、毛艶もこの中では上位、スッキリした好ルックス。やや細かい動きが目立って気配は煩めか。前々走園福交流最下位1着ながら、前走適鞍の3歳4組戦で持ち直して1着。
8番イテオンウイーク。胴長体型で、その胴は緩め。くすんだ艶の栗毛馬で、馬体張りもソコソコレベルと、正直見栄えする口ではない。半姉のシュウホウウイークも同様だった。前走高荒福交流6着。『キンキ』では無印だが、『福山エース』の樋本デスクは、HPにて少々期待の旨を記しておられた。やや晩成の気はあろうか。
9番がホワイトタイガー。入場当初はやや細かい動きが目立ったが、やがて落ち着いた。時折物見気味に、外へ頭を向ける。相変わらずスッキリした馬体で毛艶もいいのだが、馬体重は前走比-14kの446k。これは前々走園福交流時と同じだが、やはり輸送減りもあろう。どうも輸送がよろしくなさそう。事実馬体はちょっと細く、トモの力感も平凡。深く踏み込まないのは常。今回『キンキ』のシルシはオール◎。実績からしても当然の評価ではあるが、その割にはこの周回、押し出し感存在感はさほどでもない。近2走成績は前記の通り。
10番アヤフク。あのドリーミングやアヤヒカリの半妹で、パッと見姉たちに似ているが、その実遙かに貧相。トモのボリュームに乏しい。今日は毛艶もイマイチで、チャカチャカと煩い。前々走園福交流8着、前走3歳4組戦6着。追い込み馬だが、後方ママのレースが続く。
11番ニホンカイブルー。馬体重-8kだが、前走若駒賞時の方が、胴回りがスカッとしたような。ところが帰って写真見直すと、今回の方がやっぱり細かった。柔らかい身のこなしで大人しく周回している。とは、良いように書けばのこと。これがまあ、「何じゃぁこれ、史上最強(最悪?)にやる気無いパドックやないけ!」と"リーダー"前田っちを驚かせる、究極の「死んだような」周回だったのだ。園福交流は回避だったが、前々走菜の花特別3着、前走前開催の若駒賞4着。ソコソコの戦績なれど、園田2歳優駿をピークとして、今や完全に伸び悩んでいる。
「止まーれー」の声で、騎手が跨る。ここでいつもの常で、ニホンカイブルーが早々に退場して、三野騎手は裏手で騎乗。ジャンボユーノスが赤木騎手を乗せると、一段と気合いが入った様が印象的。

マリンズゴールド(39KB)
マリンズゴールド、パドック
実入り充分の真っ黒芦毛、いい感じ
ワシュウビジン(39KB)
ワシュウビジン、パドック
兄ジョージに全く似ていない栗毛ドッシリ体型

本馬場入場から返し馬。駆け出して馬場を回って、再度正面走路までやって来て流す馬は1頭もいない。福山勢もこの「兵庫流」に倣って、4コーナーまで歩んで行って、そこから1周弱で、四角の待機所に入る。ジャンボユーノスは外ラチ沿いに登場して、ゴール板前から真っ先に、豪快に駆け出した。ラピッドリーランはそれほどテンション上がってはいない。ホワイトタイガーは大きなフットワークで駆けて行った。ワシュウビジンは比較的楽に。

予想。ホワイトタイガー、輸送ある姫路戦、そして馬体重減はあるが、この中心は動かし難い。が、ここはラピッドリーランの逃げに期待したいところ。こちらは危惧された程には輸送の問題は生じなかったようだ。この組み合わせは人気サイドなので、勝負馬券はラピッドリー→タイガーの馬単。タイガーは好きな馬なのだが、ここはスケベ心優先。この2頭に、お初ながら妙に目を惹いた、ジャンボユーノスの素質にも注目して、連複の目に加える。ワシュウビジンはまだまだ仕上げ途上だろう、素質で走られたら諦める。ニホンカイブルーが連入するシーンも想像しにくい。福山の他馬は、穴に徹すれば買えようが、今日はそこまで面倒見切れないので、買わず。

レースなり
さてレース。距離は1500m。4コーナーを出て直線に入ったあたりがスタート地点。
ゲートが開く。ラピッドリーランの出っ端は今日もよろしくない、が、片桐騎手に押されて何とかフロントに出てくる。これにマインとマリンズゴールドを加えた、内3頭がまずは先手。ワシュウビジンはまずまずの出から、前3頭の後ろを回り込んで、岩田騎手は意識的にインコースを狙う。外からはジャンボユーノスも好発で前を目指し、連れてミヤコホマレも。あの馬の姿は、前列に、ない。
といった塩梅で、最初の正面スタンド前、ゴール板あたりでは、じわっとラピッドリーが単騎先頭に。1馬身強あって次列に、内ワシュウ中マリンズ外ジャンボ、ワシュウはスッと下げたマインと直前マリンズとの隙間に切り込み、この位置を取った。マインは内5番手。同位置外目にミヤコ。ややあって外にニホンカイブルーがいて、以下ハリキリヒーロー、イテオンウイーク、アヤフクと続き、ホワイトタイガーは何とドンケツ追走。リプレイ見直すと、ホワイトタイガー、あろう事かスタートでグキッと躓いて、2完歩目でバランスを崩して完全なる出負け。

