総括 2000年上半期アラブ重賞巡り


ご挨拶

今年2月10日にHPを開設して、これまで現場観戦の観戦記を順次掲載してまいりました。結果、今年1月以降、17重賞1非重賞その他1(ニホンカイキャロルの引退式)と、計19観戦記をしたためることができました。
今7月を迎え、ここに1〜6月すなわち今年上半期の、アラブ巡りを総括・回顧してみようと思い、こんなページをこしらえてみました。

観戦レースとその結果〜データ一覧風に

キャロル引退式を除く、観戦記に掲載した全18競走とその結果を以下の表にまとめました。
競馬場別に数をまとめると次のようになります(含キャロル引退式)。
園田5、姫路1、福山5、益田2、上山1,名古屋1、笠松1、高知1、佐賀1、中津1

実施日競馬場レース名距離 1着2着
馬 名人気決手馬 名人気決手
1/2笠 松アラブギフ大賞典1900mイケノエメラルドフジノテイオー
その他:マルタカフレンズ(○2人)7着
1/3園 田新春賞1870mワシュウジョージトライバルサンダー
その他:マキオリンボー(○2人)4着、ケイエスヨシゼン(▲3人)5着
1/4益 田日本海特別(冬)2200mニホンカイプリウスローレルヒロ
その他:シリウスファイター(○2人)3着
2/13中 津ガーネット特別1760mニホンカイプリウスフツロサンサン
その他:ローレルヒロ(▲4人)4着
2/14園 田山陽杯(園田)1870mワシュウジョジトライバルサンダー
その他:アキフジクラウン(△4人)3着、ケイエスヨシゼン(▲3人)5着
3/5佐 賀全日本セイユウ賞2400mアキフジクラウンワシュウジョージ
その他:ホマレスターライツ(◎1人)3着、ホーエチャンピオン(△4人)7着、イケノエメラルド(×3人)8着
3/8姫 路播磨賞2000mトライバルサンダーカズミサチフジ
その他:タッカースカレー(▲2人)7着、ノースタイガー(?3人)11着
3/19福 山ローゼンホーマ記念1800mパッピーケイオーモナクダイキチ
その他:マツノホープ(▲3人)3着、ワールドアイ(△4人)4着
4/19園 田フクパーク記念1870mタカライデンランダムオーク
その他:ツバサイッセイ(▲3人)3着
4/23高 知南国桜花賞1900mパワーレイクデルタフォース
その他:チュウオーロッサ(◎1人)競走中止
4/30福 山福山ダービー1800m×アレクシアヤマノダイオー
その他:ピアドオスカー(○3人)3着、カガヤキフォルテ(▲2人)9着
5/3名古屋名古屋杯(春)1900mブラインダンディブレーンワーク
その他:イケノエメラルド(○2人)4着、アズマダイドウ(△4人)3着
5/5園 田兵庫大賞典1870mトライバルサンダーワシュウジョージ
その他:マイクリス(無8人)3着、シャインマンリー(×5人)4着、ケイエスヨシゼン(△4人)5着、カズミサチフジ(▲3人)6着
5/17園 田楠賞全日本アラブ優駿2400mコウザンハヤヒデタカライデン
その他:シゲルロータイプ(無10人)3着、ランダムオーク(○2人)4着、アオイリュウセイ(▲3人)6着
6/4福 山瀬戸内賞1600mモナクマリンノア
その他:モリヒロシャープ(△2人)4着
6/11福 山山陽杯(春)1800mワールドアイパッピーケイオー
その他:マルサンダイオー(○2人)5着
6/25福 山銀杯1800mミスターカミサマブラウンマーチ
その他:イクノシンプウ(▲2人)3着、ヤマノダイオー(○1人)7着
6/27上 山東北アラブチャンピオン1800mメグミダイオータービュレンス
その他:マルハチフレンド(◎1人)3着、マーキュリサンダー(△4人)4着、アオイリュウセイ(×5人)5着
※上記表中の予想の印は当日の大勢とワシの私見より。決め手の略称は、逃=逃げ、先=先行、差=差し、ま=捲り、追=追い込み、をそれぞれ示す。