1周目(37KB)
最初の正面スタンド前
先頭ラピッドリー、まだ差なく2番手マリンズ、直後外の芦毛がジャンボユーノス

1コーナーから2コーナー。ラピッドリーランは単騎逃げながら、まだ後続が離れずびったりと。しかしながら競り掛ける馬もなく、程良くテンション維持された流れ。ホワイトタイガーは外から内に入り、殿アヤフクとケツ二ハリキリヒーローを抜いた9番手。
向こう正面。先頭ラピッドリーから後方まで、ズラッと等間隔の縦列。各々1馬身弱の前後差。ラピッドリーランは相変わらず見た目引き付け逃げだが、気性勝ちなスピード馬というキャラの割には、非常によく抑制されている。マリンズゴールドもしっかり付いていっている。
3コーナー手前、ラピッドリーランと後続の差は、やや開いて2、3馬身。ここで追走各馬にも動きが。ワシュウビジンが内からマリンズゴールドを抜いて、3番手から2番手に。外からニホンカイブルーも上昇。交わされたジャンボユーノスはこのあたりで遅れ、知らぬ間に脱落。好位最内マインとその外ミヤコホマレも並んで食い下がっていく。
三分三厘、漸うホワイトタイガーが好位に出現。バック半ばで再度外に出して、ひと呼吸あった後に差し脚開陳。が、この時点で、遂にラピッドリーランがアクセル踏んだ。びよ〜ん!とリードが一気に広がる。取り付いてくる馬はいない。四角手前で既に独走に持ち込んで、これで勝負あり。
が、圧巻はここから。コーナリングで見た目一瞬リードが縮むも、それも錯視のようなもの。片桐騎手、チラと後ろを振り向いて、そしてガシガシと手綱しごいて右鞭数発。後続との差は開く一方、絵に描いたようなブッチギリになった。片桐騎手、パートナーの首筋を左手でサッと撫でて、そして小さくガッツポーズ作ってゴールイン。2着馬に7馬身、1秒2差を付けていた。

ラピッドリーラン(36KB)
圧勝楽勝でゴールを迎えるラピッドリーラン
片桐騎手、パートナーを労いつつ

2着争いはそれなりに熱戦。4コーナーを2番手で回ったのはワシュウビジン。外からマリンズゴールドが離れず3番手で。次いで内マイン外ニホンカイブルー。ワシュウビジンは残り100で脚が上がって、マリンズに抜かれて脱落。これで2番手マリンズゴールド。そしてゴールというところ、直線使って、やっとのことで外からホワイトタイガーが伸びてくる。ラピッドリーは交わすべくもないが、「せめて2着は」の勢いはある。内マリンズ外タイガー、2頭僅差でフンッと目の前つまりは決勝線を通過した。「さあどうか?」の結果は、2着しのいでマリンズゴールド、3着3/4馬身及ばずホワイトタイガー。マインはかなり惜しい1馬身差4着。ニホンカイブルーは終い案外伸びず、3馬身差で5着。6着止まったワシュウビジン。7着四角ケツ二で回ったイテオンウイーク。8着ハリキリヒーローも後方からチョイ差し。道中好位ミヤコホマレとジャンボユーノスはそれぞれ9着10着に落ちた。最下位アヤフクは殿ママ。
勝負終わって検量前に引き揚げてくる各馬の中で、ホワイトタイガー1頭は、鞍上太さんがレース後コース上で下馬し、曳かれて戻ってきた。何かアクシデントでもあったのか、スタートも異常であったし、ちょっと心配。
勝ち時計1分37秒8は、同日の最終競走の古馬A1戦(あまりに層が薄いがこれでも準オープン相当、こちらも勝ち馬は逃げ切り)のそれ、1分39秒2より1秒4も速い。かなりの好タイムであることは間違いない。

レース終わって、そして今年も反省
本命のホワイトタイガーが連対落ちしたおかげで、枠複5,450円、馬複7,470円、馬単10,760円と、昨年に続き高額配当。ここで書かねばならぬのがまりおさんのこと。昨年の福姫交流では、福山勢の単勝馬券総買いのところ、ただ1頭買い漏らした人気薄ヒットランナーが勝ってしまい、6,750円を獲り逃すという、痛恨の経験を持つ彼女。今年は馬複7,470円をしっかりGet。1年越しのリベンジを果たした。それが叶うだけ、偉いわと思う。負けっ放しやられっ放しのワシからすればさあ。