極私的総括あれこれ

1.レース編

ベストレース=楠賞
やはりこれでしょう。コウザンハヤヒデの見事だったこと。またレースもともかく、レース後のお客さんの祝福の雰囲気も感動的でした。
最も悔しかったレース=セイユウ賞
勝利を信じて疑わなかったホマスタの敗戦。ショックでした。
しかしながらここでは、アキフジの長距離スタミナ&パワー勝負での強さというのをまざまざと見せつけられましたね。ホマスタやワシュウの野望を真っ向ねじ伏せたわけですから。
最もほのぼの観戦できたレース=日本海特別
愛馬プリウス、逞しく優勝ということもありましたが、益田の何とものんびりとした雰囲気がGoodでした。おまけに当日は正月の山陰としては最高の好天でぽかぽか陽気。文句なし!
最も馬券で儲かったレース=南国桜花賞
本命ロッサの故障は気の毒でしたが、パワーレイク&見込んでいたものの低人気だったデルタフォースで決まり、馬連33.4倍。3点で仕留め、おいしかったっす。
消耗戦=瀬戸内賞
モナクマリンvsノアvsアポロスイセイvsエムエスベッカーの逃げ合戦。ノーガードの殴り合い、最後はみんなバタバタ。
接戦=播磨賞
直線逃げ快走サンダーめがけてカズミサチフジ一直線に矢のような追い込み。G前馬体があって結果ハナ差。思った以上に着差が僅か。
圧勝=銀杯
三角手前でのミスターカミサマの捲り一閃は他馬と桁違い。福山4歳戦線に覇を唱えた瞬間でした。
豪脚=新春賞
何と言ってもワシュウジョージ、捲って上がってきて直線更にぐ〜〜んと伸びる。凄い加速感。
惜別=播磨賞、兵庫大賞典、東北アラブチャンピオン
播磨賞と兵庫大賞典はアラブ系での施行がこれが最後、東北アラチャンはレース自体がこれがラスト。この時代、こういったレースに立ち会う頻度が非常に高く、残念な想いばかり。

2.馬編(当然何度も目にする馬の評価が高くなります。)

MVH(MVPならぬ)=コウザンハヤヒデ
これは認めないとしょうがないでしょう。実にヒーロー然とした姿。レースも文句なしでしたしね。
殊勲賞=アキフジクラウン
セイユウ賞、錚々たる面々を下し、日本一ですからね。昨秋以降ここまでのアキフジの強さは特筆に値するものですよ。夏場の今は駄目ですが・・・
殊勲賞=トライバルサンダー
条件馬の身で臨んだ新春賞2着、まだ賞金不足でぎりぎりの出走だった播磨賞、大本命で兵庫重賞初V。大賞典ではワシュウも下し重賞連覇。完全連対持続中。エイランボーイ不在のなかワシュウと共にず抜けた二強として君臨。爆速牝馬の名をほしいままに。
敢闘賞=タカライデン
兵庫最強4歳ハッコーディオスを欠いた兵庫勢にあって、フクパークでまず一冠、楠賞では破れこそすれ2着で一応ホストの面目は保って。その後も休みもせず古馬OPで勝利。いまだ完全連対。
敢闘賞=パッピーケイオー
春先まではアキフジの次位筆頭を常にがっちり。ローゼンホーマで重賞初Vの後、凱旋アキフジを桜花賞で撃破。夏を迎え疲労が溜まっているらしいが、熱血走法がキャラにとても似つかわしい。強くなりました。
技能賞=メグミダイオー
重厚な先行馬が技能賞に相応しいかは疑問ですが、他馬の動向に惑わされることなく己が実力を信じ、その通りに確実に勝ったアラチャンはサスガでした。
技能賞=アレクシア
これちょっと強引ですが、福山ダービーでの、道中食らい付き、直線ヤマノダイオーを馬体を併せて競り落としは、見事でしたのでね。
その他、ココロ惹かれた馬たち
愛馬プリウス、"劇的"ホマスタ、"快足美少年"ノア、"天の邪鬼"ダイホーマ、"稀代の追い込み"デルタフォースetc...と、枚挙にいとまがないのですが・・・
結局のところ、ワシのココロに最も波風を立たせたのはヨシゼンなんですわ。ワシ元来熱狂的なヨシゼンファンではないんですが、とはいえ歴史的三冠馬ですし、それが引退もできずに8歳を迎え戦い続けているわけで。それでもって冬場のヨシゼンの出来がまた酷くて、ここに「ヨシゼンアカんがなあ」のセリフが生まれたという・・・それでも大賞典は復調気配に賭けてやはり敗戦。他にもセイユウ賞出走するだのせぬだの、山陽杯は辞退だの、iモードでは廃馬のデマカキコが流れるだの、ホンマあれこれ気を揉ませさせられました。