レース後の表彰式。それが終わって、片桐騎手にサイン貰おうとしたのだが、片桐騎手、「何とかかんとか」言いながら、他のお客さんの頼みも全て断って、とっとと駆けて行ってしまった。ということで、馬券と同様サインGetも未遂。「んもぉー。勝った馬は偉いけど、ワタシあの人○×□!(←ズバリはとても書けません)」と、ニーナさんがグサリと言い放つ。コワイ・・・

鞍上はともかくとして、まずは勝者ラピッドリーランについて。園福交流時と同様、やっぱりテンのダッシュは悪かったのだが、それでもハナが叶ったのでまずはよかったろう。道中喧嘩売ってくる相手がいなかったのは確かに幸いしたろうが、本気モードになってからのスピードは出色。輸送競馬もクリアし、道中折り合いも充分と、気性面での不安が気色悪いほど息を潜めた一戦だった。結果が明示するように、この馬、速いし強いわ。因みに、'99年ピカイチ以来の、園福(昨年以前は三県交流)と福姫、両交流制覇となった。楽しみなのは今後。まずは次走の牝馬重賞クイーンカップ。ここには同じスピード逃げ馬、デザートビューが登場する公算が強い。逃げ同型、それも強力な相手と対した際に、いかに走るかが課題であり、事実これまではネックだったので、これは正念場かも。
マリンズゴールドはワシュウビジンに一旦交わされつつも抜き返し、ホワイトタイガーを振り切った、渋太い競馬だった。なかなかに先団・好位競馬のセンスがある。「明け3歳春先のイムラッド産駒は伸び頃稼ぎ頃」とは、高荒福交流の観戦記中で、彼に触れたくだりで記したことだが、いかにもそれに合致しよう走りだ。こちらの次走はキングカップ。先に出世している素質馬も多いが、これだけ走れれば、「小惑星の一つ」くらいの扱いには足るのでは。これ、エールだよ。
それにしてもホワイトタイガーは・・・あのゲートじゃどうしょうもない。後半の差し脚はこれまで以上に斬れたが、正攻法の好位競馬で繰り出したわけではないので、参考になるまい。しかしなあ、何故にここで負けるかなあ。菜の花特別は完勝なのに、園福交流と福姫交流は完敗。格好付けるべき交流戦の舞台で締まらない間の悪さ。そしてラピッドリーランには連敗。「タイガーチャン、アナタワワタシニカテナイノ、カテナイノ・・・」と、彼女に呪詛でもかけられてるんじゃないのか?と訝られるほどに、2戦とも完璧に負けた。いずれも後手踏みの拙い競馬でもあるし、どうも運気の流れがよろしくないような。この流れ、何としても断ち切りたいところ。それにしてもレース後の様子が気に懸かる。無事だといいのだが。
マインは好位死守で終始動きもシャープな好走だったと思う。前々の競馬で、この相手でこの着順に食い込んだのは収穫だろう。岡田騎手も巧かった。「マインの複勝買ってたんだわ、惜しい。」とはOku師匠。この馬も恐らく次走はクイーンカップ。ラピッドリーランとデザートビューが競り合って、結果共倒れとなるケースを、仮に想像してみると、好位から攻める彼女の存在、ちょっと面白い。
ニホンカイブルーは何だかんだで5着なのだが。「ホワイトタイガーの好敵手、園田2歳優駿2着」の看板は早くも色褪せ、代わって「ソコソコ主義」あたりが、似つかわしいレッテルとなってきたぞ。何とかしろよ、自力でさ。
ワシュウビジンは岩田騎手のリードもあって、センスあるレース運びだったとは思うが、息が保たなかったあたり、やはり仕上げ途上だろう。次回次々回の変わり身に注目。ジャンボユーノスはまだまだ。

おわりに〜「アデュー、福姫・・・」
以上、今年の福姫交流も終了。これでこのレースにも幕が下りる。交流戦ながら、いささか地味な雰囲気で、しかしながら味があって、これまた地味で薄ら寒い春先の姫路開催に、とてもマッチしていたのになあ。レース名からして、略さず言えば明らかに「福山・姫路交流特別(競走)」であるところ、略称まんまで正式名称というお手軽さ。ゼッケンに記された「福姫交流」の漢字4文字が、何とも座りよくってかつ垢抜けなくて、今となっては、それすらいとおしい。無理矢理な結びな感じだけれど、たまにはセンチに終わらせてくれよ。

2003.3.18 記  
2003.3.19 追記

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