観戦が叶わなかったレース

以下は、観戦できたレースと同日開催のため観ることが不可能だったレース、意識的にパスして後悔したレースなどです。
福山大賞典(1/3、福山)
新春賞と同日。福山最高峰レース、ホントは是非観たい!今年はアキフジ王者の貫禄。
紫桐杯(1/3、水沢)
新春賞と同日。アラブ系最後の紫桐杯。この頃ワシは岩手に関する見識がなく・・・水沢遠いし。
福山・益田・福山交流特別(1/16、福山)
イッテンヨカイチは観たかったが、雨天で行く気を削がれる。ダイホーマが一世一代の水掻き走法V。
高崎観音賞(3/19、高崎)
ローゼンホーマ記念と同日。イーシーvsカズタカ。確かアラブ系最後の観音賞。福山オフ会やったしなあ・・・
まほろば賞特別(3/26、益田)
当初から行く気なし。ところがニホンカイローレル誘導馬で登場だわノアいい馬らしわで・・・はっきり言ってノアを完全に見くびっていた。益田は遠い。
福山桜花賞(4/16、福山)
行く予定だったのだが同日にキャロルの引退式が挙行されるという報に接し、益田へ予定変更。パッピー佐賀帰りのアキフジを撃破。
アラブグランプリ(4/30、金沢)
福山ダービーと同日。金沢古馬の大一番。金沢はどういうわけだか縁遠い。
金蹄賞(5/4、水沢)
岩手最後のアラブ系競走。行かねばならなかったと今にして思う。悔しい。

そして下半期へ〜その展望とお楽しみ

"絶対王者"エイランボーイ、それに対する兵庫上半期の二強、ワシュウ&サンダー
常々主張していますが、日本中の現役アラブのなかで、エイランボーイが間違いなく最強=日本一だと確信しています。
ところが兵庫の報道などヤワなもので、エイラン半年の休養中、最強馬=ワシュウ及びサンダーという見解一色に。この秋、その辺をシロクロはっきりさせようじゃあありませんか!ただエイランにとって心配は脚元、そして何より「鞍上」。いったい誰が乗るん?
決戦場はやはりタマツバキ記念山陽杯。これは西日本交流ということで下半期最高の大一番。各地の強豪の集結が予想されます。高知パワーレイク、九州の逃げ大王フクヨシオーは是非。福山アキフジorパッピーは間に合うのか?ちょっと注目は名古屋ブラウンダンディ。4歳春の楠賞当時から比較にならぬほど馬が強くなっています。地元兵庫、ヨシゼン、この先どこへ行く?
ところでタマツバキ、現状では西日本交流との発表だが、先の予定が不明瞭な主催者そしてあのお上N○Rのこと、全国交流になる目はないのでしょうか?
各地の4歳有力馬の動向、そして激突
アラブ優駿馬コウザンハヤヒデ、兵庫タカライデン、福山ミスターカミサマ、益田ノア&イッテンヨカイチ。そしてそして、惜しくも春は頓挫した兵庫最強ハッコーディオス。彼ら彼女らがどう成長し、どう激突するのか。
コウザンは荒尾記念九州アラブダービー(佐賀)とステップ刻むはず。兵庫勢は三冠最終関門姫山菊花賞。ハッコーvsタカライデンは実現するのか?福山勢は二冠目鞆の浦賞。そして勝負は、西日本アラブダービー
戦列復帰ペルターブレーブ、それを巡る上山戦線
3月のセイユウ賞を狙ったペルター、故障で上半期を棒に振る。しかしいよいよ夏に復帰。昨年はビソウウエスタンとの死闘に勝ち越し、かの地の王者に。休養の間、マルハチフレンドの台頭、岩手タービュレンスの上山移籍、4歳アオイリュウセイの登場と、層が更に厚くなった印象。さてペルター様、王座を守れるか?かかしまつり賞奥の細道大賞典はチェックの必要ありだな。
とにかく、生ペルターを拝むことがワシの1番の課題。
ホマレスターライツ、イーシーキングをはじめとする北関東勢
アラブ系古馬重賞は秋の日刊スポーツ杯、年末のとちぎアラブ大賞典までなく、タマツバキの門戸が全国に開かれぬ限り、翌年1月のセイユウ賞(荒尾)まで、外に打って出るチャンスもない栃木勢。サラ挑戦が不可避の現状、ホマスタvsベラミロードという夢の対決はネタ的には面白いが、それ以外の何物でもなく。こうした閉塞状況に、「転出」の二文字が否応なく頭をもたげる。
ホマスタの超絶パフォーマンスやイーシーの強靱なスピード、それに相応しい舞台で拝みたいと切に願います。
プリウス安泰?世代交代?益田、風雲急
佐賀転厩後1走もせずに益田に戻ったニホンカイプリウス。益田所属馬とは勝負付けは済んだはず、2番手もローレルヒロで堅いと思っていたところ、4歳二強、ノア&イッテンヨカイチが急成長。殊にノアは4歳梅雨時にして古馬A級筆頭クラスで勝利。古馬勢、プリウスすら安穏としてはいられなくなってきた感が・・・
4歳二騎の出走が叶えば、盆の日本海特別、世代間闘争の最大局面の様相。必見!
ということで、今年下半期も、

◆ GO!GO!アラブ競馬! ◆

2000.7.15 記

兵庫発アラブ現場主義 『総括 2000年下半期アラブ重賞巡り』へ
ホームに戻る